おひとり様のためのグルメコレクションvol.9
前回から少し間が空いてしまいましたが、引き続き中央線沿線のおひとり様グルメを紹介していきたいと思います。
今回ピックアップさせていただくのは、JR中央線立川駅から徒歩5分程度に位置するまぜそば屋さん、『かぐら』。
筆者がここの特製まぜそばを食したのは2022年の12月なのでもう2年ほど経つのだが、未だにその旨味が身体の一部に沁みついたまま絶えず離れないというか、今でも克明に味を思い出せるほどに鮮烈な味わいだった。
鶏の旨味がはっきり抽出されており、非常に中毒性がある。
鬱憤が溜まった時に爆食すれば一気に悩みが晴れていくようなジャンクさと、それでいて重すぎず、とめどなく箸を動かし続けてしまうような軽やかさのハイブリッド。
ジョブチューンに触発された私人フードジャッジ系素人YouTuberが突如として『まぜそば抜き打ちテスト』なるものを行ったとしても満場一致の合格を収められることが確定しているような、まぜそば界隈の優等生といったポジションだろうか(もう途中から食レポの毛色が昔の『全力!脱力タイムズ』の滝沢カレンじみてきてしまっている)。
ちなみに筆者が2年前以来このお店を再訪していないのは決して悪い意味合いではなく、もう1度食べたが最後、今度こそまぜそばの暴力的なまでの中毒性に籠絡され、呆気なく生活習慣が崩壊してしまう可能性があるからである。それほどまでに畏怖を感じさせるようなパワーを秘めていたのだ。
もし仮に筆者に理性というものが存在しなかったならば、1日の生活ルーティーンに「『かぐら』のまぜそばを食べる」という行為が間断なく差し挟まれ続け、大事な書類を作成したり家事をやったりしている間にもずっと『かぐら』のまぜそばに脳内を支配され続けて生活がままならなくなってしまうだろう。
流石に筆者もそこまで食欲に塗れた馬鹿ではないので、毎日正座して半紙に書道用の筆で「ラーメン カレー ハンバーグ」とひたすら写経し続けることにより何とか己の胃袋を律せているわけですが、この習慣がなかったらとっくにヘビーリピーターとなり、身体中をラー油でコーティングされた世にも脂ギッシュな怪物へと変貌を遂げているかもしれない。
はい、というわけでまあ食レポとしては不適切な食欲減退表現ばかり無用に挿入してしまいましたが、鶏だけでなく煮干しや海老などのメニューもあって味のバリエーションも豊富なので、まぜそばや油そばなどの類が好きな方にとっては垂涎必至のお店と言えるでしょう。一度行ってみて損はないと思います。
まあそこから虜にされて食生活が『かぐら』のまぜそば一辺倒になってしまうという危険性も大いにあるんですが、そこは脳内でまずいくら丼を想像し、その横にいる「ストップと言わないとどんな食材であれ無尽蔵にマヨネーズをぶっかけ続けちゃうおじさん」が丼の上に阿修羅の形相でマヨネーズをニュルニュル捻り出し続けてるところでも想像してもらって、食欲を滅却させるなり何なりしてみてください。
あと私人フードジャッジ系YouTuberというよくわからないジャンルも私が勝手に創り上げた架空の存在なんで、くれぐれも模倣することのないようお願い申し上げます。現実に味の抜き打ちテストとか仕掛けてくるような奴がいたら癪に障りすぎて飲食店側からしたらたまったモンじゃないですからね。
つづく