おひとり様のためのグルメコレクションvol.8
前回に引き続きJR中央線沿線回ということで、今回は知る人ぞ知る名店の宝庫「西荻窪駅」周辺にあるおひとり様グルメをご紹介する。
まずは駅から徒歩3分ほどの場所にある『志那そば いしはら』。
店内はカウンター席のみで、如何にも町中華の王道、といった風格を備えた雰囲気だ。
噂によればワンタン麺が美味いらしいので、肉と海老のワンタンが入っているワンタン麺(ミックス)と焼き餃子を注文。
醤油と魚介の効いたスープは昔ながらの素朴な味わいを感じさせつつも奥行きがあり、ワンタンの中身の肉と海老は旨味と香りのバランスがちょうどいい良い。全体的に主張しすぎず、程よく上品であり、しかしそれでいてしっかりとした満足感を感じさせる。
焼き餃子も皮がモチモチしていて厚く、それが逆に中の具の味の繊細さを引き立てているような気がした。
すべてにおいてバランスがちょうどよく、ガツンとしすぎていないのですぐに飽きが来ない。これも大将の熟練の技によるものなのだろう。
話題性獲得のためかバラエティに富んだメニューが出回る昨今、一度原点回帰して上質なスタンダード中華そばの味を再確認したいとなった時に打ってつけのお店である。
続いては、こちらも駅から徒歩3分以内の場所にあるタンメンの名店『はつね』。
食べログのラーメン百名店にも選出されており、非常に人気である。このお店もカウンターのみでわりと狭めなので結構な行列が並びがちなのだが、回転は早いので少し我慢すれば割とすんなり入れる。滅茶苦茶並んでいるからという理由で足を運ばないのは勿体ない。
ここのタンメンは野菜たっぷりで栄養学的滋養はもちろんのこと、精神的滋養をもこちらに与えてくれる。スープは優しい味を感じさせつつ、しっかりと凝縮された野菜の旨味も染み出していてレンゲを動かす手が止まらなくなってしまう。
途中からあまりにも優しい味わい過ぎてサウナでいう「ととのい」状態になりそうになった。頭と心がフワフワしてくるというか、小学校低学年の時の図書の時間に司書の先生が優しい語り口で読み聞かせしてくれてる時みたいな穏やかな気持ちになった。
店主のおやっさんの謙虚で腰の低い感じも好印象で、それもきっと影響しているのだろう。
傷心気味の時にこのタンメンを食べたら思わずぽろぽろ涙を流してしまうかもしれない、そんな滋味深い一品だ。
う~ん、しかしやっぱりタンメンって良い食べ物だよなぁ。Googleで「タンメン アウトレイジ」で検索さえしなければ。
つづく