聞こえてくる喜びの声は最大のガソリン
考えに考えた作品を。
お金を払って買ってくれる人がいる。
毎日の人生を共にして。
自分で作った作品たちが。
その人の相棒になる。
年月が経ち、経年変化をしていく。
作った当初は白っぽい革だったのが、飴色へと変化し、ブラックやキャメル色はいい具合に傷が付き、使う程に柔らかくなる。
使えば使う程にアジが出る。
革のいいところであり、醍醐味だ。
「1年使って凄くいい味が出てます!」
「たまにオイル塗って使ってたら色がこんなに変わりました。」
「2年経って、ボタンが外れちゃって。
でもまだ使ってたいのでボタンだけ付けてもらう事は可能ですか?」
「プレゼントしたら凄く喜んでもらえました。
ありがとうございます!!」
こんな声が届いたりする。
こんなに嬉しい事があるだろうか。
自分で作った作品たちが。
自分の手元を離れ、巣立つ。
その先々でお役目を果たしながら。
子の手柄で親が褒められる。
嬉しい限りである。
物作りってのは。
手間もかかるし、時間もかかる。
さすがに一日中ずっとやっているのは辛い。
失敗もするし、イライラもする。
自分に腹が立つことなんてほぼ毎回。
その繰り返し。
でも、喜びの声が届いた時。
初めて報われる気がするんだ。
やっててよかったって。
初めて思えるんだ。
本当は、「ありがとう」って言いたいのはこっちなんだよ。
ありがとう。
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