どうすれば好きなことでメシが食えるんだろう。
高卒美容師
机に座りながらの勉強はもう嫌だ。
高校を卒業してすぐに俺は美容師を目指し働き始めた。
美容師の見習いなんて稼げる訳もなく。
時給換算するなら辞めた方がいい。
他に稼げる仕事はいくらでもある。
でも俺は辞めなかった。
夢中だったから。
一人暮らしで金も無く、お湯も出ず、メシも買えない。
1週間納豆と卵。
たまに買うキムチはご馳走だった。
先輩から味噌汁をもらえた時の嬉しさは忘れられない。
あれから10年以上が経ち。
今、ハサミを持って自分の店を出し、メシを食ってる。
出会い
前の記事にも書いたように。
それは突然の出会いだった。
自分で最強の財布が作れないかと思い始めた時、革と出会った。
「ちょっとやってみよう」
これが全てを変えた。
近くのホームセンターでレザークラフトに必要な物を準備し、来る日も来る日も仕事が終わってからも、日付が変わってもやり続けた。
毎日毎日寝る間を惜しんで、没頭した。
挫折
失敗失敗また失敗。
流石に自分に腹が立ち。何度も何度も諦めかけた。
革も決して安くない。
大きい失敗をすればするほどお金も飛ぶ。
本当にイヤになる事もあったけど、上手くなるには近道はない。
地道に少しづつ努力を重ねるしかない。
逆に言えば、それだけだから。
やれば上手くなる。必ずやり続ければ上手くなる。
それだけを信じて必死だった。
夢中
あの時と同じく、夢中だった。
10年前のあの日々に戻ったような感覚。
それをやり続ける事で。
4年間で400個を超える作品の数々を販売してきた。
作品を手にしたお客様からの声が。
今の俺のガソリンになってる。
そのために作り続けている。
好きな事でメシを食うという事は。
一つ一つの積み重ねだと俺は思う。