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忘れてしまったことさえ知らなかった記憶。〜#1 スカイウーマンの物語

こんにちわ、karo.です。

前々回の記事に書きましたが、お正月から、「植物と叡智の守り人」という本を読んでいます。比較的厚い本なので、まだ半分も読めていないのですが、最初の方に「スカイウーマンの物語」が書かれていました。それはネイティブアメリカンに伝わる地球創生の神話です。

地球創生の神話は国によって、いろいろな宗教によって、物語がありますよね。そのへんにまったく知識がなくて疎い私でも、なんとなく耳にして知っているのは、旧約聖書の『創世記』に描かれた「アダムとイヴ」のお話なのですが、これって改めて考えると、いつどこで聞いたのでしょうね?なぜアダムとイブを知っているのか不思議です。また日本の神話といえば日本書紀や古事記になると思うのですが、これは学校の教科書にも載っていないし、内容もよく知りません。日本人なのに、不思議ですよね。

今日からはうっすら考えたそんな事を、何回かに分けて描いてみます。


スカイウーマンの物語

ネイティブアメリカンに口伝で伝わる「スカイウーマンの物語」というのは、こんな内容のお話でした。(以下は本に載っていた内容を私の方で要約していますので、本文を知りたい方は「植物と叡智の守り人」を、ぜひ読んでみてください。)

ーー

まず、スカイワールドがありました。
スカイウーマンはスカイワールドの穴から地球に落ちてしまいました。
落ちてくるのを見ていた雁たちが、彼女が怪我をしないよう、羽で身体を支えてそれを助け、亀の甲羅の上に降ろしました。

彼女がここで暮らしていけるように、地上を作るにはどうしたら良いかと水に住む動物たちは考えました。

そして、「海底に泥というものがあると聞いたから、それを持ってこよう!」と、泳ぎの得意なカワウソやビーバー、チョウザメなどが、代わる代わる深海に潜り、泥を探しに行きました。しかし海の底は遠すぎて、深すぎて、水圧が大きすぎて、とってくることができません。
帰ってこない者もいました。


最後に残った泳ぎの下手なマスクラットが「自分も行く。」と言い、足をバタつかせながら潜って行きました。

そして長い時間がたったあと、その小さな身体が水面に浮かんできました。

無力な人間を助けるために命を落としたそのマスクラットの小さな手には、ひとつかみの泥がぎゅっと握られていて、それをみた亀が「私の背中にそれを乗せなさい。私がそれをしっかり持っていよう」と言い、スカイウーマンは亀の甲羅にその泥を塗り広げました。

そして彼女は、動物たちから受け取ったこの素晴らしい贈り物に心を動かされ、感謝の歌を歌い、足で優しく土に触れながら感謝の踊りをはじめると、その土はどんどん広がって大きな陸地ができました。

それがタートルアイランド(北アメリカ大陸)です。

そしてスカイウーマンは穴から落ちた時に、そこに生えている「生命の木」に手をのばし、さまざまな植物の果実や種子のついた枝を握ってきていました。
彼女は動物たちに感謝を込めて、それらをできたばかりの地面に散らし、茶色かった世界が緑色になるまで丁寧に一つ一つの面倒を見ました。
野花、花、木々、薬草がいたるところに広がり、食べるものもたっぷりあったので、タートルアイランドでスカイウーマンと暮らすようになった動物も多くいました。

そして、彼女が手に握ってきた植物のひとつで、最初に育った植物がスイートグラスなのだそうです。


もう一つの物語

そしてこの本では、もうひとり、緑の園と一本の木で知られている有名な女性についても触れていました。先に書いたアダムとイヴのイヴですよね。
その女性(イヴ)は、その木の果実を食べたために園から追放され、荒野を彷徨うことを強いられ、枝にたわわに実るみずみずしい果実を食べることは許されず、そのかわりに額に汗して働いてパンを作らなければならなかった。そして食べるためには投げ出された荒野を征服せよ、と教えられた。と。

そしてこう書かれています。

同じ人間、同じ地球、別々の物語。創造の物語がどれもそうであるように、宇宙論は自己のアイデンティティーや世界に対する立ち位置を決める源であり、私たちが何者であるかを教えてくれる。
それがどれほど意識から遠いところにあろうとも、私たちは否応なく、こうした物語によって形作られている。
一方の物語には生物界の寛大な抱擁、もう一方の物語には、生物界からの追放という結末がある。かたや私たちの祖先にあたる緑の園の守り手の女性は、子孫たちの故郷となる美しい緑の世界の創造者の一人であり、もう一方の女性は故郷を追われ、本来の住まいである天国を目指して、馴染みのない世界の険しい道を一時(いっとき)歩いているにすぎない。

私はこれを読んでいて、胸に染みました。そして「ああ、私は、私たちはイヴだった。」と思い、涙しました。

私たちはわけのわからない「罪」を背負わされて、それを「自分の罪」だと思い込んで、歩いてきたのだなぁ...。と。


(つづく)





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Kalo
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