うしろの正面だあれ

ぼくを囲んでぐるぐる回る黒い影
いやなことばかりを責め立てる
寝ても覚めても夢の中までも付いてきて
春、夏、秋、冬、、責め立てる 
いつまで続くかわからない

耳をふさいでも頭の中まで責めてくる
どこまでもどこまでも付いてくる
ぼくはうずくまって顔を伏せて悶えてる
日が暮れても心が帰れるところがない

誰かに助けてほしいけど
誰にもわかってもらえない
頭の中には声がいっぱいで
じょうずに考えられもしない

夏がはじまる頃にはもう
なんの希望も亡くなって
秋の気配を感じたら 
言葉も亡くして無抵抗

今は元気でいるけれど
あれはどうにもできやしない
あれから何度もあれがやってきた
それでもどうにもできやしない
慣れることなどありはしない

だけれどわかったこともある
あれはまさしくぼくの影だった

うしろの正面だれもいない
まわれ右してさようなら




          2023年 春 美咲


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