freeBard
これらはあくまでも個人的な好みに過ぎないだろう。好みならば、お互いに出来る話もあるだろう、その視点からそれらを見る。それが私の好みです。
深いイメージを表現したものです。
感謝の気持ち。
甲斐のお山に日が落ちて 家路を辿る道すがら お宮の木立のその陰に みっともねぇ子が座ってる おまんはどうした泣いとうけぇ 黙ってうつむく醜女ぼこ 言い囃されて嗤われて 悔しさ噛みしめ暮れなずむ 私のお顔が醜くて 突き立てられる後ろ指 心に刺さって抜けなくて 私はますます醜くて おまんらどうして苛めるでぇ 口には出せねぇこの気持ち お山に夕闇にじんでも 心が帰れる場所がない 「其の空虚なること風の如く、其の孤独なること林の如く、内なる苦悶は火の如く、其の諦念たる
まず瞳を閉じて "心の水面"という言葉を頭に浮かべてみます やがて言葉がほどけて心象風景になった頃に その景を吐息のさらに深まる辺りに浮かべて 水面を覗き込んでみると 月景ゆらめき 言の葉は微かに風に鳴り 水面に映る瞳と瞳が重なって 不意にこぼれ落ちたもの これが私の情緒でしょうか 心の真から まあるく拡がる水の紋 月はゆらいで水に溶け 私もゆらいで景に解け 気づけば水面は凪いで水鏡 ただ月景のみを映しています 私の瞳は消滅し 水面に映らぬ私の情緒だけがぼんや
あなたにとっては1分前でも 私にとっては遠い過去 私はすでにそこにはいない
頭で考えることの一切は、本質からは遠ざかる
私がゴキブリに産まれたというだけで なぜにあなたはそんなにも私を嫌うのでしょう 私がゴキブリに産まれたというだけで どうして私の命には価値を与えてはもらえないのか たとえあなたが私を踏み潰しても 私はあなたを愛しましょう 私はこの世で最も醜く汚い命だと決め付けられて 軽蔑されて圧殺されるべき社会の通念だけれども 殺虫剤の苦しみを私たちは唄わない 断末魔の叫びをこの声に表しはしない 私たちには私たちの美意識があり 我々はそれをあなた方に押し付けることはしない それが
己れの哀しき糸をかしき彩に染め上げて それを織り成し纏いここで舞うならば からりと笑うこの鼻その鼻 咲き乱れ笑う花花の狂宴也 過ぎ去りし日々に囚われ翳濃く刻まれ絞め殺されんとするままに この息の途絶えるのを待ち侘びて暮らした二十余年 今軽やかに我等己れの思考を突き破り 秘するを超えて花となり ここで舞い表し全てを貴方に委ねよう 2023年 夏 塩部
鋭くて柔らかい笹の舟の先っちょが ぼくをめがけて降り注ぐ とてもなつかしい気分ではあるけれど たまにはチクッと痛いかな みんながぼくと遊んでくれないから ぼくはひとりで笹舟 川に流してた みんなのいないところへ行きたくて ぼくの気持ちがたくさん川に流れてった かなしくなんかなかったよ さみしさだってそんなにない ぼくにはぼくの世界があったから ぼくはひとりでもたのしかった きみはぼくと遊んでくれたけど みんながきたらぼくは他人 きみはそれがはずかしくって そのう
天狗風 神代、神代の時代より 天狗の風が吹いている あれはいつかの幻か 我等再び此処に在り 五月雨濡れしこの身体 熱き血潮に煙る夢 それが何かと問われれば これぞ我が身の化身なり 夢、幻と線を引く おまえの愚鈍が透けている それを隠して振る舞えば 阿呆の群れが暮れて往く ハイヤ ハイヤ ハイヤ ハイヤ 有象無象が群れ成して ハイヤ ハイヤ ハイヤ ハイヤ もう日が暮れる 蔑まれうらぶれし者 我等があなたを連れて往く 夢、幻のその先に 天狗共の国がある ハ
荒れ狂う永い嵐の痕 その兵士は海の底からやってきた 手には錆びた機関銃を 握りしめたままそこに浮かぶ 透徹なる水面のゆらめきよ 我未ダ此処にニ在リシ和魂也 果てても尚信じる眼差し その兵士は戦火の中で夢を見た 故郷を燃やされ家族も焼かれど 私はあなたを恨みはしない 我らを隔てた立場の相違 断ち切るべきはこの報復の連なりなのだ ※一秒でも早く平和が欲しくて 何度も何度も引き金引いたこと 屈折した星屑ひとつ撃ち抜き水面に月映す 凪いだ水面に舟浮かべ 荒ぶるこの身を
コイツらも腹が減っているだろうと思い、ダンゴムシの群れに唾液を垂らしてみると、やはり寄ってくるヤツがいる。そして唾液を啜っている。私と似たような感性のヤツなのかもしれない。類は友を呼ぶのだろう。可愛いヤツだと思い指でつつくと丸くなる。するとテコでも動かぬ頑固さ。一貫にして徹底的であり、貫徹した態度である。悪気はなかったのに、弁解の余地も与えてはくれない。 少し離れて間を置いてもまだ丸まっている。離れれば見えないだろう、油断するだろうというのは、私の偏狭な思い込み。彼らにはも
カマキリが芋虫を喰っているこの生々しさ 人目もはばからずむしゃむしゃと皮を肉を喰い破り体液を啜りながら 私は己の内側を見せられているようでなんだか少し不安になる だがこの惑星の循環を想うとき この光景は美しいものなのではないのだろうか 私たちは首尾よく綺麗に整えられた美のイメージを与えられすぎて 目がくもってしまっているのではないのだろうか 美とは本来生々しきもののように思われる このような光景に逢うたびに芸術というものがわからなくなる 人間の営みではないけれど たと
なんだかいつの頃からか とても感じにくくなっている なにもかもがめったに心に響かない これはこれで人付き合いに支障をきたすのだ 誰かの感動に話を合わせてみるけれど ほんとはなにも感じちゃいない ようやく訪れた私の感動には 誰にもなんにも解ってもらえない
線香花火のように燃えてふくれて暮れてゆく うるんで震える朱い瞳 こぼれて滲んだ夕焼け小焼け
歌を歌いたい。音楽をやりたい。 5年前ぐらい前だったか、躁状態の時に再びステージへ返り咲こうと20年ぶりに音楽活動を再開した。メンバーもBAND名も決めてSNSで発信し、手応えは充分にそのまま行けると思っていたが、私が鬱になり全て中断、遮断。人に迷惑をかけ、そのことに対して何の責任も取れず、ただ消えた。騒ぐだけ騒いで所詮、口だけだったという恥ずかしさ。私は自意識が過剰なのだろう、死にたいぐらいの恥ずかしさに襲われてしまう。実際はみんな理解してくれてそっとしておいてくれている
ただこの衝動のままに狂えばよいものを
その寂びた扉を開けてみると、そこは小さなランプの炎がゆらめく薄暗がりの店内で、破壊的な音量で流れる能楽と酒の世界だった。その音楽は空間を切り裂くように鋭い笛の音と、頭の芯まで鳴り響く鼓の音に、イヨーッと高低に飛び交う掛け声で立体的に織りなされている。囃子とはなんと異次元の音楽だろう。しかもシテは夢幻の異世界から脳内に直接語りかけてくるようだ。能楽とは爆音で体感するとこうも不気味にハードコアで異質に感じるものなのか。使い込まれて深い艶を湛えたカウンターに、玄人好みのシングルモル