同時処理傾向のある人は、計画を立てるのが得意だ。けど、やらない⁈
同時処理傾向のある人は、学習計画を立てるのが得意だ。
学習法を考えるワークショップで、計画立てにとりくむと、
「こんな当たり前のことをやるのがワークショップ? まあ、自分に向き合える時間になるからいいか」という感想を持つようだ。
しかし、
これが実行となると、なかなか難しそうだ。
前回書いた継次処理傾向の人とは真逆になる。
なぜなのか?
考えてみた。
「同時処理傾向にある学習者と学習計画」というお題で、
ネガティブ面を書くと、結構ある。
以下のような傾向のある人が多いように思う。
まず、
A.計画たてが得意だから、すぐに計画を立てられそうだな、と自分でも思う
→すぐ立てられるから、今はやらない
B. 計画を立ててみると、なかなか上手な計画が立ち、これは結構すんなり遂行できそうだぞ、と考える
→すんなりやれそうだから、とりあえずやらなくていっか、と思ってやらない
B'. (もしくは)計画を立てるために全体を丁寧に検討してしまう
→その膨大さに怯み、全体が一気に終わらないことがわかり、やる気が起こってこない
C. 計画通り勉強を進めると、思ったより簡単に終わった
→今日はまだやる気があるし、時間もあるからもっとやってやろう!と思って予定を先取り。翌日は疲れてやらない。また別の日に取り返せるなどと考える。計画はあってなきが如しとなる。
D. 計画通り勉強を進めようとしたら、なんだかうまくいかない。
→全体像を見誤ったか。おかしい。保留にしよう。やらない。
E. 計画通り勉強が進み始める
→思考があちこちに飛ぶタイプが多いor早く全体像を見たいからゆっくりペースに我慢がならない→単調に少しずつ進める気がなくなってやらない
そして、試験直前となり
F. 持ち前の計画力とパワーで一気に回す。
全体も一気に見れるので、面白くなってくる。
うまくいく→ばんざい!さすがオレ(ワタシ)と思う。「もう少し早く始めてたら、もっとうまくいったのニナ」などと言う。
G. うまくいきそうにない(遅すぎた)→結構早く諦める
一つだけポジティブなことを書いた。
Fだ。
同時処理傾向の強い学習者は、このタイプは多いと思う。
継次処理傾向の強い学習者は、こうではない。
まず、計画たてが苦手なことは前回書いたが(A,B)、
ここさえうまくいけば、
C. その日の計画が実行できたら、どんなに時間と余力があっても、先に進まない人が多い。余った時間は遊んだり他のことに使う。同時の人は興が乗ると、学習が止められなくなり(早く進んでしまいたい)、やり続け、結局計画がダメになるが、継次の人はそうならない。
D. 継次の人は、「うまくいかない」とあまり考えない。やるべきことを淡々とやる。うまくいくかどうかは、実行を積み重ねた先にあるとイメージしているので、途中では考えないのだ。もしうまく遂行が進まなかったら、計画立てをここでさらに支援することになる。
E. 継次の人は、淡々と進めるのが得意なので、あまり飽きたりしない。むしろ、日々の学習をブロックのように重ねていくことに、喜びを感じる。(記入したページが増えた、インクが減った、付箋が増えた、計画のマスが塗りつぶせた、などが好き。同時の人は、これらについてはそうでもない)
けれども、
継次の人は、
Fのようには振る舞えない。
コツコツと長い時間をかけて学習を進めてきたのに、今まで怠けていた(ように見える)同時処理型の人に追い抜かれるのがココ。すごく悔しい。それどころか、全体像を一気に掴んだ同時処理型の人は、ミスは多いが、応用問題に強く、高得点を出すこともある。また悔しい。
ということで、
同時処理傾向の強い人に、学習計画で支援するとなると、
「本当に、あなたの描く計画で大丈夫なのか、1ヶ月だけでも取り組んでみて確認してみろ」
「すぐ飽きるから、1ヶ月など短期で全体を回せるうすーい学習計画を立てろ。薄くても全体を回せたら、面白くなって、2回目3回目を回せる。とにかく、絶対できる簡単で短期で1回目を終わらせる計画を立てろ」
と、
お説教のようになってしまったが(自分と同類なので、つい)
Gのようにならないように、とにかく「やってみろ」「飽きないように計画しろ」「全体を薄く早く回せ」を、ことあるごとに声かけをすることになる・・・。
それでも、Fのような成功体験をしてきた人には、あまり効かない・・・。
(逆に、自分の失敗パターンをよくわかっている同時処理系の人は、自分に合った上手な計画を立て、遂行する)
薄ーい計画でいいの⁈などと言い、それを「ゆっくり」やって、飽きて、間に合わない、などとなったりすることもある(泣)。
義務教育の学習や、それに乗ってきた学習指導者は継次処理型が多いので、
それらの人は
「とにかくやればいいでしょ」「計画立てなくてもいいんじゃないの、やればいいだけ」と言う。
同時の人は、これにうまく従えない。
ある人は「やればいいだけなのに、自分はやり続けられないダメ人間」と思い、
ある人は「やればいいだけの人って、作業的じゃね?ポイントを掴まないと、全体を掴まないと意味ないでしょ?応用問題が解けないでしょ?」と反発する。
同時処理の人は「あなたのやり方でOK!」と励ますことと、
情報の同時処理の特性を活かした、学習に弾みをつけるきっかけを与え続ける(もしくは自分で企画できるようにする)こと。
やる気を維持できるようにすることが、学習支援では大切かなぁ、と思う。
私がそれにどう取り組んできたか、も、追々書いていければ、と考えています(コツコツが苦手で、定期的に書けない・・・)。
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