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社内で違法行為が蔓延しているのに気付けない理由

最近、ちょくちょく友人や知人から、勤めている会社の悩み相談を受けることがあります。

私は数多くのブラック企業、ブラック職場を経験してきました。

ブラック企業に勤めていたときは、法律に関する知識が乏しかったこともあり、言いように会社使われておりました。

今では自衛のために色んな法律を勉強してきたため、ある程度の理解はあります。

そもそも、多くの人が違法行為が蔓延している企業から逃げ出さなかったり、そもそも違法行為だと気付けないのか。

今回はそんな謎について個人的見解を述べたいと思います。

そもそも労働基準法って…?

この国で生まれ育ち、企業に勤める社会人は誰しもが義務教育を終えているかと思います。

多くの人は高卒、大卒、専門卒で就職しているかと思います。

労働基準法を守っている、ごく普通の企業であれば、入社時に社内規定の説明を受け、勤務時間、法定休日等などの説明を受けているはずです。

裁量労働制とか、みなし残業とか、そういった制度を取り入れていない限りは、1日8時間労働で、1時間休憩、週休二日制だと思います。

しかし、中にはこんな人もいます。


うちは労働基準法を適用していないから、残業代が出ない


独自の裁量労働制を取り入れているから、勤務時間は制限されているし、残業代も出ない


土日は遅れた分を取り戻すために自主的に出勤する決まりになっているので時間外労働にならない


これは、何れも私が直接相談を受けた人達が言っていたり、言われたりした内容になります。

はっきり言います。



何れも労働基準法違法行為です。


それは、さておき、そもそも労働基準法ってなぁに? という方もいることでしょう。

自分の言葉でざっくり言うと、労働者が常識の範囲内で無限に働かされないようにする法律です。

元々、労働基準法のルーツは産業革命まで遡り、工場のラインのように沢山生産すればする程モノが売れました。

つまり、時間=生産量≒利益でしたので、労働者に働いて貰えば貰うほど、経営者の利益が増え続けるのでした。

しかし、労働者を際限無く使い続けることにより、生産性の低下やら健康問題やらが取り沙汰されたため、一日の労働時間に制限を掛けるようになったものです。

しかし、今はモノを売るだけの時代は終わり、時間=生産≒利益とはならない時代となりました。労働時間が直接利益に繋がらない職業のために生まれた仕組みが裁量労働制みなし残業代です。

だから、何で違法行為が蔓延しているの?

話は戻り、多くの企業で違法行為が蔓延したり、誰も指摘せず自浄作用が働いていないかと言うと、私なりの考えですが、とてもシンプルだと思います。

それは、




労働基準法を知らないから




この一言に尽きると思います。

私は義務教育を終えた後、普通科の高校へ行き、情報系の大学を卒業しましたが、労働基準法をきちんと学ぶ機会はほぼありませんでした。

というより、学生の頃は働いた後の法律を意識することがあまりありませんでした。

商業系の高校などのカリキュラムは分かりませんが、少なくとも義務教育で労働基準法をきちんと教えるケースはあまり無いかと思います。

そもそも、全国の殆ど教員自体が勤務時間を管理されておらず、無法地帯状態なので、指導もままならない状態でしょう。

社内で違法行為がまかり通るのは、指摘する人がいないからではなく、そもそも違法だと知らないからという理由の方が多いかと思います。

知らない人が多ければ多いほど、それは暗黙のルールとなり、法律より社内の常識の方が正しいと錯覚してしまうのでは、ないのでしょうか。

学校の本質は工場

以前、Twitterにて現職の教員のあるツイートが波紋を広げました。

学校の本質は工場

ということです。

このツイート内容について、私は概ね同意しております。

そもそもな話ですが、学校は工場のようにみんな同じ作業を行える人材を作り出すために生まれた機関なので、本質は工場であるということは、産業革命の歴史が証明しています。

つまるところ、ズバ抜けた人材を生み出すのではなく、規格内の人材を生み出すことが本来の学校という組織の目的なのです。

もちろん、子供の才能を見出して長所を伸ばすことに精を出す教員の方は数多く存在すると思います。

しかし、教員の中には大学を卒業してそのまま教員になる人が多く、知らず知らずの内、学校という組織の手のひらで際限なく働き続け、潰れてしまう人が大半なのではないのでしょうか。

労働基準法を学んでいないのですから。

義務教育で労働基準法を教えるべき

労働基準法について無知な人が多いのは、言うまでもなく勉強をしていないからです。

義務教育にて、労働基準法はきちんと教えるべきだと、私は考えています。

また、教える側の教員自身も知らず知らずの内に労働基準法違反に加担してしまっているので、教員自身も労働基準法について学ぶ機会を設けなければ、この負の連鎖は止まらないのでは、ないのでしょうか。

国語や数学などを教える時間が足りなくなるかもしれませんが、絶対に労働基準法については教えた方が良いと思います。

学校を卒業した人の大半は社会人となり、人生の大半は労働者として生きる人が殆どなので、覚えておいて損することは絶対にありません。



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