本読み感想


あの子は貴族 山内 マリコ
 いったいどうすれば自分は幸せになれるのかということを誰も教えてはくれない。
それは個人個人違うから。
 何かしら仕事なり、勉強なりで目標をもって達成していくときは、いつも、自分の手を伸ばせば届く自分のほしいものは何かということを明確化していくことが大事だと思う。
美紀はそういう意味で、幸一郎とは世界が違うという手を伸ばしても決して届かないところではなく、自分の性格にあった手を伸ばしたら届く自分のほしいものを求めて幸せになった気がする。
 対して、華子は、自分がどういう性格を持っていて、どうしたら幸せになれるのかということが、なかなか明確化できなかったように思う。だからお姉さんやお母さんなどの意見にもどうしても左右されてしまう。でも、華子の気持ちもわからなくはない。本に書いてあるように、女同士を分断する価値観に女が一番染まっていることもあり、自分で自分の人生をきりひらく自信がない場合、価値観にそうように20代のうちに結婚したいとなりやすいかもしれない。
 本当にリアルで、一気に読むことができたけれど、一方でこういうことは本当にそこらじゅうでおこりうる話だなと考えるとただ面白かったと一言でも言い切れない本でもあったかと思う。

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