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(飛行機のあれなに?これなに?) その3

今日は飛行機の翼の付け根のライトについて説明します。


まずは写真をご覧ください


これは飛行機搭乗の際にPBB(passenger boarding bridge)から撮った写真です。


拡大します。

wingの付け根にライトがあります。

これは左右のウイングで同じように取り付いています。
全面は透明なカバーになっており、奥に2種類のライトがあります。
(機種によっては3つ装備されるものもあります)



ここで問題です。


なぜわざわざ2つも取り付けられているのでしょうか?

A:それぞれのライトで照らしている場所が違う

B:2つのライトでより明るく照らして、法的な明るさを満足させる

C:片方のライトが故障で点灯しなくなった時、もう一つがバックアップで働く。






さくっと答え合わせ



正解はAの
「それぞれのLIGHTで照らしている場所が違う」
です。

それぞれ名称が付いていて
外側がLANDING LIGHT
内側がRUNWAY TURNOFF LIGHT
と呼びます。


LIGHTの目的、使用の流れなど


まずLANDING LIGHT

着陸時を思い浮かべてみましょう。

飛行機は到着空港のRUNWAY(滑走路)に向かってまっすぐ進入します。
RUNWAY(滑走路)は空港施設で照らされていますが、着陸(LANDING)中は常に正面は明るく照らしておきたいですよね。
夜間の車の運転と同じイメージです。
そこで「LANDING LIGHT」が着陸中に正面を明るくします。
(離陸中も同じです)

次にRUNWAY TURN OFF LIGHT

今度は着陸後を考えてみましょう。
無事着陸が完了すると、管制官に指示されたスポット(駐機場)まで進みます。
道のりは
RUNWAY(滑走路)→ TAXI WAY → SPOT です。

TAXI WAYは左右に曲がるカーブが多いので、
パイロットは曲がる先を照らしてくれるLIGHTを欲します。

そこで「RUNWAY TURNOFF LIGHT」が飛行機の前方の少し斜めの(左右)を照らしています。
これによって曲がる時に進行方向が見やすくなるのですね。

名前の由来ですが
RUNWAY(滑走路)から
TURNOFF(道を外れた)後
に使われるLIGHTという意味です。

また、飛行中にも使われていて、旋回中に進行方向を照らしたりもします。


ちなみに今回紹介しませんでしたが、TAXING中の正面方向は
「TAXI LIGHT」で照らします。
正面を照らすLIGHTは
LANDING LIGHTとTAXI LIGHTの2つがあって、
シチュエーションで使い分けています(輝度や点灯条件が違います)


簡単にまとめると

・前提として、夜のような暗い時間帯、天候により視認性が悪い時でも、飛行機の進行方向は見えてなければなりません。

・それぞれのライトは付いている名称の部分を照らしています(=それが装備目的です)

・外側のLANDING LIGHTは
LANDING(着陸)の時に真っ直ぐ飛行機の目の前を照らして、滑走路を見やすくしています。

・内側のRUNWAY TURNOFF LIGHTは
TAXING(スポット〜滑走路までの移動)中に斜め前を見やすくしています。


余談ですが


パイロットの操縦に影響が出ないように、それぞれのライトは照射角が決まっています。

白熱電球タイプの球切れの場合は電球交換で問題ないのですが、ライトの取り付け角度に影響が出るような整備が発生した場合は、調整が必要になります。

そして整備士を目指す方は、家の電球の交換は必須科目です。

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