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日々旅にして、旅を栖とす

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最近の記事

世界半周記⑩ケニア~生物の楽園・旅の終わり~

入国審査を前に、私は警戒していた。 エジプトで出会った旅人から、嫌な話を聞いていたからだ。 入国審査の際、あまりにもダラダラと手続きする審査官に苛立った彼は、少し文句を言ったらしい。すると、警備員を呼ばれ、高額の罰金を払わせるぞとすごい剣幕で脅されたという。 平謝りしてなんとか切り抜けたらしいが、なんとも嫌な感じだ。 アフリカでは賄賂の要求も多いと聞く。 その旅人は、ケニアでは他にもろくな事がなかったと言って、今いるエジプトは楽しいと満足そうだった。 エジプトで散々だっ

    • 世界半周記⑨エジプト〜なんぼのもんじゃいピラミッド〜

      朝、カイロに到着。 空港を出て市内へ。 昼食を求めてコシャリ(米、スパゲッティ、マカロニ、豆にフライドオニオンとトマトソースをかけごちゃ混ぜにしたエジプト料理)の有名店に向かう。店の前で出会った中国人男性の旅行者に誘われ、一緒に食べることに。トマトソースのパスタが好きなのでかなり期待していたのだが、大味で少し期待外れだった。 宿にチェックイン後、寝不足だったのでしばらく寝る。起きて夕飯へ。 宿に戻ると、同室に自転車で世界一周中のたかしさんという人がいてしばらく喋った。

      • 世界半周記⑧モロッコ~迷路の先に~

        初めてのアフリカ大陸に、私は少し緊張していた。 恐る恐る空港を出て、マラケシュ市内に向かうバスを探す。 なかなか見つからなかったが、バス乗り場付近で出会ったスイス在住の韓国人のおばさんが、私もこれから同じバスに乗るのよ、と言って教えてくれた。モロッコには仕事でよく来るらしい。 市内に到着後おばさんと別れ、一人宿に向かう。 道中にあったフナ広場と呼ばれる場所には多くの屋台がひしめき合っていて、大道芸人や蛇使いもいる。 夕飯時ということもあってかなり活気があった。 マラケシ

        • 世界半周記⑦スペイン~束の間のシエスタ~

          早朝にイスラエルを発った飛行機は、昼前にマドリードに到着した。 モロッコへの乗り継ぎの間の短い時間だが、昼食を求めて市内に繰り出してみる。 マドリードはさすがに絵になる街並みだった。 サンミゲル市場というテイクアウトの飲食店が集まる場所に行ってみたが、観光地価格で味もそこそこだった。 結局その辺の適当なカフェに入り、サングリアとパエリアを注文した。 久しぶりの酒で酔いが回って、空港に戻る電車の中で寝過ごしてしまい、危うく飛行機に乗り遅れるところだった。 今度スペインに来

        世界半周記⑩ケニア~生物の楽園・旅の終わり~

        • 世界半周記⑨エジプト〜なんぼのもんじゃいピラミッド〜

        • 世界半周記⑧モロッコ~迷路の先に~

        • 世界半周記⑦スペイン~束の間のシエスタ~

          世界半周記⑥イスラエル・パレスチナ~薄氷の日常~

          ジョージアの空港で受けたイスラエルへの出国手続きは、史上最悪のものだった。 後からわかったのだが、厳しいと聞いていたイスラエルの入国審査がザルだったので、飛行機に乗り込む前に徹底したチェックを行っているようだった。 イスラエルの航空会社を利用したのでその会社の人間が行なっているのか、それともイスラエルの入国審査官がジョージアの空港にもいたのかはわからない。 とりあえずめちゃくちゃ待たされるし質問は多いし、審査は尋問調だしで相当イライラした。 荷物もスマホと財布以外すべて預け荷

          世界半周記⑥イスラエル・パレスチナ~薄氷の日常~

          世界半周記⑤ジョージア~風の憧憬~

          ジョージアよりグルジアと言ったほうがピンとくる方が多いかもしれない。 ヨーロッパとアジアの境目あたりに位置する、旧ソ連の構成国だった国だ。 ジョージアは英語読みで、グルジアはロシア語読みらしい。 ジョージアと聞いても一体何があるのかイメージがつかない方が多いのではないかと思うが、コーカサス(カフカス)山脈という言葉は聞いたことがあるかもしれない。また、ジョージアはワイン発祥の国とも言われている。 マイナーな国だが、世界一周旅行者の間では人気があり、いちばんよかった国に挙げる人

          世界半周記⑤ジョージア~風の憧憬~

          世界半周記④インド~標高4000メートルの秘境で~

          インドとは因縁があった。 大学1年の春休み、初めての海外ひとり旅に選んだのがこの国だった。 子どもの頃から旅行記を読むのが好きだった私は、バックパッカーといえばインドでしょ!という非常に安直な考えで行き先を決めた。 が、この国は旅慣れた旅行者でも苦戦を強いられる場所であり、ましてや初心者向けの国ではなかった。 世間知らずの19歳にもインドは容赦なく、なんとか3週間生き延びた私は慢性的な下痢と人間不信を抱えつつこの国を脱出したのだった。 -----------------

          世界半周記④インド~標高4000メートルの秘境で~

          世界半周記③タイ後編~今日も今日とてトムヤムクン~

          ルアンパバーンを出た夜行バスは、早朝、国境の町フエサイに到着した。 国境で出入国手続きを済ませ、タイ北西部の街チェンライへと向かう。 その日のうちに、ワット・ロンクンという白い寺とワット・ロンスアテンという青い寺を見物した。 チェンライではグラブが使えて便利だ。またラオスより物価が下がり嬉しい。 昼食にカオソーイを初めて食べたが、カレーうどんみたいで美味しかった。 夜はホステルのオーナーの女性が近場のおいしい店を教えてくれたので、そこで麺料理を食べた。あっさりした優しいスー

          世界半周記③タイ後編~今日も今日とてトムヤムクン~

          世界半周記②ラオス~旅は道連れ~

          タイから陸路で国境を越えラオスへ。 ラオスに行ったことがある旅人たちからは、何もないがのんびりしていていいところだと聞いていた。 そんなスローな雰囲気を期待していたものの、国境を越えたところから街中まで、トゥクトゥク(三輪タクシー)の客引きが多い。 インドに比べたら全然しつこくないが、タイではほとんど出会わなかったので少しがっかりした。 ラオスにも観光客が増えてきているということだろうか。 昼はショッピングモールでラオス版ラープ(ひき肉を使ったサラダ)を。ひき肉にしっかりと

          世界半周記②ラオス~旅は道連れ~

          世界半周記①タイ前編~微笑みの国のカオス~

          旅の始まりはタイだった。 タイを1カ国目に選んだのは、予防接種を安く受けるためという非常に現実的な理由からだ。 世界一周ともなると、世界各地で様々な病気にかかるリスクがある。 黄熱病、A型肝炎、狂犬病・・・その他もろもろ。 狂犬病なんかは発症すると100%死に至る恐ろしい病気だ。 こうしたリスクを避けるために、世界一周旅行者はいくつものワクチンを接種する必要があるのだが、これを日本の病院で受けると総額10万円くらいになる。 貧乏バックパッカーにとって、この初期費用はなかなか

          世界半周記①タイ前編~微笑みの国のカオス~