Vol107. カップラーメンをすすりながらポテチを食べたい。

弱い者が強い者に勝つ唯一の方法といわれる、ランチェスター戦略というものがある。
戦闘力=兵力の質×量というおおもとの発想から大きくは2つの法則がある。
第一法則:弱い者の戦略
戦闘力=武器効率(質)×兵力量(量)
武器効率(質)が同じであれば、強い者には兵力量(量)で負けてしまう
→武器効率(質)を上げながら、局地戦を仕掛けていき、強い者の兵力量を分散させていく。

第二法則:強い者の戦略
戦闘力=武器効率(質)×兵力量の2乗(量)
武器効率(質)が低くても兵力量(量)で圧倒することができる
→弱い者が取った戦略を真似し[武器効率(質)を上げ]ながら、兵力量(量)で圧倒する。

と、ここでそもそも弱者と強者は何者で自分はどっちなのかという疑問にいたる。

それは戦っている場所での占有率(市場マーケットシェア)で分けられる。
73.9% 独占的市場シェア:独占的になり地位が圧倒的な安定となる。
41.7% 相対的安定シェア:不測の事態が起こらない限りは安定的な1位
26.1% 市場的影響シェア:トップの最低条件、これを下回ると1位でも安定はない。
10.9% 市場的認知シェア:市場全体に影響を及ぼせるようになり、足がかりの数値とも。
6.8%  市場的存在シェア:市場への影響力を失う、撤退の目安とも。

市場占有率26.1%以上の業界1位は強者でそれ以外は弱者となる。

僕はここに「個」客戦略も加えて考えたい。
個人の嗜好やライフスタイルの多様化は止まらない。
正しくは、多様化をサプライヤー側が認知できるようになったということかもしれないが。
そういったなかで、「市場の」という主語はどんどん意味を成さなくなってくるのではないかと思う。
「その人の」中で競合となる商品を定義して、「その人」の占有率を高めていく必要がある。
そもそもトヨタがクルマではなくコネクテッドカーを売るようになったり、マイクロソフトがWindows OSからクラウドサービスを売るようになったり、githubを買収したり、「市場」の区分け自体がどんどん曖昧になっている。
逆に言うと業界や市場にこだわらなくてよくなった。
まず最初に「個」客の手元に商品やサービスを置き、置かれたスペースの73.9%の占有を目指す。
例えば、良い包丁が作れたとするのであれば、その包丁を置くスペース(キッチン?)占有率26.1%を目指す、そして73.9%へ広げていく。そのためには包丁を置く台やまな板、場合によっては調味料などにも手を伸ばしてくいく必要がある。
そして、その「個」客のキッチン占有するとダイニングテーブルの周りにも手を伸ばし、リビングルーム、寝室へと侵攻を開始する。
なんて。

しかも今の時代でも、その第一歩を踏み出すハードルはクラウドファンディングがあることによってかなり下がっている。作り手の想いやこだわりも乗せて、初めから優位に「個」客の心への進攻していける。しかもそんな「個」客が心を許し、友軍となってくれる可能性まである。

ちなみに1日24時間の相対的安定シェアの41.7%は10時間となる。
2時間の残業をする場合の労働時間とほぼ同等となる。日本市場だと日清食品やカルビーが占めるシェアがだいたいこれくらいである。
言い換えると自分市場の日清食品やカルビーはお仕事ということになる。
カップラーメンをすすりながらポテチを食べたい。

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