Vol.103 Cutting Edgeの景色を五感で感じたい

先日元ボスコンの堀紘一さんが立ち上げたドリームインキュベータの執行役員の方の講演を聴きにいった。学生時代のインターンでメンターとしてお会いしていたが、社会人になって名刺交換をして、自分の成長を少し感じたりなんてした。
当時も感動したが、再度お聞きして感動したのが、

「フックと回収エンジン」の話だった。

人をひきつけるフックとそれをマネタイズするエンジンの部分。
これらを遠ざければ遠ざけるほど、ビジネスは大きくなってくる。
グーグルは、無料の検索エンジンなどを用いて集客し、広告収入によってマネタイズ。
ここにさらにフックとそれの回収エンジンの時間軸も離していくとさらに巧妙になる。

昔、松下電工は専門高校生の研修に教科書と工具を無料で配布した。
するとそこで、研修を受けた生徒は、一人前になって工事をするときに使い慣れている松下電工の製品を選びやすくなっていった。
その結果、松下電工の製品での施工に長けた電子工事士が大勢育成されたというもの。

この話を軸に気になっている3つの記事がつながった。

①【フックと回収エンジン】
他にも多くの企業が同様の施策を実施しているが、アップルも同様のことを仕掛けているようだ。
https://newspicks.com/news/3002826/body/
アップルがインドの少年少女にアプリ開発を指南している。
しかも、多くの著名な講師を呼んで。
記事のなかでは「アップルの戦略は開発者をiOSのエコシステムに囲い込むことだ」とあるが、
ほんとはもっと深いと思う。

指南を受けたインドの少年少女が将来優秀なエンジニアとなったときに、進む方向性は就職、起業のどちらかになる。プロジェクトベース型の働き方が、世界的に一般的になってくるであろうこれからの時代、アップルに就職というよりは
起業(そもそも起業という概念すらもなくなるかも)の選択肢を選ぶ可能性もだいぶ高い。

とはいえ、松下電工の例と同様で彼らが、今後の使い慣れたアップルのパソコンを選んでくれれば、彼らがどのような偉業を成し遂げたとしてもその隣には必ずアップルのパソコンがおいてあることになる。
結果として、お金をかけないとても大きなPR効果にもなるし、継続的な収益に一役買い、少年少年が将来どんな選択をしても、アップルとしてはおいしいという状況を構築しようとしているのではと思った。

②【「ARとモバイル決済」が完璧な組み合わせである理由】
https://newspicks.com/news/3004850/body/

↓↓(抜粋)
頷いたり目をぱちりとさせたりするだけで、服の代金を支払える世界を想像してみてほしい。
あるいは、特定の家具を自宅のリビングルームに置いたらどう見えるかを3Dで視覚化し、
その将来のリビングルームが良い感じならすぐにその家具を購入できる世界を──。
↑↑

そんなシームレスな購入体験がすぐそこまできているようだ。
それによって製品体験が向上させ、滞在時間を長くし、コンバージョン率を上げ、返品率を下げるなどの効果が認められているようだ。
しかもセキュリティに関してもARグラスを使うことで同時に虹彩認証ができる。


↓↓(抜粋)
マスターカードはすでに「MasterPass(マスターパス)」プログラムを通じて、AR眼鏡対応のモバイル決済を導入している。
スマートフォンにログインしてひと通り購入手続きをするかわりに、ARヘッドセットによる虹彩認識で本人確認をするだけで決済が完了する仕組み。
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そして、そこにはもちろんすでにアリババが参入している。
顧客に対して、ARを活用した仮想店舗に入れるサービスを提供しているようだ。

③【インテル・ミラノに学ぶ、ブランド構築と満足度向上の鍵】
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/070800035/041600047/?ST=SIO-bus


↓↓(抜粋)
スポーツクラブの経営は、放送権料やスポンサー収入、そしてファンからの収益によって成り立っている。
こうした収益を持続的に獲得していくためには、クラブ自身が相応のブランドを確立させていなくてはならない
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ブランド構築に重要なキーワードはどのような理念とビジョンで創ったのかという「レガシー」と現状で何が起きていて、自分は何者になりえているのかという「リアリティー」の2つらしく


↓↓(抜粋)
「ブランド構築における重要キーワードは2つあります。まずは“レガシー”です。
誰が、どのような理念とビジョンを持ってこのブランドをつくったのか。
インテルの場合、多様さを重んじて団結していくという思いの下、クラブの歴史がスタートしました
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※※
インテルはもともと、同じミラノに本拠地を構えるACミランと同じチームであった。
しかし1908年、外国人選手の加入を巡ってクラブ内が対立した際に、
外国人選手の受け入れに賛成するメンバーが前身のチームから独立し、
多様性を重んじることを理念にしたインテルを創設したという歴史を持つ。
※※


↓↓(抜粋)
もう1つ大切なものは“リアリティ”です。現状で何が起きているのか、私たちは何者になり得ているのか。
インテルはこれまでの歴史の中で多くのタイトルを獲得してきましたが、その一方で負けることも多くありました。
しかし、ビジネスというものは勝とうが負けようが続いていくものです。
ですから、どのような状況にあっても満足することなく、常に高い目標を設定し、将来のゴールに向かっていくことが必要だと思っています。
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上記を軸に、ファンと共を意識して、コンテンツを創る


↓↓(抜粋)
「どのビジネスにも当てはまることですが、企業はファンをよく理解しなければなりません。
我々は“ファンに対して”ではなく、“ファンと共に”という考え方を持っています。
そのため、コンテンツ1つとっても、我々から発信するだけではなく、ファンと双方向で会話し、彼らに合わせてコンテンツを作ることを重視しています」
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ことで、スタープレイヤーによらないブランド構築を行っているようだ。

そして、ファンの「所属感」を醸成しながら5,10年後を考えたプロモーションを行っている。


↓↓(抜粋)
「インテルというコミュニティに所属しているという感覚をファンに持ってもらうことは非常に重視しています。
シーズンチケットを購入するということは、自分がファミリーの一員であることの証明になりますし、シーズンチケットのPRなども所属感にフォーカスしてプロモーションをしています」
ファンが「自分もクラブの一員である」という思いを持てば、チケットやグッズの売上が上がり、収入は増える。それだけではなく、日常のアイテムとしてグッズを身に付けたり、
友人や知人を試合に誘うことで、クラブにとっては無料でプロモーションを行ってくれる存在にもなる。
そんなファンを育成するために、インテルでは家族向けの席種に力を入れているという。
「家族連れ、そして子供をターゲットにしたファミリーフィールドは、禁煙でアルコールもなく、非常にお求め易い価格で提供しています。サッカーだけではなく、家族で楽しめるイベントも用意したエリアです。
収益としてはそれほど大きなインパクトはありませんが、例えば10歳のお子さんがこのエリアに通ってクラブのファンになれば、数年後、自分でチケットを買ってくれるようになります。今現在は収入に結びつかなくとも、将来的には重要な収益源になるのです。
このように、我々は常に5年後10年後を考えてキャンペーンをしています」
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それを【インテルでは「ファン一人一人のデータを把握し、ワンツーワンで様々なオファーをしている」】をしているというので、驚きだ。

【フックと回収エンジンを意識した事業設計】
【Eコマースの購買体験のシームレス化】
【ファンを「個」客として認識した所属感の醸成】
という流れの中で、新規事業のブーストをサポートするクラウドファンディングでは、しいてはクラウドファンディングプロジェクト設計のコンサルタントとしては何ができるのだろうか。
事業者側にはフックと回収エンジンを理解してもらい、クラウドファンディングをフックとして扱ってもらう。その際に回収エンジンについても少なからずサポートができたらより良いだろうなぁと。
そしてページの構成のなかでは以下にシームレスな購買体験をユーザーに提供できるかというところを意識する。もしかしたらページ内の画像にハイパーリンクをつけてあげるのもいいかもしれない(ページ本文内のリターン紹介の画像をクリックすると購入ページにいくなど※indiegogoではすでにやられている)
とはいえ、なにより対面しているユーザーは層ではなく個の集合体でしかない。そのため、方向性は変わらずとも個を捉えた対応が必要となる。これは人力では限りがあるので、テクノロジーの力を借りて進めていく必要がある。
そういった全てを一気通貫にてプロデュースできるポジションにいるのではないかなぁなんて思ったりした。

そして、実はそれを思っているよりもスピード感をもって随時アップデートしていく必要がある。
もちろん、日本マーケットは特殊で、「神風」が吹くこともあるが、そんなことをもろともしない資本力とスピード感で攻めてくるアリババやテンセントが虎視眈々と狙っていて、気づいたときにはもう遅いということは大いにありえる。
https://mainichi.jp/sunday/articles/20180507/org/00m/020/001000d

また、とあるプロジェクト実行者と話していて、常に"cutting edge"に立っておきたいし、知っておきたいという言葉は妙に響いた。

人材としても世の中の流れに取り残されないように日々のインプットアウトプットを含めた鍛練を積んでいかないと勝ち残れない。もっと頑張らないと危機感を感じたりした週だった。

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