Vol69. クラウドファンディングとデータ取引市場

いよいよCCCが自社のデータリソースを使って新事業の考案に乗り出してきた。
https://www.wwdjapan.com/542955
以前とあるコンサル会社のインターンへいったときにコンサルのノウハウって本で吸収できるものも多いと思うので、これから社内で内製しようとしたときにコンサルタントの今後の立ち位置や優位性はどういうところにあるのかという質問をしたときに、

「うちには今までのデータがある」

と言われたのを思い出した。
https://japan.zdnet.com/article/35076000/
AIやIoTの時代に入り、よりビッグデータの活用先がでてきて、よりデータの重要性はあがるのだろう。。

また、実際データ取り引き市場も盛り上がりをみせている。個人と企業間のデータ取り引きとして、エブリセンスジャパンのスマートフォンアプリEveryPost ( http://everypost.me/ )

などもある。(個人が売ってもよい位置や歩数、気温などのセンサーデータを登録し、データを買いたい企業などから「レシピ」と呼ばれるオーダーが送られてくるのでそれを承認すると売買が成立するというもの)

ほかにも健康データの流通をさせようと東大の山本義春教授が始めた「ヘルスケアIoTコンソーシアム」は産学協同でその技術を標準化し、基盤を2020年までに構築する計画を進めている。

もちろん大手もデータ取り引きには参入していて、KDDIが去年の6月よりKDDI IoTクラウド~データマーケットを提供している。(最新店舗情報、購買情報、将来人口推計、訪日外国人の動向解析などなどで、データ価格は数十円単位からあるそう)

そのほかにもオムロンもビッグデータ収集に関与していたりなど、先日ご挨拶だけだったけれどもちらっとお会いした竹林さんの話で「複数データを取得できるセンサーを複数企業がシェアリングすることも考えられる」ともあるなどと市場としては盛り上がっていきそうだ。

ただ、ここに「もたざる」ものがどう関わっていこうかと。

データ収集→データ分析→データ提供→データ活用をして新規事業創出

と結果的に進んでいくと捉えたときに、KDDIの「様々な産業にIoTサービスを提供してきたので、価値を出すにはどのデータをどのように分析すればいいのか、といったノウハウを蓄積できている。データマーケットにそれを活かす」という発言にだいぶチャンスを感じた。
データ提供のノウハウがあるが、最終アウトプットとしてユーザーへ届けるときのノウハウにはクラウドファンディングに分がありそう。

たとえばツイッターのツイート動向の分析情報やユーザーの購買情報を仕入れて世間の流行を俯瞰して新規事業を考案したとして、果たして本当にその商品を購買してくれるのかという不安は依然として、残る。また、社内の新規事業の決済体制が変わらないのであれば、本質解決にはなっていない。

そういった中でクラウドファンディングのような最終企画段階の商品を実際に購入してまでも生のフィードバックをしてくれることの価値はとても大きいと思う。

今後のクラウドファンディングがデータ取引市場に参入していくことは大いに意義のあることだと思う。クラウドファンディングというアウトプットのプラットフォームを持っていることの強みも大きい。

収集するべき情報の精査する必要はあるが、例えば、ユーザーのプロジェクトページ内の具体的にどの部分にどれだけ回遊したかであるとか、どういった形で回遊しているかをトラッキングできるようになると様々なカテゴリーの商品が掲載される世界観の中で「流行」を探れる一つ大きなデータリソースとなりえる。そして、データリソースを使ってできた新事業のテストマーケティングの場として、クラウドファンディングを再度活用して世の中に出す前にブーストをつけていく。
そういった循環がスピーディーに回り始めると新事業が世の中にでる頻度、確度があがり、実施へのハードルが下がってくれると、ゆくゆくは日本のGDPの向上につながるのではないだろうか。

はて。

冷静にデータを個人企業間で売買ができるようになると生きているだけで、その人(体温、気分の起伏、おなかの調子など)や周りの環境(気温、騒音レベルなど)様々なものをデータとして収集するだけでお金に換わるということが可能なのだろうか。

例えばだけれども、ベーシックインカムはデータ取引によって、可能になりえるのではとも思った。
国からキャッシュをだすと思うと難しいが、健康スマートバンドを配布(医療費などのお財布から)して、データを随時提供することで、その対価を得る。

すると生きているだけで、ベース収入ができる。

なんて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?