エンジニアが事業を立ち上げる時にハマりがちな落とし穴
このエントリーはGaiax Group Advent Calendar 2018の20日目として書いています。
Gaiaxは最近、小規模のスタートアップ立ち上げにかなり注力しています。具体的には、Future Proofというプログラムを通じて内外部から人材と事業アイデアを募り、出資判断をして、実際に事業化、会社設立サポート、出資を行っています。
5月から開始したFuture Proofは、半年余りで月2回以上のペースでイベントを行っています。
・ピッチプレゼンテーションイベント:4回(すべて一般向け)
・アイデア創出&事業化イベント:7回(一般向け4回、学生限定3回)
・クロスレビュー会(すでに事業アイデアを持っている人がレビューを受ける):2回
結果として、多くのアイデアが事業化しており、Techpit Market、メンヘラテクノロジーなど現在までに社内外から5つの事業が立ち上がってきています。
Future Proofにはエンジニアも多く参加しており、メンヘラテクノロジーのらんらん(@pascarrr)もエンジニアです。今日は、エンジニアが事業を立ち上げる時にハマりがちなたった一つの落とし穴を紹介します。
前提:お金のないスタートアップであること
一応、今回の前提はお金のないスタートアップであることです。
親会社からお金をいくらでも引っ張ってこられるとか、石油王とかだったらいくらでもお金を使ってやり直したらよろしい。ですが、多くのスタートアップは塩パスタを5日食べないと!みたいなお金がない状態だと思います。そういう方が立ち上げる時の話です。
さあ、落とし穴は何でしょうか?
エンジニアの性、本能が落とし穴に直結
実は「いきなりモノを作ること」が、最大の落とし穴なのです。
はぁ?と思うかもしれませんが、落とし穴な理由を書いていきますね。
理由①:どうなるかわからないものを作る時間とお金のムダ
作り始める前、そのアイデアはどのくらいの人が良いと言ってくれましたか? 2〜3人の友達がその関係性で「いいね〜!作っちゃえYO!」って言ってくれただけではありませんか? ちゃんと、ユーザーとしてターゲットになっている多くの第三者が「お金使ってでも使う!」と言ってくれていますか?そうでないものを作っても仕方ありませんよね?
でも、つい、テンションに任せて作ってしまうのです。
開発チームの人件費数十万円のお金と数ヶ月の時間を無駄に使ってしまい、貴重なリソースを削ってしまうのです。
ちゃんと、少なくとも一定数が使ってくれる見込みのあるものを作りましょう。決して、「一定数が使ってくれそうな気がする」で作ってはいけません。
理由②:ダメだった時に再トライがしにくい
スタートアップではよくピボット(サービス転換)します。有名なWebサービスにも、ピボットを経験しているサービスは多くあります。
YouTube:いわば動画版のTinderのような、動画を掲載してデート相手とのマッチングをするサービスでした。シンプルな動画共有サービスとして急成長を遂げました。
Instagram:foursquareのようなソーシャルチェックインサービスでしたが、ピボットというよりも機能をどんどん削って今の形に。
このように、サービスインしてからも大きなピボットが発生しますが、初期はもっともっと多く発生します。
例えば、前述のTechpit Marketでは、当初は「困った時にエンジニアに有料で相談できるサービス」だったのが、「エンジニアがサービス作成を通じてスキルを習得できるテキストのマーケットサイト」になっています。
これ、最初のを作ってたら何ヶ月、何百万円のお金が無駄になっていたところでした。しかし、サービスを作らずに先にヒアリングなどを通じてニーズを確認したところ、そんなニーズは弱いということでピボットに至りました。
スタートアップの鉄則は「失敗は安く、早く」です。
エンジニアが事業を作る時に心に刻む2つの言葉
これはスタートアップスタジオのメンバーが良く言っていることなのですが、これから事業を作ろうと思っているエンジニアに送りたい2つのフレーズがあります。
第一条:検証なきアイデアは妄想
第二条:検証せずに作ったサービスはゴミ
検証というのは、「ターゲットユーザーが持っている課題が、お金を出してでも解決したいと思うほど明確で強く、サービスが課題を解決することがヒアリングなどでわかっている状態(Customer-Problem Fit)」です。具体的なやり方はRunning LeanやStartup Scienceを読むと良いでしょう。
ゴミとかきっついなぁ、と思うかもしれませんが(僕も思います)、事実です。ゴミを作りたくないですよね。失敗は次に繋がるからよいことなのですが、それが安く、早く手に入るほうが良いのです。
チャレンジしたい方、お待ちしています!
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