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29.≪『ウレシイ』の感受性は、幸せの基盤≫
『嬉しい』という感情を、最近感じたことがありますか。
大人は、きっと人からものを貰ったり、何かをして貰ったりすることに慣れてしまっているのか、嬉しいという気持ちに激しく感激することはあまりないような気がします、というより、あまり重要と思わない人が増えてきているように思われます。
人は人に何かをしてもらうと、本来は、本当は、嬉しい動物のはずです、そして『ありがとう』と思う、それが普通の人間の感じること、そしてまた、それが人間関係の基本のはずなんですけどね。
この『ウレシイ』の感受性は、人の心の重要な、核をなすものなんです。
今の世は、人を批判する、非難する、攻撃することが、日常でもSNS上でも、あまりに普通になり過ぎています。人の思いを察する、人の親切を思う、こういう気配り、心配り、配慮の思いが、薄れてしまっている気がします。
相手の親切な、優しい気持ちを感じるから『嬉しい』のです。
相手の気持ちに対して、『嬉しい』のです。
人がどう思っているか、人の気持ち、感情を察知し、受け入れ、自分の気持ちに置き換えなければ、人間関係は成り立ちません。お互いに思いやり、お互いを支え合う、その人間関係の基本がこの『嬉しい』です。
しかし、それを難しくしているのは受信側だけではないんです、発信側も見返りを要求したり、下心が有ったり、が普通になっている社会なんです。それゆえ、受け手側もいろいろと猜疑心を持ったり、用心をして、疑心暗鬼になったり、素直になれない社会なんです。それがゆえに『世知辛い世の中』と称されるのかも知れませんが。
話は少し変わりますが、心の感受性を、大自然との関わりの観点から考えます。
森の中を歩けば、目に優しい緑の木々が溢れ、耳に良い森の高周波のシーンと静まり返った音、清流のせせらぎの音、また、嗅覚や身体に良いアロマやフィトンチッドなどで溢れています。森の中は、人間を含め生き物の天国なのかも知れません。
自然界には、優しいものが溢れています、自然の中で、自然を感じる繊細な感性の感度を上げることで、人の優しさや温かさを感じる感度も向上すると言われます。
人は、誰かに教えられなくても、誰もが五感に対する感受性、感性は持っています。
注意して見ているか、聞いているか、感じているか、だけです、それだけでも、もっともっと感性は研ぎ澄まされます。
自然の美しさに愕然とする、自然の優しさにウルっとくる、動物の温かさにホロっとくる、赤ん坊のカワイサに我を忘れてしまう、花の芳しい香りに心を奪われる、心地良い音色に時を忘れる、森の静寂に心が洗われる、それらは人間に備わった感受性、感性です。五感を通して受ける自然界からの贈り物なんです。
余談ですが、自然界の心地良い感動の思いや涙は、幸せホルモンのセロトニンの分泌により心を穏やかにし、浄化さえしてくれます。五感から得られる自然界の心地良さは、自然界の大らかな優しい波長に共鳴し、人間の心身にも、リラックスや癒しを与えると言われています。自然界で獲得した感性は純粋なんです、自然界で遭遇する感性は心に響くのです。
でもね、現実はその純粋なプラス方向の感性がだんだんと、人間組織社会に生きる現代人は、怒りや腹立ち、不平、不満、批判、非難などで、捻じれ、歪み、マイナスの方向に、増大、拡大しています。バランスが大きく崩れています。自然界に生きる本来の人間の感性に戻しましょう、プラス側とマイナス側の人間の感性のバランスを元に戻しましょう。
話を元に戻して、人が発信する感情を受信する側の、嬉しい、ありがたい、優しい、温かい、情け深い、等の感性、感受性も同じです。そういうプラス方向の感性、感受性を、研ぎ澄ましましょう。
受信側の心地良いプラスの感受性は、更に、人の幸せ感に直結し、幸せ感を増幅してくれます、『ウレシイ』は、幸せへの目に見えないけれど入り口であり、通路なんです。鋭敏な『ウレシイ』の感受性は、本来の自然界の人間の感性、感情です、それが幸せの基盤なんです。
ついでに、またまた余談ですが、人から何かを頂いた、して貰った時のようなウレシイとかアリガタイという素直な感情もまた、幸せホルモンや癒しのホルモン等々を分泌すると言うことも分かっています。自然界の人間に戻れば、人は身体も幸せに生きられるようにできているんです。『自然界恐るべし』なんです。
是非、人間の幸せな生き方や、人と仲良く生きる生き方の方に感性を今以上に鋭敏にし、イヤ、本来の自然人としての感性に戻し、みんなが仲良く楽しく生きる生き方をこそ、考えましょう。
そうすれば、生きることがもっと、楽しく幸せに感じられるはずなんですから。
折角の二度と無い人生、仲良く楽しく幸せに生きましょう(H/P 書窓けやき通り)