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    コミュニティメンバーによるワークショップ関連の記事を投稿する場所。

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    コミュ内、『文化表現研究部(表現研)』の活動に準じた評論を集めていた旧部誌。

最近の記事

【基礎教養部】「異世界はスマートフォンとともに。」感想-言いたいことはChatGPTが全部言ってくれました

今回書評として扱った「異世界はスマートフォンと共に」を通じて,初めて「なろう作品」といものに私は触れた.今まで触れてこなかった理由としては,なろう作品を代表する概念といえる「俺Tuee」という,主人公が有する能力について作品中において特段理由が記述されてないにも関わらず無意味に高く,物語の展開になんら起伏がないという現象へ特段触れる理由がない,というものであった.やはり,私としても物語にはある程度の起伏を求めたいのだ.「王道」とはいえないまでも,ある困難に直面し,苦悩し,葛藤

    • 【基礎教養部】今日の民主主義漫談

      ここ数年における,国内,国際における民主主義体制の情勢は大きく変化している.ここ三年間,日本国首相を務めていた岸田文雄政権においては強く感じなかったものの,7年という長期間にわたって首相の座にあった安倍晋三政権下においては,不必要に対立構造を煽るなど「冷静な議論」という民主主義の前提を軽んじたきらいがあったのではなかろうか. また,アメリカ大統領選においては共和党のトランプ候補が討論会において真偽不明の情報をもとにした発言を繰り返している.前回の大統領選において,投票結果を不

      • 芸術の鑑賞という行為について【基礎教養部】

        芸術作品に対する鑑賞とは、つまるところ言語化に尽きると考える。どのような作品であれ、そこには製作者の意図や思想が必ず存在している。芸術作日の鑑賞とは、その意図や思想を受け取り、解釈し、自らの思考を動かすコミュニケーション行為である。 私は、2年ほど前から大学の同回生と複数の分析手法を用いてアニメの分析を行い、その結果をまとめた同人誌を執筆している。用いる手法の例としては、カメラ配置などの映像構成、また映像中の心理描写である。分析対象となる作品としては、「リコリス・リコイル」

        • 【基礎教養部】穂村弘「短歌のガチャポン」書評

          短歌に限らず,詩というものは論理的な文章とはその位置を異にする.詩においては,一見そこに存在する言葉の前後の繋がりが乏しくとも作品として成立しうる.むしろ突飛な,読者の予想を超えていくような繋がりが存在する詩の方がそこで表現される世界が広がり,深みを増す場合も多い.もちろん,そのような非論理性を「わからない」として一蹴してしまうような意見も存在するとは思うが,そもそもこの世界において論理で片付けられる領域が果たしてどの程度占有しているのだろうか.むしろ,短歌や詩のような,感性

        • 【基礎教養部】「異世界はスマートフォンとともに。」感想-言いたいことはChatGPTが全部言ってくれました

        • 【基礎教養部】今日の民主主義漫談

        • 芸術の鑑賞という行為について【基礎教養部】

        • 【基礎教養部】穂村弘「短歌のガチャポン」書評

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          【基礎教養部】山本圭「嫉妬論」を読んで〜嫉妬って何だろね?

          自分の人生を振り返ってみると,選択の動機などに「嫉妬心」が介在した場面はあまり思いつかない.もちろん,小さい頃には自分が持っていないおもちゃやゲーム機,トレーディングカードなどを持っている友人を羨ましく思うことはあった.ただ,小学校4年生程度にて,ノートパソコンを自由に使えてしまう環境になってしまってからフラッシュゲームや戦略シミュレーションゲームなどに結構深く浸かってしまったので,他の友人と所有物を共有できるような遊びをすることが少なくなってしまった.もちろん,自分が一人っ

          【基礎教養部】山本圭「嫉妬論」を読んで〜嫉妬って何だろね?

          ルポ「路上生活」書評

          この文章は,以下の書評を受けて作成したものである. 路上生活者.筆者の地元である県立明石公園にも,小学生の頃はブルーシートなどで覆われたテントなどを作り生活していた人を見かけることがあったが,行政側が生活保護を受給させアパートにでも入れたのかいつの間にかいなくなってしまっていた.このように,最近は行政その他が実施する「浄化作戦」により見かけることはずいぶん減ったが,それでもなお日本においては一定数路上生活を営む人がいると思われる.この本は実際にそのような「路上生活」を二カ月

          ルポ「路上生活」書評

          「友だち地獄」書評〜とはいえ15年前の本だよね

          『友だち地獄ー「空気を読む」世代のサバイバル』は、同じコミュニティのメンバーであるイスツクエさんに紹介していただいた本である。イスツクエさんによる書評およびNote記事は以下を参照 まず,この本は15年前(2008年出版)と,若者文化論を扱う本としては少々古めかしいものと言わざるを得ない.15年前と今とは社会情勢もそれを支える技術,サービスも大きく変化した.iPhoneに代表されるスマートフォンの登場,そしてTwitterやInstagramといったSNSの普及は言うまでも

          「友だち地獄」書評〜とはいえ15年前の本だよね

          「科学哲学講義」書評 - 科学とはどう言う営みか?

          科学と擬似科学の区別 科学の活動は、ある対象についての思考、批判、議論の積み重ねを前提とする。科学は、仮説や理論を提出し、それらを実験や観察によって検証するプロセスを経て進歩する。例えば、物理学においては、アインシュタインの相対性理論が提案された際、激しい議論と検証が行われた。実験結果としての光の曲がりなど、多くの具体例がこの理論の正しさを示している。このように、科学では理論や仮説が絶えず試され、批判を通じて発展する。一方、擬似科学はこのような厳格な検証プロセスを欠き、しば

          「科学哲学講義」書評 - 科学とはどう言う営みか?

          ジェイラボワークショップ第69回『部員が聴く 』【情報科学部】[20231127-1210]

          この記事は,以下に説明が記載されていますジェイラボワークショップ『部員が聴く 』のログとなります. 1日目 WS概要説明■けろたん部長からの趣旨説明 こんばんは。けろたんです。 けろたん諸事情でスタートが遅くなってしまいご心配をおかけし申し訳ありません。 本日から情報科学部のWSを始めたいと思います。 ・前回WSの振り返りと今回の企画説明 前回のWSは情報科学部部員自身について知ってもらうという趣旨で、好みや考え方にについての全42の質問に部員5名で答えていきました。部

          ジェイラボワークショップ第69回『部員が聴く 』【情報科学部】[20231127-1210]

          「ナチスはいいこともしたのか」書評 やっぱりあいつらはええとこない【基礎教養部】

          やっぱり,なんだかんだ演出が上手くてかっこいいのは認めざるを得ない.(ナチ党党大会における写真) ナチス.親衛隊の黒制服やニュルンベルク党大会に代表される無駄に洗練されたデザインや,そして全世界に向け戦争を吹っかけ,もう一つの悪の巨頭ソヴィエト連邦と絶滅戦争をやらかししめやかに爆発四散した最期,そして「ヘルシング」などのコンテンツの影響もありさまざまな分野のオタクに対してカルト的な人気を誇る(?)みんな大好きNSDAPである. 第二次大戦前後を扱った戦略シミュレーションゲー

          「ナチスはいいこともしたのか」書評 やっぱりあいつらはええとこない【基礎教養部】

          ジェイラボワークショップ第64回『語=言+吾 』【情報科学部】[20230918-1001]ログ

          この記事は,以下に説明が記載されていますジェイラボワークショップ「『語=言+吾 』のログとなります. 1日目 WS概要説明■けろたん部長部長からの趣旨&スケジュール説明 皆さんこんばんは。本日から2週間情報科学部のWSよろしくおねがいします。 今回の情報科学部のWSテーマは「語る練習」です。端的に言うと、情報科学部員の考え方や部員自身について知ってもらおうという趣旨です。2週間かけて部員のみなさんに全部で42の質問を答えていただきます。 これまで情報科学部のWSでは一般書

          ジェイラボワークショップ第64回『語=言+吾 』【情報科学部】[20230918-1001]ログ

          「対話の害」書評〜けど,これを書いている人間とは対話したくないよ〜

          (タイ・バンコクで出会った二匹の猫.彼ら/彼女らはどんな「対話」を日々行なっているのだろうか) この文章は,以下の書評を受けて作成したものである. 「ゆっくり読め」という本の指示に反し,(購入するのもかったるいので)朱雀の図書館まで行き一時間くらいでさっくりとこの本を読んだのだが,感想としては「伝えたいことがいまいちよくわからない」というものに尽きる.この本は,一貫して,マイケル・サンデル教授の「白熱教室」のような”対話形式”とされる講義に「問題自体の条件を疑うような思考

          「対話の害」書評〜けど,これを書いている人間とは対話したくないよ〜

          科学を「数値」で測ることの意味-豊田長康「科学技術立国の危機」を読んで

          この記事は,以下の書評,および書評で扱われた本である豊田長康「科学技術立国の危機」を受けて作成したものである. 現在,我が日本国における学術研究を取り巻く様々な環境は,一言で言って「悪い」という印象しか持てない.例えば,常勤の教員は増大する書類仕事に忙殺され十分な研究時間を取れない,また博士号を取得してもポストが任期制であったり,そもそも少子化の影響か自分の専門領域にてポストがなかったり,給料等の条件においてその専門性に値する十分な報酬が設定されていなかったりする.また,大

          科学を「数値」で測ることの意味-豊田長康「科学技術立国の危機」を読んで

          松本俊彦著"「助けて」が言えない---SOSを出さない人に支援者は何ができるか" 書評-「人間ひとりひとりが生きやすい社会」を目指して

          「自己実現」,「自己責任」…昨今の社会はとかくこういう「自己」を強調した単語が並ぶ.受験や就活などはその風潮の極地である.まるで万人が「なりたい理想の自分」などという存在を明確に言語化しなければいけないと言われているようだ.…この傾向を息苦しいと感じるのは私だけではあるまい.もちろん,人権という概念はこれまで国家や家族,社会的偏見といった暴力的な要素を含む存在からどれだけ「自己」を確立するかといった観点で発展してきた.しかしながら,現代社会,および資本主義社会は,今まで確立さ

          松本俊彦著"「助けて」が言えない---SOSを出さない人に支援者は何ができるか" 書評-「人間ひとりひとりが生きやすい社会」を目指して

          「綺麗さ」「清潔さ」による汚染から抜け出すには-「社研」と言う形で人文社会科学に触れた経験から

          この記事は,以下の書評,および書評で扱われた松井彰彦「高校生からのゲーム理論」(ちくまプリマー新書)を読み作成したものである. 私は経済学や社会学といった社会科学や,哲学や歴史学といった人文科学を専攻してはいないが,それらの学術領域にて学生が自主的にゼミを開き,論文を執筆するサークル-「社研」に属していた.ゆえにケインズ経済学やマルクス経済学などについてはある程度耳学問をする機会があった.その中にはもちろんゲーム理論も入っており,今のコンピュータ,およびコンピュータサイエン

          「綺麗さ」「清潔さ」による汚染から抜け出すには-「社研」と言う形で人文社会科学に触れた経験から

          【基礎教養部】磯山雅「J・S・バッハ」を読んで-生成モデルとコンテンツのライブ感

          この記事は,以下の書評,および書評で扱われた磯山雅「J・S・バッハ」を読み作成したものである. 生成モデルの発展と作品について 作品は製作者の人生の表象である.生成モデルが一世を風靡し,作品の「価値」,そして人類の「創造性」という神秘が解体されつつある今日の置かれた状況ではある.しかし,例え生成モデルがこれから先さらなる発展を遂げ自己の好みに合わせて音楽やイラスト,小説といった作品の生成が容易に達成できるようになったとしてもこの「作品は製作者の人生の表象」であるという図式

          【基礎教養部】磯山雅「J・S・バッハ」を読んで-生成モデルとコンテンツのライブ感