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遺跡ねつ造事件のFが事情をいえない理由

 遺跡ねつ造事件のアマチュア考古学者Fに関する番組が最近、わずかに報道され始めた。

 今まで事件に関して余りにも衝撃が大きく、あの事件の背後に何があったのか?を客観的に整理するのは研究者も難しかったのではないか?

 私なりにFがねつ造を繰り返した東北福祉大学に在籍した以上、事件に関して真摯に向き合い、何があの事件の元凶だったのか?は率直に語る必要があると考えている。

 Fは現在、福島県の浜通りのある市に住んでいて、ほとんどひきこもり状態で完全にマスコミとの対話に応じないままになっていて、相変わらず事件の闇は深い。

 私なりに考えてみるとFがねつ造に関して語らない理由に関して次の理由が主にあるのではないか?と考えている。

 1:自分の名誉欲や楽しければいいという幼稚な動機から始めたねつ造事件そのものが、後になって大変な騒ぎになるとは本人も思っていなかった。

 F自身もねつ造をはじめた理由の一つに「考古学の仲間と楽しいことをしたかった」という幼稚な理由から考古学でねつ造を20年も繰り返すという犯罪行為を平気でやってきた、というが、私はこの辺の理由は本質ではない、と考えている。

 彼自身もねつ造事件が発覚して、今までやってきたことが全部、嘘の上塗りで挙句の果てに考古学に関与した行政や学術団体や考古学ファンがここまで自分を糾弾するとは思わなかったのもあっただろう。

 加えて彼のねつ造事件を日本国内の考古学の愛好者が最悪のねつ造事件と糾弾しただけでなく、日本近隣の中国、韓国、北朝鮮、ロシアまでもが外交問題として日本政府を含めて歴史歪曲とか歴史修正主義の最たるものであり、大変に遺憾であるとマスメディアで書き立てたのも大きい。

 Fが20年以上、続けた遺跡ねつ造事件は日本国内だけでなく、日本近隣の外交問題にまで発展してしまった。

 彼自身も日本近隣にまで悪名を轟かせて国際的な犯罪行為であると糾弾されて一大ニュースになってしまったのも彼が事件の真相を語らない理由でもあるのだろう。

 F自身も自分のやっているねつ造は大したことではない、と考えていたと私は思う。

 F自身もねつ造と不正の果てに最終的には日本国政府から文化勲章をもらって考古学会に第二の相沢忠洋として君臨したいという野心を抱いていたが、蓋を開けてみればねつ造事件への世間の糾弾は本人の予測を超えたもので、余りの批判に彼も口を閉ざし、事件に関して何も語らないで雲隠れしているとしか思えない。

 2:遺跡ねつ造事件が発覚して3年後におきた北朝鮮拉致事件の影響。

 Fが遺跡ねつ造事件に邁進し、ねつ造がばれた3年後に北朝鮮拉致事件が起きる。北朝鮮拉致事件に関しては遺跡ねつ造事件に関与したFも全く予想できない大事件であった。

 F自身は北朝鮮とは何の関係もないし、そもそもいくら北朝鮮政府がFのやった遺跡ねつ造事件を国営メディアの朝鮮中央通信などで批判しても、考古学と北朝鮮拉致事件は何の関係もない。

 しかし、世間は残念ながらFのやった考古学の遺跡ねつ造事件に関しては北朝鮮政府が日本人拉致被害者の横田めぐみさんのニセものの遺骨を送り付けてきたようなものだと判断されてしまったわけで、Fは残念ながら北朝鮮拉致事件のとばっちりを受けて再びバッシングされたのも大きい。

 北朝鮮拉致事件直後にも東北福祉大学にも右翼団体の街宣車がやってきてFを糾弾する批判演説を繰り返し、Fのやった遺跡ねつ造事件は北朝鮮拉致事件で北朝鮮政府が横田めぐみさんのニセ遺骨を送るような卑劣な行為だと主張していたこともあった。

 Fも右翼団体構成員から遺跡ねつ造事件の件で横田めぐみさんのニセ遺骨や北朝鮮に拉致された拉致被害者の死亡診断書をねつ造して拉致問題は解決済みみたいな態度を取った卑劣な売国奴ということで糾弾を浴びたのだろう。

 右翼団体関係者もFのやった遺跡ねつ造事件は日本の建国神話を貶め、邪馬台国を否定し、あまつさえ神武天皇の存在を否定して、日本の歴史を貶めたとなれば、彼に反日分子ということで北朝鮮のスパイ工作員とか横田めぐみさんの遺骨のニセものを送り付けて拉致問題で非礼を働いた北朝鮮政府のような行為であると義憤にかられて糾弾を繰り返したのもあるだろう。

 遺跡ねつ造事件に関して北朝鮮拉致事件のような最悪の展開に陥ったとなればFは事件の結果をめぐって右翼団体から糾弾も相次ぎ、彼自身も事件に関して余計に真相を話さなくなったのではないか?

 世間の見方では遺跡ねつ造事件のFのやったことは北朝鮮拉致事件で横田めぐみさんのニセ遺骨をねつ造して「拉致問題は解決済み」のような態度に等しいと考えている人は多い。

 3:Fの繰り返したねつ造事件が従軍慰安婦の強制連行を唱えた吉田清治のような振る舞いだったことと誤解されて糾弾されたこと。

 遺跡ねつ造事件のFに関しては考古学の権威であった芹沢長介という日本の旧石器時代の学問的権威を利用し、日本に前期旧石器時代があって、実は前期旧石器時代に日本にいた日本原人は北京原人より高度な知識を有し、実は世界の歴史は日本から始まり、日本は世界の文明の中心であるというねつ造を邁進していたという。

 考古学の権威であった芹沢長介がFをかわいがり、Fはますます著名な考古学教授の権威や庇護を得るようになり、ねつ造の規模が用意周到になり、計画的な犯行の繰り返しになっていったのは否定できない。

 加えて芹沢長介の周囲にいた東北福祉大学の梶原洋や東北大学の岡村道雄が彼のねつ造を擁護する発言を繰り返し、偉い教授がFを大切にしているのだから彼は間違ったことはしていない、という権威主義的な考えが考古学会全体に蔓延してしまい、批判者の口を自然と封じてしまったのも大きい。

 同じようなねつ造事件といえば左翼の家永三郎が吉田清治という作家が戦前に済州島で日本軍が従軍慰安婦で女性を強制的に性暴力で尊厳を踏みにじったとか、韓国・済州島で日本軍が徴用工や強制連行で朝鮮人狩りをしたというねつ造記事を『私の戦争犯罪』という本に書き、家永三郎も何の批判もなしに吉田清治の本を称賛してしまった事件に似ている。

  左翼の中にも吉田清治の済州島で従軍慰安婦や朝鮮人の強制連行に関してはどうもおかしいのではないか?と問題提起していた研究者がいたが、家永三郎という教科書裁判の大御所教授が吉田清治の『私の戦争犯罪』の記述は正しい、と力説して吉田清治の発言を擁護したようなことと遺跡ねつ造事件も残念ながら同じことをしていた、という批判は免れないだろう。

 もちろん遺跡ねつ造事件と従軍慰安婦の吉田清治の事件の関連性はなく、吉田清治もFも何らかの付き合いなどはあったわけでもない。

 考古学会の巨匠教授の芹沢長介がFのねつ造した石器を日本に原人がいたとの動かぬ証拠であると称賛してしまった行為はそれこそ左翼教授の大御所だった家永三郎が吉田清治の慰安婦ねつ造の記事が正しい証言であると持ち上げて自分の著作でも称賛したのと構造的に同じといっても過言ではない。

 当時、吉田清治の韓国・済州島での従軍慰安婦や強制連行をねつ造だと批判していた産経新聞社の右派雑誌の『正論』がFの考古学上の体験談を好意的に取り上げていた。

 しかし、ねつ造が発覚した後にFは考古学会の吉田清治のような人間であったと激しい批判も飛び出し、右翼陣営からもFの行為は到底、許されることではない、と激しい批判が収まらなかったのもある。

 愛国保守派や街宣右翼団体ならば産経新聞の『正論』は愛読者が多いだろうし、吉田清治の慰安婦ねつ造事件もFの遺跡ねつ造事件も同じような日本を貶める反日行為であると糾弾し、芹沢長介も家永三郎も立場こそ違えどねつ造に関与した学問の敵であるという批判が出るのも無理はなかっただろう。

 Fもねつ造事件が発覚する前は従軍慰安婦問題など何も知らなかっただろうが、後からお前のやらかしたねつ造事件は従軍慰安婦問題でいえば吉田清治のような大罪であって、日本を貶める反日行為であったと猛批判を浴びたのもあるのではないか?

  Fも後から吉田清治の従軍慰安婦ねつ造事件を知って、自分のやっていたねつ造は立場こそ違えど同じものであった、と思うようになって事件の真相をますます口にしなくなったという事情もあると私は思う。

 4:Fがねつ造のために関係を深めた東北福祉大学で事件後、野球賭博が発覚し、F自身もねつ造事件と一緒に批判されていること。

 Fが考古学のねつ造で拠点にして、関係を深めた東北福祉大学でねつ造事件後、またも野球部OBの福田聡志が暴力団や半グレ、反社勢力と共謀して野球賭博事件を引き起こし、再び東北福祉大学は犯罪者養成学校とか宮城県の恥というべきFラン大学ということで世間から激しい批判を浴びせられた。

 同じようにFも福田聡志のように野球賭博に関与したり、F自身も考古学の土器や石器を暴力団関係者や反社勢力と共謀してねつ造したり、ねつ造事件の現場で見張り役に暴力団関係者を利用したのではないか?みたいな疑念も残念ながら出てしまうだろう。

 東北福祉大の野球部OBの福田聡志が野球賭博事件で暴力団関係者と交際して、巨人を永久追放になった事件がFに事件の真相を語らせない原因を作ったのではないか?と私は思う。

 5:彼の通学していた仙台育英高校という『虚妄の学園』との関連性

 Fが在籍した仙台育英という高校が地元の仙台市で何かと問題をおこすことで有名で遺跡ねつ造事件が発覚した際にもFのいた高校に抗議電話が殺到したという。

 仙台育英といえばJICC出版(現・宝島社)で『虚妄の学園 仙台育英高校』という内部事情を暴露したブックレットが刊行されたが、Fがねつ造をおこすような原因に通じる内部事情も赤裸々に語られ、Fがねつ造をやる事情は実は仙台育英高校に在籍していた時からあったのではないか?と思わせる記述がある。

 仙台育英高校といえば野球部の不祥事が有名で、学校でも野球部の問題を甘やかし、野球利権で私の東北福祉大学とも癒着関係もあり、何かと宮城県では激しく批判されている問題の多い学校法人でもある。

 Fが遺跡ねつ造事件をおこして結果がばれた時、悪名高い仙台育英のOBが考古学でここまでひどい犯罪をするのか!ということでバッシングがはげしくなり、Fは余計に周囲から糾弾されるような悪循環を繰り返したのではないか?と思う。

 6:311の東北大震災の影響。

 Fが遺跡ねつ造事件で真相を語らない理由に311の東北大震災の影響もある。

 震災の後遺症で事件に関して積極的に語る理由以前に精神的に震災で参ってしまい、事件に関して余り語りたくないという気持ちも大きいのではないか?

 震災の後遺症やねつ造事件をめぐる激しい背後事情がFの精神をむしばみ、F自身がマスコミに対話を応じて自分から真相を語らずして一種の雲隠れ状態になっているというのももちろんあるだろう。

 私なりに考えると遺跡ねつ造事件の主犯Fが真相を語らないのは6つの理由があるのではないか?と推察できる。

 他にもFが事件に関して語らない理由はまだまだあるだろうが、余りにも事件の闇の深さは単に考古学会でおこしたねつ造にとどまらず、その後の様々な事件がFをますますバッシングする動機に拍車をかけ、彼は今も事件に関して沈黙しているのではないか?

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