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2023年10月に読んだ、おすすめの本 その2

 10月に読んだ本の中で、おすすめの本を紹介する第2回です。今回は、発売済みの『絵本/児童文学/JA文学 等』から、今月は少ないのですが3冊を紹介します。
 なお、「風の丘のルルー」シリーズは全7巻を読み終わったので、それをまとめたnoteは、後日改めて公開します。

🌟発売済み「絵本/児童文学/JA文学 等」

「風の丘のルルー⑦ 魔女のルルーと楽園の島」 村山早紀 著
 前巻「魔女のルルーと魔法使いの塔」から更に10年。とうとう帆船でなく、蒸気機関という科学の力ですすむ船での航海ができるようになった時代。でも見た目は13歳のルルー。そのルルーと、不思議な手紙で呼ばれた人達は、そんな船に乗って「人魚の海」の島を目指す。 そこにある小島「楽園の島」の真実をルルー達は知る中で、幸せを祈る心の大切さと、一人一人のもつその力は小さくても限りなく広がっていくことを実感する。
 毎月1冊の「風の谷のルルー」シリーズもこれで最後。でも、単なるシリーズでないと実感した。体も心も人の100倍かかって成長する少女ルルーの長きにわたるこの物語は、世界の人々の心を確実に変えていったのだから。 その締めくくりとなる物語。

「セカイを科学せよ!」 安田夏菜 著
 「科学部電脳班」でマイペースにすごしてきた中学2年生の、ロシア人と日本人のミックスルーツのミハイル。彼のクラスに転校してきたのは、黒人と日本人のミックスルーツの葉奈だった。ミハイルらの協力もあって、彼女はミックスルーツに対する偏見の超えるものの、新たな偏見の壁が。それは、蟲が大好でたまらない彼女が独りで始めた「科学部電脳班」。その存在を認めてもらうために、ミハイルと葉奈達は「蟲について科学する」という挑戦を始める。ミックスルーツや虫に対する偏見、更に人を繋げる力について扱うだけでなく、「物事を科学的に捉える」ということにも迫っていく、2022年の中学校の部課題図書。
 生き物大好き(植物の分類がメインでも、野外では様々な生物種に触れることが多い)だから、葉奈のウンチクにや生き物に対するスタンスに共感し、またもだえ喜んだ。

「私立探検家学園 3 天頂図書館の亡霊」 斎藤倫 著
 2回の〈実習〉を含んだ1年がたち、とうとうコロン達は2回生(小学6年相当)となった。最初の1年間は流されるままだったが、とうとうコロン達はPES(私立探検家学園)の秘密を探り始める。 そして3回目の〈実習〉は世界のどこかにある、でもどこか異なる高原。同級生達の辛い生い立ちが明らかになる中で、互いの持ち味を活かしてミッションをこなしていくが……
 表音文字アルファベットの起源など、前半のコロン達の学びのやり取りが何と楽しく、機知と示唆に満ち満ちている事か。 更に後半の〈実習〉でも、文字という存在が関わってくる。自由な発想、状況に応じた判断力と日宇動力をどんどん伸ばしていくコロン達は、いったいどこまで進んでいくのか。


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