被爆2世という十字架
ある研究では、被爆2世の癌や白血病などの発症率は低いという。
私は被爆2世だ。母は入市被爆をした。
被爆者の母は身体が弱かった。
一方、被爆2世の私は身体こそ弱いが、56歳現在、癌や白血病などの症状は出ていない。
私は以前ある人の個人秘書をしたことがあった。彼女の父は広島陸軍幼年学校に在学中に被爆した。その娘、つまり私のボスは被爆2世。そして白血病だった。ボスとはちょっとしたボタンの掛け違えで縁が切れたので、存命かどうかはわからない。被爆者の父親は高齢になるまで生きて、日本一の財閥系企業のトップを長年務めた。
私が今、肉体上は健康であるということは単なる幸運かもしれない。いつ私の身体は私を裏切るかわからない。
私は被爆2世としての十字架を一生背負って生きていかないといけない。
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