フランス移住→離婚→40代後半から日本語レッスンをするようになったワタシ
先日誕生日を迎えめでたく50代後半爆走中(もうアラカンとか言ってもいいのかも)なのですが、私がフランスで日本語オンライン講師をすることになった経緯を前にも書いた気がしますが、年とって忘れちゃったということで、この節目にもう1度書きたいと思います。誰の役にもたたないと思いつつ、どうして今の仕事につくことになったのかなどダラダラ書きたいと思います。
フランス移住と離婚
日本生まれの小さい子供を2人連れて家族で東京から越してきたのが16年前。思えばそんなに経ったのか・・・・という感じです。移住後いろいろあって4年で別居、その2年後に離婚となりました。当時、私は仕事をしていませんでしたが、子どもたちはいわゆる「ガルド・アルテルネ(garde alternée)」という形で、フランス人の父親と1週間交代で面倒を見ることになりました。そのため、私もすぐに仕事を見つける必要がありました。しかし、状況は簡単ではありませんでした。フランス語もまだそれほど上手ではなく、これまでの職歴もフランスではあまり役に立ちそうにないものでした。履歴書をあちこち送った記憶がありますが、住んでいるのが田舎で、そもそも店や会社の数が少ないのです。また、多くの住民は近くの隣国で働いていましたが、その隣国で働くのはハードルが高く、私には難しいものでした(隣国の給料はフランスの1.5倍なので、フランス人でさえ競争が激しいのです)。そのため、早々に諦め、自分でできることを探し始めることにしました。この時点で45歳!
フランスではじめての仕事、ネイリスト
一応、スーパーのレジの募集などはありましたが、体力的に自信がありませんでした。そこでふと思いついたのが、趣味でやっていたネイルです。日本から持ってきたネイルキットがあり、さらに当時フランスではまだ普及していなかったジェルネイルを活用できると思いました。そこで現地で講習を受け、フリーランスとして出張ネイルを始めることにしました。子どもがいても昼間だけ働けるので、時間の融通が利きました。しかし、問題は材料費が非常に高いこと。フリーランスでは経費として計上できないため、そこが大きな負担でした。それでも、数年間はこの仕事を続けていました。
今の仕事に出会う、オンライン日本語講師
そんな中、知り合いから「日本語を教えてほしい」と頼まれる、海外在住の日本人なら一度は経験しそうな出来事がありました。最初に「料金を教えてほしい」と言われ、かなり戸惑いました。それまで日本語を教えた経験がなく、相場もわかりませんでしたから。確か、コーヒー代に少し上乗せした程度の金額で引き受けたように記憶しています。そのうち、「もしかしたらこれを仕事にできるのでは?」と思い、色々調べ始めました。そして、オンラインで420時間の講座を受講し、日本の日本語教師検定試験向けの講習も受けました。(試験そのものは受けていませんが。)準備が整ったところで「これなら名乗ってもいいかも!」と、日本語講師として活動を始めたこの時点で49歳!
最初は対面で教えることもありましたが、その後ご縁があり、オンラインスクールと契約することができました。コロナ禍以前からオンラインを中心に日本語レッスンを行っており、現在もこのスタイルで活動しています。それでも最初はネイルとかけもちしていました。数年たってようやくこれだけで生活できるとなったのですが、時間はかかりました。
ゆるっと始めたこの仕事ですが、日本で教師の経験はありませんし、正直日本語力が特別に高かったわけでもありません。それでも、この仕事がとても気に入っており、年を取って頭がうまく回らなくなるまで続けられたらいいなと思っています。この国は学歴社会なので、社会的に高いポジションに行けるわけではありません。(そんな野望もありませんが)それでも、海外で離婚し、子どもがいる状態で家族から離れ、必死に残ろうとして見つけた仕事です。苦労しながらも自分の居場所を見つけ、贅沢はしないけれど生活できるようになり、今はとても満足しています。
私と同じような立場の人がそんなにいるとは思えませんが、とにかく年齢は関係なくスタートできるのは大きいと思います。フランスの場合でいうと、学歴がなかったら経験が1番。今までフランスのオンラインレッスン会社の何社かと契約してきましたが、資格証明を求められたところは1つもありません。それよりも経験と実際の教え方など実践重視です。そういう点では誰にでもチャンスがある仕事だと思います。