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多聴の途中経過 わたしがやっているPodcastでのフランス語学習
わたしは2022年から2024年1月までの約2年間、仏検受験をするためのフランス語を勉強してきました。 2022年度は2級、2023年度は準1級の受験をしましたが、どちらの勉強もとても有意義でフランス語の価値を久しぶりに自分自身に構築することができました。
そして一連の受験を終えてからは、楽しみながら学ぶフランス語に重きをおいてずっとやり続けているあるフランス語の学びがあります。
それは Podcastを使ったフランス語の多聴 です。
今回は、実際にわたしがどのようにPodcastを利用して多聴の勉強をしているのかと、自分が感じる多聴の効果などについても書いていきたいと思います。
franceinfo junior
フランスのラジオ放送局 “franceinfo” が運営している番組の一つの中に “franceinfo junior” というものがあります。
時事や色んなテーマに関して、MCと専門家と子供たちが質疑応答形式でその話題への理解を掘り下げていく内容となっています。
わたしはこの番組を聞き取り練習としてもう1年ほど利用しています。聞かなかった日はほぼないかと思います。Podcastで、歩きながら、電車の中、カフェなどいつでも聞いています。もはや「多聴の友」です。笑
実際の番組(1エピソード)がどういう構成をしているのかを実例でご紹介します。
テーマ「SNS利用は何歳未満を禁止にするべきか?」
こちらは2024/12/16に配信となったもので、長さは7分です。フランス語タイトルは À quel âge faut-il interdire les réseaux sociaux ? です。
オーストラリアが16歳未満のSNS利用を禁止する法案を可決したことを受けて、フランスでの現状はどうなのか、子供たちはSNSをどう捉えているのか、又、子供たちのSNS利用の実情などについて話し合う回となっています。
<内容>
子供たち:
オーストラリアはなぜ16歳未満をSNS禁止にするの?
オーストラリアは16歳だけどフランスは何歳なの?
危険なSNSがあったら教えてほしい
SNSの危険性に関して子供たちの認識、どう思っているか、何歳からなら使っていいと思うか?などのインタビュー
(ちなみに子供たちはCM1で10歳以下の子たちです)
MC:
(子供たちに向けて)どんなSNSを知っている?もしくは使っている?
(専門家に向けて)フランスの現状はどうですか?
(専門家に向けて)SNSをやるのに何歳が適切な年齢だと考えますか?
専門家:
各質問への回答、説明をする
MCの方に導かれながら、子供たちが上記質問や意見をしていき、それに対して専門家は分かりやすく丁寧に説明・回答をしていく流れで1エピソードという構成となります。
どのエピソードも大体このような形式がとられています。又、話題が日常に近いため、聞きとりやすい(理解しやすい)かと思います。
わたしはフランス語中級者の方に、このポッドキャストを本当におすすめします。ジュニアといえども、中身は大人もしっかり聞きこめるくらいの内容であり、幼稚さや子供っぽさはありません。
又、長さは短いもので5分ほど、長くても7~8分くらいで1エピソードが構成されているので取りかかりやすいのも魅力です。
中級者の方くらいですと、エピソードを聞いてもし聞き取りがちょっと難しいなと思ったとしても、全体でこの程度くらいの長さであれば最後まで心折れずに集中してフランス語についていくことができるのではないかと思います。
又、短いとはいってもそれなりにフランス語の負荷は聞きながらかかりますので、ボリュームとして絶妙な量といえます。
ちょうどいい身近な内容と話す速度もあって、中級者がリスニング教材として利用するのに本当に良いと思います。
子供もフランス語話すのけっこう早いです。
出演している専門家の方も、はじめは子供に対して若干ゆっくりめに話しをしていても、たいてい中盤あたりくらいからは普段の素の早さのフランス語に変わっていきます。笑
ちなみにMCの方は、いつもはっきりとした分かりやすい速度のフランス語で話されています。
多聴の勉強方法
わたしは普段フランス語の個人レッスンを受けています。先生はフランス人の方で、2年ほど継続してレッスンを受けています。
仏検の準1級の試験が終わった後、先生より聴力アップをするためとして紹介されたのがこの Podcast “franceinfo junior” でした。
聞き始めの頃は、正直フラストレーションを感じました。多くのことが聞き取れなかったからです。
早いフランス語は簡単に一発では理解できません。 読み、書きの比重が大きい試験生活を長期に渡ってしていたこともあいまって、わたしにとってやはりここが強化しがいのあるポイントとなりました。
Podcastをやり始めて間もない頃、レッスン中先生とこんな会話をしました。
Eva「Podcast早すぎてなんかついていけないんですよね」
先生「うん初めはそうだと思う。でも継続あるのみだよ」
Eva「各エピソードの文字起こしをしようかと思っていて。ある程度エピソードを聞きこんだ後に、目で見てフランス語を確認すれば、ここはこう言っているのかとか、読めば分かるけど実際の早さで聞くとこんな風な音で聞こえるんだ、とか色々分かって勉強になるんじゃないかと思うんです」
先生「聞いた上で文章を読むというのはいいと思うよ。GoogleDocsとAI使えば簡単に文字起こしできると思うよ」
Eva「はいトライしてみます!」
・・でも、
GoogledocsもAIもうまく使いこなせず文字起こしはできませんでした。笑
(句読点とか、改行みたいなものをうまくアレンジもできないし、まぁそもそもわたしはとてもデジタル音痴なのです)
最終的には、先生がPodcastの中からエピソードを選んで、その文字起こしをメールでレッスン毎に1つ送ってくれるという良心的システムが出来まして 笑(先生が見るにみかねたのだと思います) 先生にはいつも頭が下がるばかりですが、それによりグンと勉強効率が上がりました。
やはり聞いてて分からないままだと消化不良で少し気持ち悪くなるので(毎エピソードが中途半端に終わる感じ)、文字起こしを見ることによって、リスニングの助けや覚えるものが多くなって、フランス語を読む勉強にもなり、ただ聞くだけの時よりも有用な学びが増えました。
そしてシンプルに何を言っているのかが全体的にわかる(見える)のは、最終的に気持ちが晴れます。
では前振り長くて本当にすみません。具体的なPodcastでわたしがやっている学習方法を書きます。
1. まずエピソードの概要を読む
franceinfo juniorの各エピソードサイトを見ると、内容の概要が少し書いてあります。これを読んでポッドキャストのアウトラインを先に理解しておきます。概要をフランス語に訳す必要はないです。このエピソードはこのような点に関して話が進んでいくんだなくらいの理解で十分です。
2. 何度も聞く
はじめはアウトライン掴むことに集中してまず聞きます。細かい点(分からなかい点)は後回しです。
実はわたしの欠点でもあるのですが、わたしは聞いてて分からないことがあって一度つまづくとそこでしばらく立ち止まってしまう癖があります。それはそれとして置いておけず先に進みづらくなるのです。
しかしラジオや会話は、言葉が止まることなくどんどん先に進みますので、変にそうやって止まることは、全体の理解度が非常に乏しくなる結末を迎えます。
なので、分からなくても聞き続ける、というより “追随する” といった方が正しいかもしれません。まずはアウトラインだけでも理解するように何度も聞きながら細かい分からないところは流していき、とりとめもなく続くフランス語にとりあえずついて行くようにします。これがポイントです。
3. 聞き続けると起きる奇跡に出会ってみる
わたしは1エピソードにつき2週間ほど聞き続けます。もちろんそんなに長いこと聞いてると途中で飽きます。笑
なので気分転換に以前聞いてたエピソードを間に挟んで聞いたりもしますが、1エピソードはどんなに長くても7-8分なので、通勤の途中や歩いている途中などに取りかかって、あっという間に聞き終えることができるため、日々繰り返しどこかで手軽に聞くようにしています。
そして、こうやってしつこく繰り返し聞き続けると(これは中級者の方であれば、起こりうることじゃないかなと個人的に思っていることなのですが)急に聞き取れる奇跡が起きます。笑
今までさんざん聞いてても聞き取れなかった部分が『あ 今こう言った』と急にヒアリングできる奇跡を見ることがあるのです。
奇跡なんて大げさですが、要は同じものを聞き積み重ねていくと、そのエピソードに対する聴力がおそらく高まってくるのと、エピソード自体への理解度も深まる相乗効果で、ふと脳の中の信号がピっとつながる瞬間みたいのが起きて、急に聞き取れなかった単語が聞きとれたり、表現が分かったりすることが起きて本当に自分で自分にとても驚くのです。
これは不思議なことで、しょっちゅうあることでもないですが、かなり嬉しい瞬間でもあるので、皆さんも是非試しに多聴をやってみてほしいなと思います。
(もちろんこの感覚は得られくても全然問題ありません)
4. 理解度7割超えたら、文字起こしを見る
理解度が約7割を超えた実感が持てたら、初めて実際の文字起こしを読んでみます。
黙って心の中で読む、声を出しながら読む、音声聞きながら同時に読む、音声聞きながら目で文章を追うだけにしとくなど、勉強パターンはいくつでもできます。
7-8分のエピソードの文字起こしは、それなりに文章にすると長いです。大体A4で数枚程度はいきます(フォントの大きさにもよりますが)。
文字起こしがあると、シンプルに読むこと、使われている単語を知ること、フランス人のよく言う言い方を押さえることなど総合的にできて便利です。聞く練習だけではなく、読む練習も同時にやれることはお得なので、やはり文字起こしはおすすめと言えます。
(文字起こしをもらっている立場で言うのもなんですが..)
5. 新しいエピソードの追加と復習
聞くエピソードが増えていくと言うことは復習するものも増えるということなので、わたしは以前に聞いていたエピソードに戻ってはまた繰り返し聞くこともよくやっています。
1年ほどやっていると、以前の細かい内容など忘れてたりするので再発見があったりします。例えば、前回スルーしていて調べてなかった単語をあらためて調べ直すと違う意味があることに気づくなど。
又、同じものばかりを聞いていてもつまらないので、新しいエピソードをどんどん挑戦してみることで好奇心もくすぐられて楽しいかと思います。
色々なエピソードを聞いていると、フランス人の価値観やフランス人感覚などを垣間見ることができるのも面白いと思います。
多聴の効果
もし franceinfo junior を聞いて、フランス語が早いなと初めに感じたとしても、聞くのを即やめたりしないことを推奨します。しばらく、数か月ほどかな、ちょっと長く感じられるかもしれませんが、各エピソードはとても短いですので、できれば色々聞き続けてほしいです。
わたしも当初は franceinfo junior のフランス語の早さにあまりついていけなくて、フランス語に壁を感じる感覚がありました。でも、当然ですけれども継続して聞き続けるとその早さに必ず慣れます。
わたしがここで言う「必ず慣れる」と言うのは、聞き続ければ早いフランス語が全部分かるようになる、という意味ではありません。
早いフランス語に「追随していくことができる」ようになるという意味で言っています。
わたしの例を先ほども少し書きましたが、聞いている最中に分からない部分があると、フランス語を聞き続けにくくなることが皆さんも経験上ないでしょうか?(もちろんそうならない方もいるとは思いますが)
『今のどういう意味だろう』、『あその単語なんか分かんなかった』と一瞬でも頭で余計なことを考えると、その間にフランス語は進んでいきます。
そうすると、当たり前ですが、聞き漏れることが増えるので、話についていけなくなるという結末になります。
なので、長くて早いフランス語を聞いていくポイントは、フランス語を追いかけることだとわたしは思っています。
これは、初めから分かってたことではなくて、それに気づくのに実は何か月もかかりました。
Podcastは、講演を生で聞いている訳でもなく、会話を今している訳でもないので、一時停止をして止めちゃうことができるんですよね、もしくは10秒戻るを繰り替えして聞き直すこともできます。
わたしは初めの頃そうやって細かく区切って理解をしていこうとしていました。追いかける感覚がまったくなかったと言うか。一つ一つを聞いて理解していこうと試みていたのです。
しかし、それは全然リアルではありません。リアルな音声(フランス語)はダダダーっと本来進んでいくものなのです。
なので「とにかくついて行く」のが重要なのだと認識を変えました。
そうやって聞き続けると、その内変化が見えます。分からないとことは自然に止まらずに流しつつも同時進行でフランス語についていくようになっていきます。これが多聴をしたことで得た効果です。
それが板についたとまではまだいえませんが、変わってきている実感があるので、はじめからこうするべきだったなと思っています。
一言一句100%フランス語を全部理解していく必要は本当にないと分かりましたし、今では壁を感じるほど早いとも思わなくなりました。
一方、このPodcastで聞くフランス語は、一般的な早さのフランス語にかなり近いものではありますが(専門家の方も、子供相手とは思えないスピードになることがよくあります)franceinfo juniorは日常会話ではありません。
なので、日常会話の早さや音とはまた多少違うベクトルのものとなります。
なので、わたしはPodcast以外にもよくやっているのものがあって、それは次に書くサブスクを使った多聴となります。
Podcast以外に聞いているもの
わたしはポッドキャスト以外では、NetflixやAmazonPrimeなどの動画配信サブスクサイトを利用して、フランス映画やドラマをよく見ています。
これは日常会話にベクトルを向けた学びとしてやっている部分です。
もちろんすべての映画やドラマを勉強感丸出しで見ている訳ではなくて、普通にただ鑑賞しているだけの時もあります。
好きなドラマにおいては、フレーズを短い一言から長台詞まで、覚えておきたいものはデータに書き起こしてまとめて、それを後で声に出して読んでみたりするなどを趣味的な感覚でやっています。
ドラマのセリフなので少し感情を入れて言ってみたり、ちょっと役者さんに寄せてみながら言ったりするとけっこう楽しいです。笑
こちらは完全に日常会話となるので、franceinfo juniorとは別の発見や学びがあって、且つ高い壁もあります。(日常会話の早さはすごいです)
(サブスクは特に何にも加入していないという方は、Podcastで多彩に選べる他フランス語番組を聞くなどをするのでも、もちろん良いと思いますが、動画の利点はやはり目でシーンを見れることから分かる状況・情景があって、フランス語が頭や記憶に入りやすい、残りやすいという点、字幕起こし可能なものはフランス語字幕で見れる点など、視界的理解が伴えるのでやはりおすすめしたいところではあります)
最後に
今回はPodcastなどを使ったフランス語の多聴にまつわる話を書いてきました。これまで多くのPodcastを聞いてきて、本当に自分のためになっていると実感できています。これからも続けていこうと思っています。
気になった方は是非お試しください。
ということでまた次回のnoteでお会いしましょう。
À bientôt !
Eva
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