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暗黒さんとの15年 ひとり言@フランス語

わたしは、「仏検、フランス語、フランスについての雑記をお届けします」と看板を掲げている40代女性の日本人。
フランス語歴は10代まで遡るほど長いのに、実力はまだまだというアンバランスなフランス語学習者。

でも、そんなフランスフリークな様相とは裏腹に、フランス語から完全に離れ、フランスと一線を引いた人生を過ごした15年がある。

暗黒の15年だ。

暗黒なんて大げさだろうか?


わたしは20代でフランス長期留学を経験し、
パリでCCIPの試験を受けて商業・経済フランス語の認定証を取得した。
帰国後はフランス語を使った仕事に就き、自分のやりたいことをやれている、一見順風満帆な人生を送る若者だった。

しかしある時そのキャリアをまるっと容赦なく捨てた。

そのことはわたしにとって、やはり暗黒としかいいようがない。せっかく積み上げてきたものを無しにしたのだから、、

その暗黒さんは(人として扱ってみる)
仕事を辞めた事に端を発して出会うことになる。


フランス語を使い勤務していた会社が、
ちょうど勤続4年くらいが経つ頃に、
急遽事業の方向転換をはじめた。

自分の担当していた仕事に当然ながら影響がでて、それを機に会社を辞めることにした。

わたしは泣く泣く辞めたのではない。
意気揚々として辞めた。
次のステップアップがあると信じて疑いもしなかったから。

そして後々痛感することになるんだけど、フランス語を使う仕事なんてものは、日本でそんな簡単にほいほい見つかるものではない。
わたしはすぐ路頭に迷うことになった。

ひとまずお金がなくなるのは困るので、
次の仕事として、各国の大使館にビザ手配をしに行くお使い事務のような職に就いた。
仕事上フランス語の使用は一切なかった。


暗黒さんとの出会い


その新しい職場でわたしは暗黒さんに出会うことになる。

『フランス語を使わない仕事って、こんなにも脳が楽なんだ・・!』

はじめまして、これが暗黒さんです。
(本気で言ってます)


ちなみに、脳が楽っていうのは、頭を使わないばかみたいな仕事という意味ではない。
(そんな仕事ない)

わたしは、留学してフランス語の資格も持ったとはいえ、

・ネイティブではない(足元にも及ばない)
・フランス語のレベルも実はそれほど高くない

だったから、日々フランス語を仕事で使うということは、すごい緊張感があって、プレッシャーも大きかった。
フランス語での電話は正直いつもこわかった。
脳とわたしはいつもフランス語を使うと疲弊していった。

そして気もそぞろになっていく自分に比例して、語学の成長もあまり見込めなくなっていた。


それが新しい仕事に就いてみて、
フランス語を仕事で全く使わなくなったら、

『母国語だけで仕事ができるって、こんなに楽なんだ。脳が疲れないんだ、、』

と知ってしまったわたし。

それが暗黒さんとのお付き合いのはじまり。
わたしは楽な方へと流されていく潮流から抜けられなくなってしまった。 


それまでのフランス語キャリアは捨てた。
いや違う、
捨てたのではなく、わたしは捨てられたんだ
「お前はそこまでのフランス語レベルにはないぞ」
「そろそろ潮時だぞ」
という見えない力が働いたのだろう。

って、何かのせいにしていた。

悪魔のささやきというか、単に自分の弱さからそういう考えにいたってるとまったく気づいていなかった。
いや気づいてても無視したのかもしれない。

こうやってわたしのフランス語に対する想いは頭の中を右往左往した。

そして、
フランス語さん、お別れです。(また人として扱う)

立ち止まってゆっくりほんとは考え直したいんだけど日々は全然止まってくれない。

新しい仕事や、当時もちろん若かったので(言い訳が始まる)遊びとか、恋愛とか、飲みとか、服買うとか、旅行するとか、もうなんかしょうもないんだけど、そんなことしてるだけで、あっという間に時間は過ぎていった。

わたしと同じくらいの年齢の方なら、おそらく昔を振り返ってみた時のこの若い感じを、ぶるんぶるん頷いて同意してくれるだろう。
(と信じよう)


フランス語さんとの再会


それから15年がおそろしく簡単に過ぎた。


でも不思議なことに、15年離れていてもフランス語さんの存在を忘れることはなかった。

勉強することもなく、使い道もなく、何にもしてないんだけど、心の奥底ではずっとひっかかっていた。


わたしは、フランス語さんと離れてとても楽ちんな生活を送っていると思っていた。

フランス語さんと、その取り巻きの人たちに対する劣等感が無意識に長い時間をかけてわたしに染みわったていたことは全然知らなかった。


そしてやっと気づいた。

フランス語さんが恋しい。
フランス語さんと関わっている人がうらやましい。
会いたい。
またやりたい。

今度は楽しく一緒に過ごしたい。
自分の下手さはもう気にしたくない。
自由にやりたい。
フランス自体をもっと知りたい。

わたしの人生この先長いかなんてわらないんだから、やるしかない。

そうだ、仕事を軸に考えるフランス語はもうやめよう。
そうだ、仏検を受けてみよう。
そうだ、自分の今の実力をまず知ろう。

と思い、手始めに仏検2級を受けた。

受かっても受からなくてもほんとどちらでもよかった。
何用にやってるのでもなく、ひとり趣味みたいなものだから。


わたしにとって2級は普通に難しかった。
だから何度も、落ちたら落ちたでいい、と当時の自分に言っていた。

でもフランス語さんと久しぶりに会うのはとても楽しかった。
フランス語さんが人生になくてはならない存在なのは、もう隠しようがなかった。

認めよう、
わたしはフランス語のキャリアを積みながら、
それを一回放り投げては、劣等感に見舞われた弱い自分だった、それが暗黒なのだ。

そんな遠回りをしたからなのか分からないけど、
きれいごとみたく言うのもいやなんだけど、
でも、正直それを乗り越えて今、
ものすごくフランス語が好きで、その実力はきっと自分史上一番である。


noteへの道


暗黒さんと別れて、早数年。


自分が経験したフランス語に関することを発信しよう、それが今フランス語をやっている人などに、何かしら役立つかもしれないから伝えてみよう。
楽しくフランスに関わり続けたいし、
自分のフランス推し活を、noteというものに書いてみよう。

ということで、
わたしは今このnoteに行き着いている。


そうそうnoteはじめて1か月が過ぎたよ!
(ひとり言のはずが急に声かけはじめた。笑)


まだまだフランス語に関して伝えたいことはあるし、
誰かの持つ課題を、自分の経験から何か解決できるものを伝えることができたらほんとうれしいし、
それをベースにしようと思っている。
モチベーションか。

それを忘れないでnoteをやり続ける。


最後に

さて、今回は2回目となる
ひとり事@フランス語でした。

なんか今回note書いてる途中でうるった。笑

そうそう、わたしのひさしぶりのフランス語ロードは今年の2月に仏検準一級を取得するところまでやってきました。

今後は特にもう試験を受ける予定はなく、
とにかくフランス語さんと楽しく過ごしたい一心で毎日を過ごしています。

ではでは、次回のnoteでまたお会いしましょう。


À bientôt!!

Eva


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