フランス語ブランク15年あったわたしが、仏検2級を受験するにあたってまずやったこと
わたしは仏検2級を受験しようと決めた時、フランス語のブランクが15年ありました。
ブランク前のわたしのフランス語は、フランスで長期留学をし、パリ商工会議所の試験に合格し、日本で仕事上フランス語を使用しながら働いていました。
ですので、それなりにフランス語はできていたという感じですが、ある時からフランス語をまるっと完全に捨ててしまい、それから15年もの間フランス語には一切触れることなく過ごしてきました。
2級受験当時のわたしは、過去のキャリアなんて無いに等しく、すべてがうろ覚えで、なんとなく基本的なことは分かるかもしれないんだけど、単語とか全然頭に浮かばない、接続法ってなんのことだっけ?という、正直2級すら受かるかどうかあやしいものでした。
そんな私が、一念発起して仏検2級の受験勉強をするにあたって、まずやったことについて今回書きたいと思います。
仏検2級のレベルとは
仏検2級の概要は、「日常生活や社会生活をする上で必要なフランス語の理解ができる。一般的なフランス語を読み、書き、聞き、話すことができる」となります。
文法の知識は、基本より更に踏み込んだやや高度なものが求められ、必要語彙数の目安は約3000語です。
準2級が、日常的且つ平易なフランス語の読み、書き、聞き、話す、が総合的にできることが求められるのに対し、2級は日常生活以上の一般的内容に関することまでをフランス語で総合的にできることが求められます。
まずやったこと
文法の見直し
まず文法の再確認、見直しです。意味、使用方法をしっかり確認しました。
わたしがもう分からなくなっている、出来なくなっているのは下記5つでした。
1 接続法
2 条件法
3 命令法
4 en+現在分詞(ジェロンディフ)
5 過去形、未来形の作り方
まずこの5つの文法の意味と内容を把握して、どう文中で使用するのかを確認、そして書いてみたり、読んでみたりなどの練習をしました。
※わたしはフランス語の先生ではないので、各項目の文法の説明は詳しくは書けません(わたしが下記に書く文法説明はとても簡易的ですので、詳しく知りたいという方は文法書などで必ず確認をするようお願いします)、ここでは具体的にわたしが何をやったかの概要を書いていきます。
1 接続法
これは、厄介でつかみどころが難しい文法です。定型句として接続法を要するものもあれば、その意味合いとして使うこともあります。
わたしは出現数が多いものに着目し、又、学んだ接続法のすべてを書き出しました。そのすべてを暗記することは無理でしたが、接続法の意味合いを分かっていれば、応用はできるのではないかと思い対処するようにしました。
例えば、わたしが実際にノートに書きだしたものの一例です。
à condition que, sans que, à moins que , afin que , pour que , avant que , pourvu que, quoi que, de manière que, bien que , malgrè que や、
Il faut que, Il semble que, Il se peut que, Il est nécessaire que, Il vaut mieux que, Il suffit que などの句として接続法を要するもの、
Je veux que, Je doute que, J’ai peur que, Je suis content que, Je suis heureux que, Je suis désolé que, Je refuse que, J’aimerais que, Je défends que
などの 願望、疑い、恐れ、禁止、喜びなど意味合いで接続法をとるもので出現数が多いもの、というのを書きだし理解するようにしました。
2 条件法
これは会話の中でも頻出します。
どういう時に条件法を使うのかをまず確認しました。
条件法は、仮定のことばかりを言うのではなく、意味は多様にあります。全部の使い方を把握すると、今後の会話にも必ず役立ちます。フランスドラマを見ていても頻度が高いと思う文法です。
・実際とは違うことを仮定で言う場合
条件法現在だけではなく、過去も一緒に覚えました。
・遠回しの非難、もしくは後悔の念を言う場合
これはほんとよくドラマ内で聞こえてきます。
「彼はバカンスなんて行かなきゃよかったのに」
「もっと子供の話を聞いてあげてればよかったわ」など。
・語気の緩和
これもかなり使えます。ドラマでも丁寧に何か依頼するときなど頻出します。
・過去における未来を言う場合
同じこと繰り返し言うので、どれだけ条件法が頻出なのかが分かっていただけると思いますが、これもよくドラマなどで使われています。
「彼女は私に電話するって言ってたわ」などです。
・推測を言う場合(報道など/~する模様、など)
例えば「フランス大統領が来月日本を訪問する模様です」という感じです。
・確定ではないこと言う場合
J’aimerais vivre à la campagne.(実際は住むことは確定していなく希望として言っています)
又、例えば「〇〇地方に異動しなきゃいけないって言われたらどう思う?」と聞かれて「そうだと友達に会いづらくなるな」という時に、
J’aurais du mal à voir mes amis. と条件法を使います。
これも仮定であり、且つ確定的ではないことを話す際に使います。
3 命令法
わたしはシンプルな命令法の使い方は覚えていましたが、「それを私にちょうだい」などのちょっと追加が入った場合に、どこにハイフンを入れるのかなどを覚えていませんでした。「ここって線が入るんだっけ?」という感じです。
Donne-le-moi.
Ne me le donne pas.
leの位置とハイフンです。おそらくこれは2級ではなく、3級とか、4級の文法必須事項なのではないかと思いますが、
他にも 2人称の単数の命令 Manges-en. など、この場合には Mange ではなく 最後に s が入る、というような小さな点ですが、例外点など、こういう命令法での細かいポイントはおさらいして押さえておきました。
4 en+現在分詞(ジェロンディフ)
大きく3つの用法があります。
ポイントは、 “deux actions en même temps.” です。
1 en même temps 同時性の2アクションです。
2 raison/cause 理由を示す2アクションです
3 temps/moment 時を表す2アクションです
例文で言うと、
1 Je regarde le journal télévisé en mangeant.
2 Je me suis blessée en tombant.
3 Je vous téléphone en arrivant.
となります。
これは覚えることは容易だったかと思います。
5 過去形、未来形の作り方
こんなこともわからなくなっていました。
過去って、どう作るんだっけ?前未来ってそもそも何だっけ・・?
というような記憶喪失状態です。
ですので、過去、半過去、近接過去、大過去の作り方とその意味合い、使い方の違いなどは一通りチェックしました。
又、未来、前未来、近接未来も同様に確認しました。
皆さんはもうすでにこういう部分は分かってはいるかと思いますけれども、今一度チェックをするのも良いかもしれません。
何回も確認することで、頭に自然と刷り込まれていきます。
時制の理解
今でもこれはフランス語の会話中わたしを悩ますものです。わたしのフランス語の個人レッスンの先生にもよく指摘されるものです。
又、時制の動詞活用をさせる問題が試験に出るということは、時制を判別して正しく使うということが、それだけ難しいことであるということを意味していると思います。
過去の事を話す時、すべて過去なのだけれど、その過去にも順番があったりする。又は、未来のことでも同様です。もしくは過去のことから、今につながっていることなど、これらの時制を瞬時に使い分けられるようになると、もうかなりフランス語がベテランであると言えるかと思います。
Il y avait un magasin devant lequel il y avait une longue queue.
Je ne savais pas s'il aurait beaucoup de monde.
これは私が実際にフランス語の個人レッスン中に言えなかった、というか時制を間違って使い先生に指摘された文です。
(個人レッスンは2級合格後から始めているので、2級用というより、最近の普段の時制の使い方として直してもらった例を上記にあげています)
こういうような時制の組み合わせを、時間の経過点を把握し、使えるようにすることはとても大事なことです。
動詞の活用
わたしが2級の勉強をやる上で、本当に一番はじめに手をつけたものはこれです。「動詞の活用」です。
これを軽んじていると、試験でも点数を細かく失っていくのはもとより、普段の会話でも、何言ってるのかが相手がわからなくなります。
わたしはそれこそ大基本の être, avoir から、頻出単語の活用、また独特な活用をするもの、ちょっと変形バージョンっぽいものなどをノートに書いていきました。
こちらのタイトル画像にあるものは、私が実際に当時書いていた活用ノートの一部です。
活用は、現在、未来、半過去、条件法、接続法を全人称分書きました。
これやってみると分かるのですが、読んでる時は分かるのに、いざ書いてみると、あれこれ s って最後に入るんだっけ、とか、ここアクサン付くっけ、となるのです。
日本語でいうところの「漢字読めるけど書けない」というのに近い感覚です。もどかしいです。
なので書いて覚えるしかなかったです。
こういう勉強は1日「活用の日」というのを作って、バーッと一気に書いていけば、その活用の法則のようなものが2級受験者の方であればすぐ分かり、身に着くと思います。
全人称書くというのは、とてつもなく面倒で、手も痛くなりがちなのですが、試験前に一度試しにやってみることをおすすめします。
意外と書けないってでてきますので、是非。
ちなみに、わたしが独特だな、とか、これは覚えておこうと思ってノートに書いていたものの一部をここに書きます。
簡単なものからいうと、aller, venir, partir, finir, faire, savoir,direなどです。(これ以外にもたくさん書いています)
他には、s’appeler, connaître, comprendre, offrir, plaire, préférer, prendre, vouloir, devoir, s’asseoir, décevoir, s’inquiéter などの、アクサンが付いてくるもの、独特な変形をするものなどを見つけては書いていました。
前置詞の把握
前置詞の勉強は、まず à, de, pour, par, en, dans, sur, sous, sans, contre, avec, vers, chez, dès, maigré, parmi などを辞書でまずひきました。
そして、その各前置詞の意味、説明文をすべて読みました。よく項目のはじめの方にまとめて意味が書いてあったり、もしくは、よく使われる用法が太文字になっていたりするので、そこを追いがちですが、くまなく全文読むことが大事です。
かなり読み応えがあるものもあります。と同時に一つの前置詞の多様性に驚きます。わたしはとにかく辞書の前置詞をまず全読みすることからスタートしました。
又、過去問にでてきた前置詞問題だけではなく、過去問内にある長文や、ディクテの中に使われている前置詞もひろってはノートに書いて覚えるようにしていました。
過去問にトライ
2級がどういう構成をしているのかの確認も、もちろんやりました。どういう方向性で試験勉強を進めるかが分かります。そして時間配分を計算してみて、それに慣れるようにしようと心がけました。
ある程度時間を急ぎながらやるのが試験ですので、時間感覚に慣れることも大事なことです。
ちなみにわたしは最終的に、過去問はトータルで6回分+セレクションで自分に少し不足しているなと思う分を追加でやりました。
その他
2級の勉強用として他にも取りかかったことは色々ありますが、手始めにやったことは、前述のものたちとなります。
そして、この「その他」に書くのは、上記に追加して自分がわかっていなかったこと、弱かったところなどをよく書き留めていたので、それらを書いていこうと思います。
(この項目に関しては“個人的学び”としての強化ポイントとなります)
・devoir
この動詞、ちょっと厄介だったんです、わたしにとって。
活用もそうですが、その使い方が難しかったです。
~せねばならない、~に違いない、~することになっている、~してはならない、~せざるを得ない、など多様であり、これも頻出します。
ドラマなどでもよく使われます。
ここら辺を使いこなせるように例文を書きながら覚えていきました。
Je dois rentrer.
Elle doit être en chemin.
Il a dû oublier.
Il doit venir me voir la semaine prochaine.
Tu ne dois pas y aller.
Tous les hommes doivent mourir.
Je dois dix mille yen à Takuya.
Je n’aurais pas dû m’emporter.
などです。他にも devoir の文を見つけたら、よくノートに書き溜めていました。
・否定のde
直接目的語につく不定冠詞、部分冠詞が否定文でdeに変わるということをわたしはすっかり忘れていました。使いこなせなかったので、こちらも例文をノートに書き留めていました。
Nous n’avons pas de voiture.
Il n’y a pas de vin.
Je n’ai pas d’amis.
などです。
・使役、放任
faire+不定詞、laisser+不定詞は、「私は子供を寝かせたままにする」などのような、人に対して、「~させる」「~させたままにしておく」という意味で使います。
faireの使役の方は相手の意思は関係なくやらせることですが、laisserの放任の方は相手の意思のままにさせておくという違いがあります。
・形容詞の変形バージョン
形容詞は語尾にeをつけると女性形になるなど分かりやすいものもありますが、完全に形が変わるものがあったのでそういうものも書きだしていました。
例えば、faux / fausse, frais / fraîche, public / publique, fou / folle, malin / maligne などです。
・単語
単語もほとんど覚えていないものばかりでした。はじめの頃は「あーなんかそんな単語あった」って思うことばかりでした。
ただ、わたしは単語帳が学び方としてとても苦手なものでして(人それぞれ違いますので、あくまでわたしはやりづらかったという意味です)、2級必須単語集のようなものも一応買ったのですが、一度もやらずに終わりました。
わたしは、目の前に出てくる文がすべて単語帳という考え方で(独特です)又は自分の考えたこと、思ったことなどでフランス語で分からなかったことを調べる、書くという行為を、単語帳代わりとして勉強をしていきました。
最後に
今回は、フランス語の15年ブランクがあったわたしが、仏検2級を受験するにあたってまずやった勉強について書きました。
試験ですので、やることが多いですよね。笑
わたしはブランクもあったし、覚えも悪くなっていたので、色々苦労しました。
しかし、以前のnoteにも書いていますが、2級は本当に素晴らしい学びとなることは間違いありません。
2級はフランス語の中級レベル者にとって必要な「ハイレベルな基礎」の確立ができるからそう思っています。
将来的にフランス語にこれからも関わっていくというのであれば、これを得られることは、なにより大きいです。必ずそう実感できると思います。
みなさん頑張ってください、応援しています。
学び方については、度々これもよくnote内で言っていますが、人によって合う合わないがあります。先ほど書いた単語帳の件などがいい例です。
更に、人によって、語学への情熱、方向性、目的、用途など、本当に幅広く、そして、人それぞれ趣向なども全然違うので、この学び方が唯一正解というものもありません。
ですので、今回の記事をもし参考にしていただけるとしたら、プラスαで自分流にカスタムしていくことがフランス語力をあげる一翼になるかと思います。
ここまで長文をお読みくださりありがとうございました。
では、また次回のnoteでお会いしましょう。
À bientôt !
Eva
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