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仏検2級を合格したわたしが思う “仏検2級の意義”



久しぶりの仏検に関する投稿となります。

今年度の仏検2級の春季試験が、先日発表まで終了したところですね。

今回のnoteは2級づくしの内容となりますので
ご興味のある方は是非最後までご覧ください。



仏検は春季開催と秋季開催の年2回試験が行われています。
(1級は春のみ、準1級は秋のみの年1回開催です)

わたしは2022年度の春季の仏検2級試験を受験し、合格しました。
その後、そのまま継続して準1級へと進みますが、
同年の秋季試験は受けずに、翌年の2023年度の秋季試験を受験し、合格しました。

2級を合格してからは、もう2年ほど経ちますが、今でも仏検2級を受けた価値はとても高かったと思っていますし、受けて本当に良かったとも思っています。

2級とはそもそもどんなレベルなのか、また2級の意義や価値についての側面などを、今回は書いていきたいと思います。


仏検2級のレベルとは

【日常生活や社会生活をする上で必要なフランス語の理解ができる。一般的なフランス語を読み、書き、聞き、話すことができる】

これが2級で求められるレベルとなります。


具体的には、(仏検公式ガイドブックの説明から引用しています)

・一般的な事柄についての文章を読み、その内容を理解できる。
・一般的な事柄についての文章を聞き、その内容を理解できる。
・一般的な事柄について、伝えたい内容をフランス語で書き表すことができる。
・日常生活のさまざまな話題について会話ができる。
・前置詞や動詞の選択・活用などについて、やや高度な文法知識がある。
・必要語彙数約3,000語に適応できる。


となります。

なんとなく、2級のレベル感がつかめたでしょうか?

準2級は日常的、且つ平易なフランス語の読み、書き、聞き、話す、が総合的にできることが求められるのに対し、2級は日常生活以上の、一般的内容に関することまで、フランス語が総合的にできることが求められます。



仏検2級を受けると決めたときのわたしの実情


わたしのフランス語の自己紹介をさせてください。
(2級へのくだりにつなげます)

わたしは短期と長期の2回のフランス留学経験があります。
留学中にはCCIPが行う試験を受け、商業経済実用フランス語認定証というものを取得し、帰国後はフランスの機器を輸入する会社でフランス語を利用しながら4年間仕事をしていました。

しかし、その会社を訳あって退職後、そこまで積み上げた全フランス語キャリアをすべて放棄、以降フランス語に関わることなく、年数でいうと15年もブランクがあきました。もちろんわたしのフランス語力はだだ落ちです。

そんなわたしが、数年前に一念発起してフランス語にまた戻ろうと、その足掛かりとしたのが「仏検」でした。
ちなみに2級は完全に独学で挑みました。

受験生活を始めた際の自分のフランス語レベルは、文法、単語、読み書きの理解度など、当然ながら総合的にすべてがうろ覚えのあやふや状態です。

わたしの一見したところのフランス語キャリアと、わたしの持つフランス語レベルは、あまりにもアンバランスでした。

これが仏検2級を受験しようと決めた当時のわたしです。

(『それは今や過去です』風に言いましたが、今も別に高いレベルに到達したとは全然思っていません。変わらず今も上は目指していてアンバランス中なのは健在ですが、この当時は、はっきり言ってあまりにもアンバランスでした)


なので、わたしの仏検2級へのチャレンジはハードルだらけでした。

文法の基礎、2級レベルの語彙力の蓄積、長文の読解の仕方や、リスニングへの耳の慣れ、作文など、抜け落ちていたフランス語の文法や、読解や、単語などの各ピースをはめ込む作業は、もうすべて大変でした。

受験生活中は『わたし受からないかもな..』と何回も思っていました。

仕事がある中での久しぶりのフランス語の勉強なので、オフの時間はかなり学びに割かないといけないだろうという危機感も感じていました。

一方、2級は春うまくいかなくても、すぐに(半年も経たずに)秋の試験が開催されるので、それが年2回開催の良いところというか、もし合格しなくてもその時はまた時間をかけて次回開催に向けて深堀りして勉強ができるから、それはそれで良しとしよう、とも思っていました。
でも特に手抜きはしていません。
久しぶりに自分とまともに対峙する本気の受験でしたので、勉強はコツコツと真剣にやっていました。



わたしは2級を受けるにあたって、自分に課すルールが一つありました。

ルールというと大げさなんですけど、なんというか、
ベースとして「絶対にテクニックだけには走らないように」と決めていました。

つまり、こうしたら受かるみたいな安直なコツや技術、暗記一辺倒や嘘は言わないと決めていました。

※嘘というのは二次試験で自分がする回答のことを指しています。
Ouiって言った方が答えやすいな、ではなくて、素で本当の自分の答えを言って勝負するみたいなことです。


勉強をした先の自分が、仏検に真っ向勝負したらどうなるのか知りたい。
フランス語に受け入れられるかどうか知りたい。
これへの執着と興味からそのルールを設けました。(まぁ若干変態ですね、笑)

以前のnoteに「暗黒さんとの15年」というのがあるのですが、それを読んでいただくと、この変な熱量がどっからくるのかがよく分かります。笑


また、よくnote内で言いますが、フランス語でやりたいことの方向性は人それぞれなので、これが特にわたしが2級をやる上でのおすすめルールという意味ではありません。

わたしの個人的なもので、それが自分に合っていたし、正しかったとも自負しているだけです。

さて、
そういう軌跡をたどって、最終的に2級を合格しましたが、振り返ってみてどうだったか?

このようなアンバランスレベルの自分や、課した意識ルールの未来には何があったのか?を次に書いていきたいと思います。



2級の価値

2級を受けることには高い価値があります。
今でもそう感じています。
そう断言できる、といったらおおげさに聞こえるでしょうか。
でもそれぐらいの気持ちが今もあります。

なぜか?

それは、フランス語の中級レベル者にとって必要な
「ハイレベルな基礎」の確立ができるからです。

これを得られたことがなにより大きいです。
2級で得られる価値はこれに尽きると言っても過言ではありません。


成長する道筋に関して、よく言われる例えでこんなものがありますよね、

家を作る前の地盤や基礎が緩いと、その上に何を建ててもそれは揺らいでしまいますよ、
みたいな話。
(なんてファジーな説明なんだ笑)


2級を受けるにあたっての学習の中で、自分のフランス語の地固め、基礎固めをすることが可能、ということです。

2級を取得した後、フランス語でさらに邁進していこうとする中で、この強固な基礎の上に何かを建てられることは喜びです。自信も持てます。
2級の学びに無駄なことは何もなかった、とわたしは今でも思っています。

それが、2級の真髄とも言えるし、高い価値とわたしが言う所以です。


2級受験者のみなさんも、この価値にはお気づきかとは思いますが、
こうお伝えすることで、あらためて一緒に共有できたらうれしく思います。

2級はフランス語の成長を楽しめます。
レベルの高いフランス語の基礎作りができます。
そして(何度も言いますが)それは強固な基盤となります。

2級の学習は新たなフランス語の「礎」を持つことができるということなのです。


ちなみに、わたしは仏検事務局と何の関係もなく癒着もありません。とても褒めてばかりいるので、一応言っておきます。笑


2級はほんとに有意義です。フランス語中級者のレベルアップをするための1ハードルとして勉強をし、受験することはとても価値が高いです。

これから受験を控えている方がもしいらしたら、本当に応援しています。

わたしの書いた他のnote記事もお役に立てることがあればうれしいです。
いろいろご覧になっていってください。


仏検の試験形式


さて、ここまで仏検を褒めてきましたが、急に題材が変わります。

仏検は、語学界隈の中にいると、評定の良くないコメントを見たり、聞いたりする場合があります。

(まぁなんでも良い面もあれば悪い面もあります)

どういうことかと言うと、試験自体のやり方というか、問題形式が取り上げられ比較されることが多いのです。


例えば、

「回答形式がマークシートってどうなの?」
(記述もあります)

「仏検は暗記もんのお受験フランス語じゃないの?」
(暗記だけでいける人っているのかな、いるのかも、、しれない、、?ちょっと疑問だけど、まぁでもそれはそれでとてもご苦労な話です)

「マークシートだとフランス語での創造性を養えない試験だよね」
(それは受験者たちの創造性を確認したうえでの発言?なのかな・・)

などです。

上の( )は、おわかりでしょうが、わたしの心の声です。笑


辛辣なものも見かけることがあります。

「本当にフランス語ができる人は、仏検ではなく〇〇を受けています」
というものです。

(〇〇は、まぁ言わずもがなですね)

「仏検より〇〇を受けた人の方がレベルが上です」みたいなものも見かけたことあります。


まぁでもですね、

この最後のことに関してからまず言及しますと、


語学は人との比較ではありません。


フランス語のレベルを上げてほしいという一心で、応援するような、教えてあげたい意図でこう発信されていらっしゃるのかもしれませんが(内心は伺えないのでわかりませんが)ちょっと誤解を招くかなと。

フランス語の試験は競技ではないです。

フランス語、語学というものは「文化」であり「人」です。


そこに優劣はなく、受験者を詳しく調査したわけでもなく(したのかもしれませんが)、安易に比較するような発言はちょっとわたしは不思議に感じます。


わたしは、これからがんばってフランス語をやろうとしている人は、何を足がかりにしたっていいと思っています。

仏検でも、ワーホリでも、〇〇試験でも、小さい歩みとしてオンラインレッスン週1回でもなんでもいいです。

選択は自由です。


どっちだから、できない人、
どっちだから優秀です、とかではないんです。

学び方の合う合わないだって人によって全然違います。
語学への情熱、方向性、目的、用途など、語学は本当に幅広くて、人それぞれが全然違うのです。

なので、このような発言はですね、ちょっとなーと思っています。


試験形式に関しても言及したいと思います。

2級の試験形式は、設問が7つで、マークシート方式と一部記述式です。
プラス、音声を聞いて書き取りする問題と、音声を聞き取った上で答える問題があります。これが一次試験です。

この試験方式が焦点となり、比較されることが多いです。
先ほどの〇〇という方は、もっと論述的筆記がメインですからね
(マークも多少ありますが)、
様相は仏検とはまったく違います。


までも、

これもですね、常にずっとわたしの個人的意見ですけど、


「それはただの表面上の話では?」
という感覚です。
(再度言いましょう、わたしの個人的見解です。)

実際に試験自体は、もちろん上記に書いた通りの形式で、その通りなのですが、試験形式=人ではないし、そもそも仏検2級の核は全然そこではないんです。

仏検の試験スタイルは、いうならば、受験者のバックにある2級のレベルがあるかないかの “確認作業“ として存在しているだけです。
(まぁ試験とはそもそもそういうものなのですが)


例え形式が何であったとしても、今後形式が変化したとしても、2級の実力をつけるには(2級の学びには)、試験までに培かわねばならない知識がたくさんあって、その積み上げた力を多側面で駆使しなきゃいけなくて、つまりフランス語の総合的な(平易なレベルではない)一般レベルに自分をもっていって試験に挑まないと、そもそも受かりません。

試験問題がどうとか、形式がこうだとか、わたしからすると、それは付属の話です、メインではありません。


なので、試験形式と受験者のレベルは(たいがいの場合)直結しないかと思います。
もしかしたらほんとに暗記一辺倒とかでいけちゃう人もいるのかもしれませんので「たいがい」&「と思います」という言い方にしましたが、
試験形式と人、試験形式と言葉、は本来別物で考えるべきではないかと思います。


次に、試験に出題されるフランス語の内容に関してもいくつか聞いたことがあるのですが、、

唯一これはわたしもちょっと思うことがあるんですよね。笑

2級ではなくて、準1級でそう思うことがわたしは、ときにあったというか、なんか過去問やってるとですね、
「ほんとこれぜんぜん訳わかんねー」
「これなに?どういうことなん?」

って思うことがあるんです。笑

説明が抽象的ですみませんが、
言うなら「ザ・フランス!」みたいな哲学的過ぎてちょっとよく文章の意味が分かんないんですけどみたいな感じです。
( ↑こういうこと言うのほんと良くないというか怒られちゃうかもですけど、わたしはフランスが好き過ぎて言ってるタイプなのですみません)

でもそれは、わたしが過去問をですね、2級と準1合わせておよそ10回分以上はやってると思うんですけど、そのやった準1の中での数問程度です。

(準1はレベルが高くて、わたしの学びが足りなかったからとも言えます。)



さて、続きまして、3、準2、2級は、中級の「基礎」もしくは「基本的なフランス語」というようなグループとしてレベル分けがされているのですが、
では級で何が違うのかについて少しだけふれておきます。


3級と準2級も中級者の基礎グループ。では2級の基礎、基本とは何が違うのか?

わたしは2級に受かったとき、母にそのことを報告したら、こう言われました。

「他にも級ってあるんでしょ?それと2級は何が違うわけ?」

確かに分かりづらいですね、おそらく、語学関係者でもない人からすると、この数字くらいの級は特にそうなる部分があるかと思います。

わたしは3級と準2級は受験していないので、
公式サイトで確認していますが、2級に程近い3級や準2級は、基礎の中でも日常的、平易レベルのフランス語が求められ、まだフランス語をはじめて間もない方が今後さらにフランス語力を上げていくため、その道を歩むための、いわゆる導入的な基礎のまとめ、総合性をみる試験といえます。

2級はそれとは異なる基礎となります。
上級的基礎という感じでしょうか。あえて言いますと。

言葉として、同じ「基礎」は「基礎」なのですが、
例えて言うと、それを取得した者の存在する場所が変わるということが違う点だと思います。

2級は上級へと続く扉の前まで来た。
準2.3はその扉に向かって今歩いている最中。

こんな感じです。

で、ちなみに、準1級も気になりませんか?笑

準1はほんと様相が変わります。
2級のちょい上どころではありません。格段にレベルがあがってきます。
なめたらやられます。(どういう意味?笑)

もはや基礎ではありません。
2級の延長みたいな勉強だけでは太刀打ちできません
(わたしがそうだったという意味です。)

実は準一級に関しても、わたしは思うことが色々ありますので、いずれ必ず語ろうと思っています。
予定では、今年の12月頃に書く予定でいます。

なぜそんな先なのかというと、
今年準1を受ける方たちは時期的にすでにもう秋季に向けて多くの勉強を積み重ねていらして、それぞれの方法で勉強を継続されていらっしゃいます。

万が一、準1のことをいろいろ今わたしが書いて、その邪魔をする何かの一因にでもなったらいやなので、今は書かないことにしているのです。


ってまぁでも・・
ちょっと恥ずかしいんですけど、邪魔も何も、そもそもわたしのnoteはまだ全然多くの人に気づかれていない.. という現実!
はい、なのでひとり杞憂です。笑

今これを読んでくださっている方は、わたしにとって貴重な読書様です、ありがとうございます。

ということで、まとめますと、今年の秋季の一次試験後の12月頃に準1のことは書く予定でいます。
そしてそれは、「2025年」の秋季仏検準1級を受ける方へのnoteにしようと思っています。




最後に


2級に興味のある方、または既に2級を取得されている方に対して、わたしは以前からこれらの2級のことについて、詳しく書きたい、伝えたい、共有したい、と思っていました。

なので今回真摯に、そして満を持して書いたnoteとなりました。
みなさんいかがでしたでしょうか。

少しでも2級を目指す方や、2級取得者の方のお役に立てたらうれしいです。そう願います。


ではではここまで長文をお読みくださりありがとうございました。


また次回のnoteでお会いしましょう。

À bientôt!!

Eva


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