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長門湯本温泉の再生①ちっぽけなプライドは捨てるの巻【狂犬ツアー】

自分のちっぽけなプライドをいかに捨てられるかが大事だと気づかされたエピソードがあります。

Voicyパーソナリティー・まちづくりの専門家として知られる木下斉さん主催『狂犬ツアー』にて、山口県の長門湯本温泉に人生初(むしろ中国地方が私の人生初)足を踏み入れました。

初日の今日は、木下斉さん、そして長門湯本の再生に一役買ったメンバーによるブリーフィングとして、どのように長門湯本が今の姿になったのかを伺いました。

そこで聴いたエッセンスというのが、僭越ながら私の人生やこれまでの経験に通ずるところがあると気付きましたのでシェアしてまいります。

今回は気づいたうちの1つ目です。

過去の栄光・プライドなんか捨ててしまえ〜ゼロべースからの挑戦

ブリーフィングの中で、長門湯本は昭和40〜50年代にかけて、年間来場者数が40万人近くを誇る温泉街だったこと、しかしその後平成20年代後半にはその半分程度にまで落ち込んでしまったことが紹介されました。

ピーク時は大型バスに乗って遊びに来る団体客が絶えず来てくれる(駐車場には大型バスがいっぱい、道路には観光客のマイカーの路駐だらけ!)ので、長門湯本としても受け身の商売で十分に経営が成り立っていたのです。

その後旅行客のニーズが多様化し、長門湯本はしばらくその流れにキャッチアップ出来ず、ズルズルと観光客数が減ってしまいました。結果として150年も続いていた老舗の温泉旅館が廃業するという苦い歴史があります。

ここまでの流れは、今年の夏に私が訪れた群馬県のみなかみ温泉街にも似てるなと思いました。首都圏からの距離やアクセスが両者では違うので厳密な比較は出来ませんが、水上温泉街にはかつては営業していたであろう旅館が多数立ち並んでいたからです。

その後、長門湯本温泉が何をしたかと言うと、誘致した星野リゾートにどんな街が望ましいか、ゼロベースでアイデアを出してほしいと頼んだことです。

要は、温泉街にとっては『新入り』のような存在の施設に、今後の街の存続をかけてアイデアを求めました。

星野リゾートにアイデアを依頼した当時は、今と比べて観光客数が落ち込んでいた時期ではあるものの、ピーク時にはそれなりの栄華を誇っていた長門湯本温泉。よくありがちな感覚だと、かつてのプライドが邪魔をしてなかなか他の人(特に新しく入ってきた人)にアイデアを聞けないケースが多いのではないでしょうか。

私の経験談にはなりますが、以前の職場で社内優秀プロジェクト賞を獲得した途端、ちょっと天狗モード・周囲を見下すようになり、人の意見を聞かなくなったよね、と評判の悪くなった先輩を知っています。

おそらくその人は、賞をとった栄光が忘れられず、『賞を取ったことない奴の話なんか聞けるかよ』な気持ちだったのでしょう。

そのため、仕事に行き詰まっても人にアドバイスや意見を求めることが出来ず、少なくとも私から観る限りは仕事しにくそうな印象でした。

その先輩も、長門湯本温泉のように、周囲や若い人からのゼロベースでのアイデアを積極的に受け入れていれば、もう少し働きやすかったんじゃないかなぁと勝手ながら思います。

私がその職場から離れてもう数年経つので、その人が今どうなっているかは知りませんが。。

ということで、天狗モードになってしまったばっかりに仕事をしづらくなった先輩と、過去の栄光を一旦置いて星野リゾートにアイデアを求めて復活した長門湯本に、ものすごく対照的なものを覚えたのが今回のブリーフィングで印象に残ったことの一つです。

過去の栄光に固執せず、変なプライドは捨て、人に意見を伺ってみる。そんな姿勢が周囲からも支持されて今の長門湯本温泉の姿があるのではと感じました。

もちろん、過去の経験にプライドを持つのは素晴らしいことですが、時としてそのプライドが自分の邪魔をすることもあり得ます。

逆境にいるときは、いかに周りへ助けを求められるか、仕事だけでなく人生にも通じる大事な考え方だと思います。

それではまた!

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