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パーキンソンの法則からJTCの悲しい性を振り返る【JTCあるある】
木下斉さんのVoicyで『パーキンソンの法則』というものが紹介されていました。
パーキンソンの法則とは、何かが終わるまでに使えるリソースをすべて満たすように膨張していくことを指すもので、具体例でいうと会議時間を1時間に設定したら30分で終わるものも1時間になってしまう現象や、本来10人で終わる仕事が、組織を大きくした悪影響で20人で終えるようになってしまう、といった状況を指すビジネスシーンでよく使われる表現です。
今は私は人数の少ないベンチャー企業にいるので、このような現象にあまりピンとこなかったのですが、なんだかどこかで聞いたような懐かしい響きがあるように思いました。
。。。。。
私が新卒で入社したJTCのメーカーがまさにパーキンソンの法則を憎いほどに体現した組織だったのです。
JTCの悲しい『パーキンソンの法則』
レポート無限地獄
私はJTCから足を洗って二年以上経ちます。JTCとベンチャーの仕事内容の違いで明らかに違うと思うのは、仕事のための仕事がJTCにはものすごく多かったというところです。
当時と職種も違うし、出社前提かフルリモートなのかによっても全く違うと思います。が、当時の職場では、職場を整理整頓するための美化活動や職場での転倒防止事故を防ぐための予防活動、いざ何か事故が起こった時のリスク軽減トレーニングなど、研究職を遂行するための仕事がやたらと多かったのを覚えています。
中でも私が一番極端だと思うのは、実験中に何か事故が起こった時の対応です。
化学系の研究職ということで私含め日々実験をするわけですが、安全に毎日実験ができるとは限らず、作業の熟練度が低い、もしくは作業者が焦っていたりといった要因で、漏洩や小爆発のような思わぬ事故が起こることも時にありました。
このような事故が起こると、大変面倒な以下のようなステップを踏むことになります。
①会社で指定されている所定のフォーマットに事故報告書として当時の状況や対応したことを書く
→これはよくある光景ですね。
②所属部門の偉い人に囲まれて当時の状況を口頭で改めて説明する
→部門ごとに安全委員会があり、そこに研究開発部門の偉い人数人が集まって当時の状況をヒアリングされます。
③拠点内の偉い人数十人に囲まれて、当時の状況や対応について口頭で説明する
→私が所属していた研究開発部門と同じ敷地内に事業部門や生産部門もあったので、事故が起こると研究開発部門だけでなく他部門も交えた拠点内の安全委員会で改めて報告する必要があります。
一つの事故を起こすと報告書を書くだけでなく、自分の所属部門であったりそれを越えて自分が所属する拠点の中でも説明しないとならず、個人的にレポート無限地獄と呼んでいました。
なぜこんなことが起きるのか・レポート無限地獄の弊害
なぜこんなことがJTCのメーカーで起こっているかと言うと、まず一つに人が多いこと、2つ目としては悪い意味で歴史があることだと考えています
人が多いので多少作業やチェック工程が増えたとしても、正直そこまで喫緊の売上には影響がありません。
これがもし従業員数数人しかいないようなベンチャーであれば、ここまでレポートの回数を重ねる必要もないし、役職者を毎回集めてヒアリングなどしていたら本来の仕事ができなくなってしまいます。
また私がかつて所属していたJTCは百ウン年の歴史があるので、人が多く歴史もある分、仕事をやったフリで作られた過去の残骸のようなルールが多数あります。
ルールが整備されていると言えば聞こえは良いですが、その分過剰とも言える報告体制・ヒアリング体制が出来上がったのでは、と考えます。
その弊害もあるのかどうかはわかりませんが、私の退職後には研究開発部門から複数人、離職者が発生しています。
私が在籍していた間にこれほどのペースで離職者が発生していた年は正直記憶がなく、そのJTCの魅力自体が社員にとって下がっている印象です。
もちろんライフイベントで仕方なく、という方もいらっしゃるかもしれませんが、このようなレポート無限地獄のような状況を見ていると、仕事のための仕事が多すぎて嫌になって、転職を考えるというのは『さもありなん』としか言えません。
また役職者に関しても、そういった仕事のための仕事をチェックする役割があるので常に忙しく、部下のマネジメントやコミュニケーションを適切にできずに部下が離職する側面もあるのではないかと勝手に推測しています。
パーキンソンの法則に綺麗に従って『仕事のための仕事』が多く、仕事をやった感を演出する社員が多い職場には、愛想をつかす社員も多いでしょう。
JTCは人の多さに甘えて『仕事のための仕事』を無限に増殖させていないか、またそれが役職者を多忙にさせ、メンバーとのコミュニケーションも満足に取れずにメンバーが離職しているかもしれない、そんな仮説に目を向けた方が良いと考えます。
それではまた!
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