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『注文の多い料理店』から認知バイアスと『オッサン』上司を思い出す

我が家では子どもが寝る時に『ドリームスイッチ』という装置を使っていて、天井にプラネタリウムのような感じで物語や歌を映すのが日課です。

↑コチラは我が家のものよりも新しい商品のようです

物語は多数収録されていますが、最近の子どものブームが宮沢賢治作の『注文の多い料理店』で、ここ最近は毎晩のように注文の多い料理店を見せられています。


何の変哲もない昔話と思ったが実は。。?

そもそも『注文の多い料理店』の詳細を子どもとドリームスイッチで見るまであまり存じ上げませんでしたが、概要としては都会出身の男二人が山奥にある怪しいレストランに入り、店から不思議な『注文』をこなしていくうちにいつの間にか妖怪(?)に食べられそうになる、というお話です。

不思議な注文として『靴を脱いでください』とか『全身にクリームを塗ってください』などがありますが、男二人は違和感を覚えながらも『きっとこの先にはさぞかし身分の高い人がいるんだワクワク』と言った感じで店の奥へ進んでいきます。

違和感を覚えながらもズンズンと進んでいって、最後は妖怪に食べられそうになるシーンを見て、私はデジャヴのようなものを覚えたのです。

これって、心理学でいう認知バイアスの話じゃないかと。

認知バイアスとは

認知バイアスとは、私たちが何か意思決定や考えるときに現れてしまう、思考の偏りのことです。

人間は脳のエネルギーの消費を減らすべく、意思決定の労力を減らそうとして、これまでの経験や価値観に基づいて決めてしまうことがあります。

これは脳に意思決定のエネルギーを割かせないメリットもありますが、時としてはおかしな判断を下してしまうこともあるのです。

例えばキャリアの文脈で言うと、とある組織にて上司が部下に対して違和感を覚えながらも『あいつに限って辞めることはないだろう』と根拠のない思い込み(楽観バイアス)をしていたら、部下がいつの間にか辞めていた、といったものも認知バイアスの一つです。

認知バイアスの恐ろしさ

私が『注文の多い料理店』に認知バイアスとの繋がり覚えたのは、男たちが違和感を覚えながらもどんどん店の奥に進んでしまい、『きっと良いこと(身分の高い人と知り合える)があるに違いない』などと都合よく考えていたら、いつの間にか妖怪に食べられそうになっていた点です。

これは寓話の世界だけのことではなく、何か私たちに都合の悪い(と思われる)ことが起きても、『自分に限って』とか『自分は大丈夫』と考えてしまい、痛い目に遭うことはあるのではないでしょうか。

これは決して『楽観主義』を否定するものではなく、自分の意思決定には偏りがあるかもしれない、と前提を置きながら判断することが必要なのでは。と考えました。

『オッサン』上司に思う認知バイアス

また、楽観バイアスに限らず、認知バイアスには複数種類があります。

楽観バイアスは自分の能力を過剰評価して起きるものですが、反対に自己評価が低すぎて起こる同調バイアス、また昔うまくいった方法に固執するアンカリング効果、SNSでの情報を鵜呑みにする代表性バイアス辺りが有名なところでしょうか。

これを書いていると、私は昔出会ったオッサン上司を思い出しました笑 まさにその人がアンカリングや代表性バイアスの権化のような人だったからです。(私のnoteでも度々登場している、『クビ』になった人です)

私の言う『オッサン』とは、特筆できるパフォーマンスもないのに、年を喰ったことを主な理由として組織の役職に就いている人のことです。

その人がクビになってしまったのは、正直なところ、行き過ぎた認知バイアスで周囲とコミュニケーションを取れなかったり、インプットに偏りが生じで適切なアウトプットが出せなかった点もあるのではと考えます。

そのため、認知バイアスは人間の意思決定にとって脳に負荷をかけすぎない機構とは分かっていながらも、認知バイアスにまみれてしまうと以前会ったオッサン上司のようになってしまうのではないか、と危機感を持ちました。

具体的には先ほども書いたように、自分の意思決定に万能感を持ちすぎずに偏りがあるかもしれないと前提に置くこと、また余計な情報を頭に入れすぎないこと、情報は信頼できるところからインプットするのを心がけたほうがいいと考えます。

ということで、宮沢賢治氏の注文の多い料理店から考えた認知バイアスとそれによる『オッサン化』の危険性、自分に出来そうな対策を考えてみました。

それではまた!

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KASHIWA@マイノリティキャリア
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