フィードバックがゼロ?出向で見えた心理的な壁【ジブン株式会社ビジネススクール】
はじめに
木下斉さんのVoicyで配信されているジブン株式会社ビジネススクール。昨年12月のテーマはメンタルタフネスでした。
4限目はチームメンバーのメンタルタフネスについてのお話で、メンバーたちの選び方や、チームでどのように困難を乗り越えるかについてのお話です。
チームでの困難の乗り越え方の一つ、ブートキャンプ型のプロジェクトが紹介されていました。
具体的には、とあるプロジェクトのメンバーが期間限定で同じ場所に集まり、一泊二日とかの単位で決まったアウトプットを出す、というものです。
ブートキャンプ型の進め方で良かったこと・嫌だったこと
なぜ私がブートキャンプ型の場に??
私も実はその手の『ブートキャンプ型の開発』には研究職時代に携わったことがあります。
放送にあったような一泊二日、のようなごく短期間ではないですが、2ヶ月ほど『出向』という形で、当時私が所属していた研究開発部門でなく、プロジェクトで連携していた事業会社へ通い、事業会社のメンバーと毎日顔を合わせて実験・開発を進めるものでした。
なぜこのような形になったかと言うと、当時私が担当していたプロジェクトの開発品に不具合が発生してしまったこと、そして開発品をお客さんに出すことがすでに決定していたので、事業会社のメンバーと一緒に原因を究明せよ、というものでした。
本当は事業会社のメンバーが研究開発の拠点に来てもらうのが個人的には(通勤の面でも環境が変わらない面でも)楽だったのですが、事業会社で私と同じプロジェクトを担当するMさん(尊敬する大先輩)が他のプロジェクトも持っていたりと多忙なため、身軽な私が事業会社へ出向することになりました。
とは言え、自宅〜事業会社までは研究所まで行くよりも距離があるので、毎朝いつもより早起きして2ヶ月間通うのは地味にきつかったです。。汗
ブートキャンプ型の開発に携わって良かったこと
毎日プロジェクトの担当者と顔を合わせて実験・議論が出来るので、仕事がとても進めやすかったのを覚えています。
また仕事以外の時間、例えばランチの時間も事業会社所属のMさんや、Мさんと同じ部署にいる方々とお話出来たので、ずっと研究開発部門に籠もっていた時よりも人間関係の輪を構築できたのはとても良い経験でした。
また、出向先の部門の方には、出向終了後もたびたびご連絡を頂いたり、私が育休に入るときや退職の際にも温かい言葉をかけてくださりました。
今はリモートワークの時代だ!とも言われますし私も今はフルリモートで働いていることもあり、リモートワークを享受しまくっている身ではあるものの、顔を合わせての仲良くなる・同じ釜の飯を食う・仕事を仲間と進めるという意味では貴重な体験だったと、今振り返ると強く思います。
嫌だったこと
1つ目は、通う先の環境がガラッと変わって精神的に疲れることです。
上述のように、研究所よりも事業会社のほうが自宅から遠いため、普段よりも早起き&長距離通勤でした。
また、Мさんとその周辺以外の方はほぼ存じ上げない状態での出向だったので、どの人がどんな人なのかもよくわからず、かつ不慣れな実験設備で仕事をしていたため、やっていることは研究所と同じような工程ではあるけどものすごく疲れる状態でした。
2つ目は研究所の人間との心理的な距離です。
私のOJTと直属上司は私の出向中も研究所にいるため、プロジェクト進捗を毎日夕方にメールしていました。
しかし、その進捗に対して彼らからのフィードバックがほとんど無いのがとても不愉快でした。確かにプロジェクトの担当者であるМさんは事業会社にいるものの、全部出向先である事業会社側へ丸投げされているような気分になったからです。
一任するよ、というのは聞こえは良いですが、こちらがМさんや周りの皆さんと進めている内容に研究所側から何の反応・意見も無いのは、協業部門としてどうなんだろうと思ったのは正直なところです。
1つ目の精神的な疲れは2ヶ月の間で徐々に慣れましたが、メールでの進捗報告にこれと言った反応が研究所側から無い点は、ジワジワとボディーブローのように孤独感を覚える要因でもあり、文句か嫌味でも言ってやれば良かったなと今になっては思います。
彼らは彼らで色々考えていたのかもしれませんが、物理的に離れている以上、何も連絡がない=何も考えていない・丸投げしている、と捉えられてもおかしくないと思います。
ブートキャンプ型の開発を経験して気をつけたいこと
結果としては、ブートキャンプ型の開発期間のおかげで無事に原因究明もでき、お客さんへ開発品の提供もできたので、期間限定で事業会社のメンバーと顔を合わせながら仕事できたのは良かったと思います。
また、その後の仕事に繋がる人間関係ができた意味でも、同じ場所で顔を合わせて、というのはリモートワークには無い良さがあったとつくづく感じるところです。
一方で、体制や進め方によってはかつて私が経験したように、メンバーへ孤独感を覚えさせたり、丸投げのような印象を与えかねません。
私がもし今後自分のチームから別の部門は『出向』のような形でメンバーを出す際には、その人の心のケアにも気を配って、ただでさえ疲れの溜まる出向に必要以上の孤独感やストレスを与えないようなフィードバックを心がけたいところです。
ということで、木下斉さんのジブン株式会社ビジネススクールの12月度4限の話を聞き、ブートキャンプ型の開発というキーワードから思い出した過去の出向経験を振り返ってみました。
それではまた!