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手書きのホリデーシーズン店頭演出
11月も折り返しとなってしまいました。
こうして、また11月もあっという間に過ぎてしまいますが、
わちゃわちゃした中でも、なんとなく活気がでてくる
この季節がなんとも好きです。
というのも、百貨店で勤務していたことが長かったせいか、
ホリデーシーズンというのは一気に素敵な演出になり、
なんだか、ワクワクした気持ちにさせられたんですよね。
リースを飾ったり、ツリーを飾ったり、
プレゼントを飾ったり。
インテリアの仕事をしていた時は、リボンを探したり
テーブルセッティングをしたり、ディスプレイを考えるのが
とにかく楽しかった。
そんな季節の演出を長年経験してきたのが、
今の仕事につながっていたんだと、この歳になると
やっと理解できるようになりました。
所謂、それぞれの点が線になってきたといったところでしょうか。
それまでの演出は、何かのモノを使って飾ったりするものでしたが、
今の自分は、ペン一本使っての演出をしています。
主に、店頭のウィンドウをポスカ一本で演出しています。
ただ、こういう演出をしていると時々
「絵描きさん」と言われたりすることがありますが、
私は絵やイラストの勉強を専門にしたことはありません。
そして、ウィンドウに描いたものはお店が変化しているんだよ、ということをお客様にお伝えするためのものですから、描いたままではなく
「消すこと」が前提となります。
消すことが前提になるので、そこまで書き込む必要はないな、
と考えていて。手抜きするという意味とは違いますが、
ある程度はラフに描いて良いものだと思っています。
毎年この時期は、ウィンドウや黒板の書き換えが特に集中します
から、忙しく動き回っていますが、
何件も何件も重なると、同じ図案を描くわけにはいかず
デザインを考えるのに、相当苦労します。
毎日毎日、書き終わっては次の図案やレイアウトを
考えます。
中でも今回描かせて頂いたおむすびと日本酒が楽しめるお店。
和テイストモダンな雰囲気でしがので、いきなりザ・クリスマス的な
イラストを施すわけにもいかず。
しかも次回の書き換えは春頃を予定していたので、
その数ヶ月楽しめる柄ってどんなものかな?
と考えてしまいました。
前回は夏仕様でしたので、今回はガラっと雰囲気も変えたいなと
思いました。
そこで、考えたのはお米の文字とおむすびの柄を合わせたモノ。
色目は茶系にしようと決めました。
こちらは、鎌倉若宮大路にお店があります。
全体的には、セーターのように仕上げたいなと。
文字やイラストの組み合わせを、ニット風に描きました。
ウィンドウの柄は、お店の方が思っている以上に記憶に残してもらえる
という効果があります。
何かの時に、何かのきっかけで思い出してもらえる確率も
上がります。
店頭の演出は、本当に大切
ということを、黒板のワークショップでも毎回お伝えしていますが、
お店の中にいると、外からお店がどのように見えているか
の視点が抜け落ちてきてしまいます。
どんな点に気をつけたら良いかは、ワークショップでお伝えしています。
長年営業しているお店ほど、結構この視点が落ちていたりします。
「ウィンドウを一回描いたら、消すのがもったいないからそのままで
いいんじゃない?」
と言われることもありますが、
書きっぱなしですと、色が薄くなったり色がはげてきたりして
かえって汚れてしまうので、描かない方が良いと思います。
ずーっと変わっていないと、むしろそれが目立ってしまうので、
何も構わないお店という印象を持たれてしまいます。
「常に変化」はお店に限らず、自分の指針としても
忘れてはいけない視点。
この意識を忘れずに、ホリデーシーズンの演出を楽しもう〜。