私の00smusic#61
#601 Become What You Hate by Midtown
ニュージャージーのポップパンクバンドのセカンドアルバムLiving Well Is the Best Revengeのオープニングトラック。ドライブスルーからメジャー入りを果たした作品で、プロデューサーはブリンク182やジミー・イート・ワールドなどを手掛けていたマーク・トロンビーノ。
個人的なイメージは、2000年代前半のポップパンクアルバムの名盤の一枚。ややエモーショナルなメロディラインと、突っ込んだキレのあるスピード感は、快適かつ爽快ガッツポーズ。11曲35分があっという間に通り過ぎる。
#602 Jamie All Over by Mayday Parade
フロリダのポップパンクバンドのデビュー作A Lesson in Romanticsより。
ゼロ年代後半らしいエモテイストのポップパンクで、ダブルリードボーカルで歌を引っ張り、わかりやすいメロディを主体に、パワフルでエネルギッシュな楽曲を展開する。レーベルはフィアレスからで、この作品でゴールドディスクを獲得して後、勢い乗ってメジャーレーベルとの契約に至っている。しかし、ここでリードボーカルの片割れのギタリストが脱退して、この形だったのはここまで。
#603 Here I Stand by Madina Lake
双子のネイサン&マシュー・レオーネ兄弟擁するシカゴのロックバンドのデビュー作From Them, Through Us, to You より。これもマーク・トロンビーノプロデュースで、レーベルはメタルミュージックを扱っているイメージのロードランナー。
当時英国ケラング辺りが結構推していた気がするんですけど、日本でも双子兄弟の話題性や出方が良かったのか、ファンベースを築いていたイメージ。サマーソニックにも出てましたよね、確か。ハードコア、エモ、メタル、オルタナロックといった音楽性を飲み込んだ雑食性、独自性が印象的なバンドでした。ジャケットやビデオからも何となく耽美な表現もあって、それもかなり個性だったかも。
#604 The Space Between by Valencia
フィラデルフィアのバンドのデビュー作This Could Be a Possibilityより。90年代でこの名前を聞くと、オランダ人ミュージシャンの方を思い出してしまいますが、こちらはポップパンクの佳作の一枚。
いつまでも新鮮味を損なわないような、わかりやすくキャッチーなメロディとボーカルワーク、刺激的に自在に展開するギターワークに、青さ残るエモーショナルな色彩は印象的。
#605 The Reasons by The Weakerthans
ジョン・K・サムソン率いるカナダ・ウィニペグからのインディバンドの3作目Reconstruction Siteより。バンドがエピタフに移籍した後にリリースした最初の作品。
正直キャリア全4作品どれも佳作というか、良いアルバムしか存在しないという安定力を発揮した稀有なバンドなんですが、音楽は自分の好みで言えば、ウィーザーやガイデッド・バイ・ヴォイシズのようなパワーポップ、インディロック楽曲があるし、カントリーフォークで詩や歌を聴かせる曲の中には、トランペットが吹き込んでくる印象的な間奏もあったりして。
かつて前身のバンドはゴリゴリにパンク畑でも、こういう風に良いバンドとしっかり契約しているエピタフはなかなか侮れんなぁ、なんてことも思ったり。
#606 Two Is Better Than One (feat. Taylor Swift) by Boys Like Girls
マサチューセッツのバンドのセカンドアルバムLove Drunkより。音楽ファイルのアップロード&ストリーミング用ウェブサイトPureVolumeで、再生数と人気を獲得した後に、メジャーレーベルと契約してデビューしたバンド。
わかりやすい歌謡メロディが印象的で、最初はエネルギッシュなポップパンクイメージも、次第にコンテンポラリーロック/ポップス的なアレンジの楽曲も増えていったかなと。メインストリームで流れるキャッチーなポップロックとして聴くのに、たくさん良い曲があるなぁという感じ。それでテイラー・スウィフトと合わせてしまったら、そりゃイイ感じよね。
#607 Girlfriend by Avril Lavigne
カナダのロック/ポップパンク少女の3作目The Best Damn Thingからのヒットシングル。日本でもお茶の間で流れるテレビ番組に本人が登場してしまうくらい、大きく流行りましたね。
彼女のパーソナリティとファッションに焦点が当てられ、同世代からの圧倒的な支持を獲得。その音楽性や音楽ビジネス的にも気を払い、その変化を与えていて、とても戦略的な感じがしました。
この辺りは突然カラフルになって、元気で明るいイメージに変えてきたのが印象的で、当時別に真面目に聴いたわけではないですが、この曲は普通に好きでした。著作権訴訟で和解させられるおまけも付きましたが、それも人気者の証かな。
#608 How You Love Me Now by Hey Monday
キャサディ・ポープという女性ボーカリスト率いるフロリダ・ウェストパームビーチからのポップパンクバンドの作品Hold on Tightより。フォールアウトボーイ界隈から巡って、メジャーデビューとなったようですが、セールス的にはあまり成功という感じにはならずに、活動休止という流れ。
キャサディはその後、オーディション番組を経て、カントリーの方で作品を数作出していて、最近また元のロック世界に戻って来ているそう。
MVを観てると、わりと生活レベルの高そうな、いかにもお金持ちの若い子たちの集まりとポップパンクとの関係性が見て取れるような感じがして、それくらい全く影のなくてキャッチーな、こういう光の雰囲気は全然好きなんですけど、社会全体からすると、わりとニッチなとこなのかなと思ったり。
#609 The Curse of Curves by Cute Is What We Aim For
ニューヨーク・バッファローのポップパンクバンドのデビュー作The Same Old Blood Rush with a New Touchより。
これもフュエルド・バイ・ラーメンからのリリースで4年ほど活動していたものの、メンバーチェンジが多く上手くいかなかったのか、2作品で終了。
ボーカルの声と節回しが他と比べると、少し特徴的な感じもするけど、しっかりエモ系のポップパンクで、曲もキャッチーで聴きやすいと。
アルバムジャケットのデザインが鮮やかで良いですね。エモ要素とオシャレなコスメ要素の融合という感じ?
#610 Ignorance by Paramore
ヘイリー・ウィリアムス嬢をフロントマンに置くテネシーのバンドの3作目Brand New Eyesより。前作のマルチプラチナムヒットによって大きな人気を得て、この作品でそれを確実にしていった流れ。
バンドの中でフロントに立って戦う女の子の姿っていうのは、やはり強力な個性、若い同世代からの支持になるのかなという感じがするわけですけど、09年のサマーソニックのスタジアムに出てきた彼らは、日本の学生服をステージ衣装にしていて、きっとそういう人の心をさらっと掴むのが上手い人たちなんだなっていうのが印象的でもありました。