![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13142013/rectangle_large_type_2_a636f0744d87c19c5463984c82eb0cad.jpeg?width=1200)
古墳時代の方法で塩作り 【0からラーメン】
FR0M SCRATCHでは0からラーメンを作っています。
今回は味の決め手となる塩を広島県上穂刈島にて、古代の方法で製塩しました。
(FR0M SCRATCHとは何か?をこちらの記事で紹介していますので、ぜひ見てみてくださいね。)
藻塩とは
日本の塩作りの原点であり、かつて玉藻と呼ばれていたホンダワラなどの海藻から作った塩のことです。
その製法は大まかに説明すると
①海藻に海水を掛けることを繰り返し塩分濃度を高め
②海藻に付着した塩ごと焼き
③その灰を海水で煮出して塩を結晶化していく
といった流れになります。
このように手間は掛かりますが、海水と海藻のうま味が凝縮した、尖りのない、まろやかな口あたりが特徴で、料亭やてんぷら屋さんなどでも使われる程です。
一般的にホンダワラという海藻を使い、その海藻の色が付くのでほんのりピンク掛かることもあります。
何故、瀬戸内海へ?
藻塩は全国各地で作られています。
しかし、その中でも瀬戸内海に囲まれる上穂刈島を選んだのには理由があります。
上穂刈島では、1984年、当時の穂刈町の文化財保護委員長で、30年にわたり考古学の研究を続けてきた故 松浦宣秀さんが、一片の製塩土器から製法を歴史的に解明し、その製法で作られた藻塩作りが可能だったためです。
その昔、古墳時代から人々は藻塩を作り、そのことは万葉集にも
”朝凪に玉藻かりつつ夕凪に藻塩焼きつつ”
と詠まれています。
玉藻について
ここで詠まれる玉藻というのが現代のホンダワラになります。
玉のようなものがついているのが分かりますね。
玉藻、いい名前だな、と思います。
ちなみにこの玉藻、またの名を馬尾藻、神馬藻(なのりそ)と言います。由来としては、神功皇后が三韓(朝鮮半島南部に存在した集団とその地域)遠征の為、九州から渡航する際に不足した馬の飼料に本種を利用したことからとされています。そして神功皇后の率いる神の馬の食べる藻=神馬藻と書くようになったようです。日本書紀にも登場するようで、日本と深い関りのある海藻なんですね。
製塩方法
実際に体験した藻塩作りの手順を簡単に説明したいと思います。
STEP1 かん水(藻を灰にしたものを海水で溶いたもの)を土器に注ぎ、煮詰める。
本来であれば、このかん水と土器作りもしたかったのですが、今回は都合が合わず出来ませんでした。次の機会にはホンダワラの採取と土器の制作から是非リベンジしたいです。
STEP2 蒸発したらかん水を足すことを繰り返し、塩分濃度を高める。
どんどん蒸発していくので、その都度かん水を足します。同時並行で何個もやるので、もぐら叩きみたいな感覚になります。
STEP3 ちょっと休憩。
藻塩を熱する火で同時に温めていたじゃがいもに、藻塩をつけて試食&一休み。遠赤外線でホクホクのじゃがいもに藻塩のセットは最高です。
STEP4 蒸発と継ぎ足しを繰り替えす
段々濃度が高まって表面に塩の膜ができ始めます。
濃度が高まると吹きこぼれやすくなってくるので、沸騰しそうになったら木の棒を入れて吹きこぼれを抑えます。この作業は次々と沸騰する土器に木の棒を差し込むため、これぞもぐら叩き、といった感です。
しばらくすると塩の結晶が顕著になってきます。もうそろそろ完成です。
STEP5 完成!
これでほぼ完成です。
この状態ではまだ完全に乾ききっていないので、余熱でもう少し乾燥させて完成です。
試しに味わってみた藻塩は、塩辛くなくまろやかな優しい味わいでした。指導してくださった方に聞いたところ、3~4割は海藻などの塩以外の成分のため、味がまろやかで豊富なミネラルを含んでいるとのことでした。どんな味をラーメンに与えてくれるか楽しみですね。
美しいエメラルドグリーンの瀬戸内の海と、古代人と同じ場所、同じ製法で作った藻塩はなんだか長い歴史と大きな自然からの贈り物の様でした。
ご協力
藻塩作りの体験を提供してくださり、また資料館では親切に藻塩の歴史について教えてくださった藻塩の会の皆様本当にありがとうございました。
藻塩の会HP(藻塩作り体験)https://www.moshionokai.jp/learning/