地元の当たり前になぜお金を払うのか
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地元に「かばた」と呼ばれる生活様式があり、NHKなどに取り上げられたこともあって、観光資源となっています。
特にこの「かばた」が数多く残っている新旭町針江地域では地元で観光ガイドを育成し、ガイド料をとってコミュニティビジネスとしています。
また、最近では地元水路の一部を改修して釣り堀をはじめた事業者の方があり、県外を中心に毎日釣り客が訪れています。
琵琶湖岸には次々とグランピング施設が建設され、規模の小さめなオートキャンプ場も県外ナンバーの車でいっぱいです。
ただこうしたビジネスを地元の方はなかなか評価しません。
昔からどこの家にでもあった生活様式を見せるだけで、なぜそんなにガイド料を取るのか。
地域の大きな川に行けば、漁業権のための釣り券こそ買わなければいけないが、高額な釣り堀代を払う必要は無いのになぜあそこに行くのか。
キャンプの使用料を払う必要の無い琵琶湖岸はいっぱいあるのに、設備があるとはいえ、なぜわざわざお金を払ってキャンプをするのか。
といったことを言われます。
私たちは地元に居るがばかりに、他にはない自然や生活様式に容易く触れることが出来ます。
そのため、そうしたものに触れる機会が無い外の人達から見える視点に気づきませんし、そこにお金を払う感覚がなかなか分かりません。
滋賀の北部は交通の便の問題などもあり、人口減少が加速しています。
そのため、観光なども含めて外から来られる方を求めています。
一方で、実際に外から観光に来られると、観光公害なども発生するわけで、嫌悪感をあらわにする地元の方がおられます。
何に価値を感じるかは人それぞれなのに、自分の感覚が正しい、極端に言えば正義と感じて異なる感覚を排除しようとします。
外から人が来てお金を落として欲しいけど、自分たちの迷惑にはなって欲しくない、と自分の都合の良い客を求めます。
自分たちの持つ資源について過大評価もいけませんが、いささか過小評価が過ぎるのでは無いか、と思うことがしばしばでした。