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能動経済 インテリとインテリネットヤンキーはなぜ揉めるのか?〜落合陽一・堀元見「誹謗中傷論争」と東浩紀氏

 2024.8.30日現在、私と微妙に近い界隈と落合陽一さんとの間で争いが起きている。今表面的には解決したとされているが、周囲は納得できてない部分も多いようだ。 
 どのような争いかというと、2024.8.29日、Xのタイムライン上で落合陽一さんと堀元見(ほりもとけん)という人の間で熾烈な長文でのレスバトルが勃発した。そこに双方のフォロワーや関係者も集まってきて、YouTube、noteなど他のプラットフォームも絡み結構な騒ぎとなった。
 堀元見という人物は、YouTuberで作家、池袋で「ゆる学徒カフェ」という実店舗も営んでいる。

 YouTubeの登録者は29万人、光文社や徳間書店など大手出版社からも書籍を出してヒットも飛ばしている。
 よく似た人で思い出すのは私がチャンネルに出演させてもらった「えらてん」さんだ。
 彼もYouTubeをやっていて書籍を出しリアル店舗を経営している。
 2人は友人関係だそうだ。

 最後の画像で分かる通り、私と微妙に近いと言ったのはこういう事だ。六次の隔たりとはよく言ったもので世界は小さい。it’s a small world である。
 私はこの堀元見氏を全く知らなかったのだが、まず身近な古田更一くんがXやYouTubeで取り上げ、「なんだろう?」と見てみるとえらてんさんが取り上げていた。調べてみると面白いので私は昨夜TikTokとYouTubeショートで踊って動画を出した。
 そして今このコラムを書いているわけだ。


 昨日アップしたショート動画は去年経済学者成田悠輔氏が「老害は集団自決せよ」で炎上した時に出して「成田ガール」などと言われて大炎上した動画の第二弾のつもりだ。別にどちらも炎上を狙った訳ではなく、単純に仲良くして欲しいというメッセージが込められている。

 私がこの争いを取り上げる理由が分かって頂いたところで本題に入る。
 この争いは堀元氏の落合陽一さんを扱った発信が、「誹謗中傷であるか?」が争点だと言える。実際過去に堀元氏は落合陽一氏が出演したニュースピックのYouTubeを茶化し(皮肉を込めて批判し)、ニュースピックから訴訟をちらつかせて削除するよう圧力をかけられたという。
 身近な人で、これとよく似た事件が、古田くんが東浩紀氏に訴えられそうになった一件である。古田更一くんと初田龍胡くんがYouTubeで東浩紀氏の「ゲンロンカフェ」の入り口で包丁を出す動画を出した。そしてサムネイルなどで東浩紀氏の写真を使った。その事で東浩紀氏が古田くんに訴訟をちらつかせ様々な条件付きで和解を迫った。あの一件は「動画で古田は包丁を出したから訴訟されても仕方ない」という意見もあるが、私は彼の発信内容を見れば危険性がない事は理解でき、過剰に反応した言論弾圧に近いと今でも思っている。少なくとも今後一切「東浩紀」という固有名詞を扱ってはならないなどという事を約束させるというのはやり過ぎだと思う。ちなみにこの一件は口外するなという条件もつけられているらしい。今回ここで私が公表してしまったが、これは私の一存であり、古田くんは悪くない。私に口外したのもコラボライブなどで私が東氏の名前を古田くんが出てる時に出さないようにするために仕方なく私に話したのである。


 今回このように公表した事については東浩紀さんは古田くんに抗議せずに私に抗議するようお願いしたい。訴訟は勘弁して頂きたいが。

 さて今回の堀元氏の落合陽一氏に関する発信も、かなり「不謹慎」だと聞く。有料note のため見る事は出来ないが、その有料note の長年の読者だというえらてん氏によれば、「不謹慎で笑える」コンテンツだという。私は今回のこの一件を私が取り上げるにあたり、友人であり「不謹慎系YouTuber」である古田更一くんと東浩紀さんの一件を出さずにはきちんとした論考が出来ないと考えた。この事例が一番好例だし、私が考えるに至った経緯として避けて通れない。古田くん自身は東氏との約束があるので言及出来ない。私がするしかないのだ。いや逆に私だからできる。むしろ私しか出来ないと言える。

 堀元氏は去年出演した街録チャンネルでこう言っていた。
「知的にふざけるという事を、日本のインテリはしないんです。難しい事しか言わない」
 私も以前からそう思っていた。日本のお笑いは反知性だと。勉強ができる人を「根暗」「チー牛」とバカにする。欧米人のようにインテリがジョークをいう文化もない。萌えアニメばかりで「サウスパーク」のように風刺の効いたアニメなどのサブカルチャーもない。「茶化す」「皮肉る」「ブラックジョーク」という文化が全くなく「不謹慎」と断罪される。俳優もミュージシャンも怖くて誰も政治について茶化すどころか発信する事さえ出来ない。

 ここで多くの人の「ここは日本だ」という反論が聞こえてくる。たしかにここは日本だが、もう海外のコンテンツが流入してきて何十年経つのだろう?48歳の私でさえ、ハリウッド映画や海外ドラマを観て育ったし、エディー・マーフィーやウィル・スミスの人種ネタジョークを小さい頃から好んで観て爆笑していた。ネットが普及してからは「サウスパーク」だって「サタデーナイトライブ」だって簡単に観られるし、影響も受ける。「ここ」が日本だろうとだ。

 しかし私はここで落合陽一さんや東浩紀さんが皮肉や風刺も理解できない堅物だと非難したい訳ではない。誰だって彼らのような不謹慎な発信の矢面に立たされれば恐ろしい。なぜなら彼らに「サウスパーク」やエディー・マーフィーのような腕はない。はちゃめちゃな罵詈雑言と区別つかないような発信で仲間と一緒になって嘲笑おうとしてくる。これは彼らがエディー・マーフィーより未熟だからではなく起源が「2ちゃんねる」だからなのだ。

 日本の言論人やお笑い芸人に「エディー・マーフィー」が起源だという人はほとんど居ない。冷笑、皮肉、不謹慎な言説をする人のほぼ全員は「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」の影響を受けた「ひろゆきキッズ」である。

 ひろゆきというと「論破」文化として私も批判してきたが「不謹慎」の系譜も元を辿るとひろゆき氏に行き着く。
 今調べている「サイバーハラスメント」の海外事例を見ても「4チャンネル」といった2ちゃんねるから派生した掲示板がハラスメントの舞台として出てくる。

 私はここではっきり線引きしておきたいが、ネットの匿名性、不謹慎で自由な発信の文化は尊重するが「性的な誹謗中傷(ハラスメント)」は全く別だと考える。それは批判精神ではなく差別に由来するからだ。その人を批判する時に女性性を出してくるべきではない。ましてや私が受けた「もとこさんはセックスばかりしている」などの誹謗中傷は事実と違うし私の発信とも全く関係ない。

 ニコ動の「弾幕」や2ちゃんねるの「スレッド」「板」文化は石玉混合ながらも光るものもある。全てを「誹謗中傷」と言って無くしてしまうのは間違ってる。
 インテリのお育ちの良い方たちはびっくりしてしまうだろうが、これがひろゆきが作った日本のネット言論なのだ。ひろゆきが悪いとかではなく、ひろゆきが作ったプラットフォームがここまで大きく育った。そしてその中には泥の中に咲く蓮の花のように輝く才能も花開きつつあるのだ。それがえらてんであり堀元見であり古田更一、陽キャ哲学といった新興ネット言論人たちだ。

 今回落合陽一さんと堀元さんが表面上とは言え仲直り出来た事は大きな一歩である。東浩紀さんと古田更一くんには出来なかった。しかしこういうものも段階が必要だ。最初から上手くはいかない。2人は貧乏クジを引いたのかもしれない。

 ここからインテリとひろゆきキッズのインテリネットヤンキーたちが対話を開始し、日本の論客たちの多様化とレベルアップが始まる事が予感される。落合さんと堀元さんの一件で私の胸は明るい未来の始まりに高鳴っている。
 そしてその先にはそれぞれが見据えるシンギュラリティ以後の世界が広がるのだが、その話はまたの機会に譲ろう。

読了お疲れ様でした。