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ヒンバス釣りはほろ苦さとともに(ポケモンルビサファ20周年)
今日、11月21日はポケモンルビー・サファイアが発売されて20周年。
本日で #ポケモンルビーサファイア20周年🎉✨
— 【公式】ポケモン情報局 (@poke_times) November 21, 2022
みなさんの印象に残っているシーンはなんですか❓#ポケモン情報局 は…
ひみつきちのもようがえをしたり、ポロックを作ったり、コンテストに出場したり、マボロシじまを探したり、カラクリやしきに挑戦したり、ヒンバスを探しに何度も何度も釣(文字数) pic.twitter.com/Dc0Mh2ZJMp
ヒンバスを探しに何度も何度も釣(文字数)
確かにすごい釣った。小学校の頃、何日もかけてヒンバス釣りをした記憶がよみがえる。
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「ミロカロスというきれいなポケモンがいる。ヒンバスというポケモンから進化するらしい。」
そんな情報をつかみ、友達であるみーちゃん(仮名)とともに「ヒンバス捕獲大作戦」を立ち上げた。
どうやら119番道路で釣りをすれば捕まえられるようだ。しかし、釣れるのは119番道路を流れる長い川のうち、たった数マスだという。
シナリオクリアもそこそこに、ヒンバスゲットを目指してひたすら釣りをする日々。
たとえヒンバスが釣れるマスであっても、ランダムでコイキングが釣れる可能性がある。だから、一か所で3度ほど釣りをし、ハズレであれば次のマスへ移動する。
しかも「つれないなぁ」のときもある。この場合、何かしらが3匹釣れないと、そのマスで延々と釣りを続けなければいけない。
学校が終わるとポケモンを立ち上げ、ひたすら釣りをする日々が続いた。
ちなみに、みーちゃんは速攻で諦めていた。いや、もうちょっと頑張れよ。
さらに、我が家には小学生は10時には就寝するというルールがあった。
(話が脱線するが、そのルールのおかげで、当時の女子の間で大流行りしていた松本潤版『ごくせん』をリアルタイムで観ることができず、悔しい思いをしたのを覚えている。なので私には赤西・亀梨版の『ごくせん』の印象ばかりが残っており、初代『ごくせん』=赤西・亀梨だと思ってしまう節がある。)
そんな小学生の私に許されたゲーム時間は、学校が終了し、そろばん塾やピアノなどのお稽古ごとがが始まるまでの時間。
みーちゃんがヒンバス一本釣りチャレンジから早々と脱落し、限られた時間で孤独な戦いを続けるわたし。
ただ、「牧場物語GB2」のおかげで、ひたすら釣りをすることには慣れていたことだけが唯一の救いだったのかもしれない(冬の期間は作物が育たないので、釣りゲーと化するのである)。
もはや、なんのゲームをしているのか。
延々と釣りをする日が数日続き、ようやくヒンバスを捕まえたとき。その日の喜びようといったらない。
1匹目を見つけたときの驚きと喜び。捕まえられたときの安堵感。2匹目が釣れたときの「夢じゃない!」という感覚。
これまでの苦労は無駄じゃなかった。わたしはなんて特別なポケモンを捕まえられたのだろう!
ヒンバス2匹を携えて、みーちゃんに報告をしに急いだ。最初に捕まえた1匹はわたしのヒンバスで、もう1匹はみーちゃんのヒンバス。そのときは厳選なんて知らないから、2匹いれば十分だった。
意気揚々と報告するわたし。興奮しながらヒンバスを交換するふたり。受け取って笑顔を見せながら喜ぶみーちゃん。
良かった、ヒンバスは実在したんだね…!
その後、わたしは無事に捕まえたヒンバスをミロカロスに進化させた。かわいい。うつくしい。うれしい。
そんな充実感あふれる日々を送っているなか、ふたたびみーちゃんと遊ぶ約束をした。当日、みーちゃんは得意気に、ゲーム内のポケモンあずかりシステムのボックスを見せてくれた。
そこにはボックス上限30匹、限界までヒンバスが存在していた。
えっ????
みーちゃん、これどうしたん?????
詳しく聞くと、わたしがみーちゃんにあげたヒンバスは、そのまま育て屋さんに連れられていき、メタモンという相手を得て、大繁殖したのだという。
感動のなかで釣り上げたヒンバスは、いつの間にかたくさんの子どもをもつ、肝っ玉母さん(or 父さん)になっていたのである。ビックダディもびっくりよ。
当時はなんとも言えぬ気持ちで、その光景を眺めていたが、いまようやく言語化できたところでは、「1匹捕まえるのは大変だったのに、繁殖するのはこんなに簡単なのか」というやるせなさと、「わたしが釣り上げた感動的な出会いをしたヒンバスが、たくさんのヒンバスに埋もれる」というわびしさが心の中を駆け巡ったんだと思う。
当時の純粋無垢なわたしには、そこそこのインパクトを与えた出来事であった。
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今となっては笑い話ではあるけれども、私の中ではヒンバスをめぐる努力とほろにがさからなる物語が、ずっと記憶の片隅にある。
その後、みーちゃんとは別々の進路を歩み、気づけば疎遠になり、今となっては連絡先も分からない。
ただ、あの日釣ったヒンバスとその大家族たちが、ヒンバスとして幸せな生を送っていることを願うばかりである。