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ムビナナの円盤発売によせて愛と感謝を伝えたい
気づけば自分は、大変内向的なオタクである。
大好きなコンテンツに浸り喜びを噛み締め、特に誰かと感想を共有することもせず、自分の胸のうちにひしひしとクソデカ感情を養い、いつの間にか推しに対する感情は凝結し結晶化している。気づいたらそこにはオタクとしての思いがまるで宝石のように……といえば聞こえは良いが、ただのめんどくさくてこじらせている人間である。
だがそれもここ2年半くらいの話である。元々は、本と漫画が好きで、ごく普通の日常生活を送っていた人間であったはずなのに、この2年半の月日を経て気付けば立派なオタクに成長した。
何故か、どうしてか、責任者はどこか。
己の責任者は己しかいないので、責任の所在を問いただすのは無意味であるが、理由はひとつである。IDOLiSH7である。
2021年の春に唐突に夢中になり、アプリゲーム内のストーリーを見て心を打たれ、ほしい衣装のために幾度となくガチャを回し福澤諭吉とグッバイ宣言を交わした。往復3時間の通勤時間では、延々と自作のアイナナプレイリストを聴き続け、ライブのDVDの予約が開始されれば速攻でカートにダンクを決めこみ、抑えきれない気持ちを誰が見るわけでもないnoteに書いては発散させるなどした。
しかし、内向的なオタクにはひとつ、とても高いハードルがあった。
ライブへの参戦である。
IDOLiSH7はとても魅力的なコンテンツであり、その魅力は多岐にわたる。しんどいストーリーに素敵なキャラクター、ゲーム内の多様なイベントやきらびやかな衣装、企業との素晴らしきコラボ案件等々。そのなかでもわたしは彼らの音楽が大好きで、その日の気分に合わせ曲を聴き、その一曲一曲にまつわるエピソードに思いを馳せ、彼らの歌声に感極まり、完璧な歌割りにおののき、歌詞の意味を考え精神をやられたりしている。
先にも、通勤往復3時間で延々と曲を聴き続けていると書いたが、そうでなければ大嫌いな会社に行くための時間をやり過ごすことなんてできない。もはや彼らの曲は精神安定剤と言っても過言ではない。ていうか通勤時間3時間て何なの?バカなの?そんな会社やめちまえ。
そんなIDOLiSH7の曲が大好きで、会社に対してやや反抗的なオタクである私だが、ライブ参戦へのハードルがめちゃくちゃ高い。
何故なら内向的なオタクだから。
ライブでは、ペンライトを振ったりコール・アンド・レスポンスをしたり、壇上のアイドルとファンたちのコミュニケーションの場である(アイナナで学んだ)。ファンがとてもライブを楽しみにしているように、アイドルたちもまたライブをとても楽しみにしているのである(アイナナで学んだ)。
そんな神聖な場に行って、なにができるというのか。ペンライトなんて今まで持ったこともない。Official髭男dismが大好きでなんかイキったライブレポートnoteも書いたこともあるが、どんなに自分では楽しくても、申し訳程度に手をちょびっと上げて、誰にも聞こえないように小声で歌を口ずさむしかできていない。
そんな人間がキラキラアイドルのライブに行ったらどうなるか。ペンライトをぎゅっと握ったまま、微動だにできずただただ感動の涙を流す、感情めためたカチコチオタクが爆誕するだけである。というか、アイドリッシュセブンのライブ初参戦となったオプナナのライブに行ったときは、実際にそうなった。
繰り返すが、ライブはアイドルとファンの相互コミュニケーションの場である。そんな大切な場に、私ごときがノコノコと参戦していいものか。そんな葛藤が頭をよぎる。
そんな内向的オタクの元にやってきた朗報。それがムビナナこと『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』の開催決定である。
映画館で、彼らに会える。そして通常上映と応援上映の両方がある。静かに彼らの勇姿をかみしめて見守ることもできるし、あらかじめ通常上映でイメトレをして応援上映に臨み、ぎこちない手つきでペンラを降るという挑戦をしてもいい。
しかも、そのライブを見たいときにいつでも映画館で見ることができる!
なんて素敵なライブコンテンツでしょう。五体投地して感謝と敬意を全身で表現しよう。ありがてぇ、ありがてぇ。
奇しくも、ムビナナが公開された2023年5月から千秋楽を迎えるまで、仕事が鬼のように忙しく、家と職場を往復3時間かけて行き来しながら、プライベートではなにも考えたくない一心でティアキンをプレイする「無」のタイミングだった。自分の想いを言語化することもできず、noteの更新も全くしなかった。
そんなときの支えがムビナナだった。「あ、この日、映画見に行けそうだな」というタイミングで、TOHOシネマズのオンラインサイトに駆け込み、自分の体調とテンションに合わせて通常上映/応援上映を選択し、大好きなアイドルを浴びに行った。
応援上映もはじめは緊張したが、通ううちに自ずとペンラが振れるようになった。ペンラ降るの、たのしい。ペンライトってもしかしたら、神が作りし気分上々テンション爆上げ三種の神器のひとつなのでは?
何よりも、楽しそうに歌い、語りかけてくれる16人のアイドルが本当に素敵で。あっちこっちでファンサしたり、メンバー同士でわちゃわちゃしたり、華麗なステップのダンスパフォーマンスを見せてくれたり、心に迫る歌をうたってくれる。私は確かに、ムビナナを見てるときに「尊い」という言葉の本当の意味を理解した気がする。みんな最高。みんなPerfect。みんなfabulous。みんなMarvelous。Big Love……。46億年の地球の歴史に乾杯……。
ムビナナのひと区切りとなった「千秋楽ウィーク」。わたしももれなく劇場を訪れた。たしか、MX4Dの応援上映だった気がする。何回も何回も通ったムビナナ。ここまでくれば、ペンラだってノリノリで振れる。なんなら、Re:valeの『Journey』の振り付けだって一緒に踊れる。みんなで大きなハートつくろうな……。
そしてふと思った。わたしはなんて素敵なコンテンツに出会えたのだろう。こんなにも夢中になって、楽しくて、嬉しくて、あんなに内向的だったのに今は笑顔でペンラを振って、アイドルに声援を遅れるようになった。アラサーにして自分を良き方へ向か合わせてくれる存在を見つけられるなんて、なんて幸せなんだろう。
ムビナナはもはや、私にとって幸せの代名詞かもしれない。
そんな『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』が円盤になって、本日家に届くという。家に幸せが来るよ。そんなの、とんでもねぇハッピィ野郎になるしかないじゃん私。
家に帰るのがとても楽しみ。今夜はエンドレスで、ムビナナを浴びような……。