頑なに運用を拒む人
私が勤めている会社には401kがあります。導入されたのは15年くらい前でしょうか。最初の頃はあれこれプランの変更をしたりもしましたが、この10年くらいはずっと「外国株式型INDEXファンド:70%」「日本株式型INDEXファンド:30%」の割合で積み立てており、スイッチングもせずにほったらかしにしています。
久々にサイトで残高を確認してみたら、設定来の年平均利回りは5.22%、会社と自分が拠出してきた拠出金合計の1.5倍以上の残高となっています。一時期、債券型にシフトした時期があったため、その間の成長が鈍くて利回りは私が目指している6%には届いていませんが、コロナショックの後、世界中の株式の上昇とともに、その恩恵を全面的に受けてきたと思います。
会社の401kは、究極のドルコスト平均法と言えます。株価が急落して不安になっても解約はできませんし、給料から天引きされる毎月の拠出(マッチング拠出)も止められません。
どんな株価になろうとも、機械的に、無慈悲に、コンスタントに買付をしていく401kは、長期的な視点で見れば、私たちの資産形成の大きな味方です。
一方で、私の会社の同僚に聞くと、401kをほぼ利息ゼロ(0.002%)の定期預金型のファンドに配分している人がほとんどです。私が仕事柄、401kの話を誰かとしていると、特に女性社員に聞き耳を立てている人が結構いて、時には「全部、預金型なんだけど、どうしたらいいかわからなくて・・・」と悩みを打ち明ける人もいます。
そういう行動を起こす人はまだいいのですが、聞こえていても聞こえないフリをしている人もいます。そういう人は「401kは将来の大切な老後資金だから運用などせず安全に行くのが一番」と思っているんでしょう。
しかし、定期預金タイプのほぼ金利ゼロ(0.002%)のファンドに自分の大切な老後資金を託しているということが、逆にリスクであるということに気づいていないのがとても残念。
このようなファンドは、積み立てた元本はほとんど増えませんので、何十年後もほぼ元本と同じくらいの資産にしかなりません。額面は増えもしないし減りもしない。しかし、物価の上昇とともに実質価値は年々低下していきます。
物価上昇率が1%だと、100万円は20年後には今の80万円位の価値です。物価上昇率が2%だと、さらに65万円位の価値にしかなりません。ここがわかっていないわけです。
物価の話をすると、「そんなに物価は上がっていないじゃない!」という人がいますが、物価は間違いなく上がっています。我が家の近くの立ち食いソバは、10年前に350円だった天ぷらそばが今では430円。また、値段は一緒のように見えて内容量が減っていたりする。スーパーなどは、もともと特売などで個々の値段がわかりにくい。
「物価は上がっていない!」という人は、凄まじい企業努力の結果で値段が据え置かれているファストフードなどの値段を基準にものを考えていますが、裏返せば、自分に都合がよい部分しか見ていないのです。
なので、安全と思っている資産が、長い年月の間に確実にその価値を落とし続けている(蝕まれている)という事実に気付かなければいけません。そして、自分の資産に運用を取り入れて世界経済の成長を享受するということに踏み切る必要があると思います。
なお、私の401kを含めた積立投資の残高は、私が1か月会社で働いて受け取る月給よりも多く増えます(もちろん、その逆もある)。減ったとしても、安い価格で強制的に購入させられますので、口数が増えて長い目で見れば問題なし。
ということを言うと、周囲は「え~!」とか驚きますけど、積立投資している人はみんなそんなものだと思います。
(-。-)y-゜゜゜
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