サイコロ話法
以前に投稿したサイコロ話法を実際に使うとしたらどんな感じになるかな~と考えてみました。1対1の商談でも、セミナー講師でもよいのですが、お客様に「そうだね。その通りだね。ちょっと詳しく教えてよ」と言っていただくためにはどのようなシナリオが良いかを吟味してみます。
私「今日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます」
客「いえ。でも・・・私は生命保険にはもう加入していますので、お話を聞いてもこれ以上は加入できませんよ」
私「どうぞ、そのあたりはお気になさらずに。10分ほどお話を聞いていただき、もう少し詳しくお聞きになりたいなとお感じになれば続けさせていただきますが、自分には関係がない、と思われたらそうおっしゃってください。その際は、すぐにおいとましますので。」
客「そうですか・・・」
私「(ポケットからサイコロを2つ出す)突然なんですが、ここにサイコロが2つあります(といってピンゾロの目を出して置く)。2つの目の合計がいくつになるか当てるゲームがあるとします。その中で、合計が2になる、いわゆる『ピンゾロ」』というやつなんですが、これが出る確率はどのくらいかご存じですか?」
客「?」
私「サイコロの目は6通り。それが2つありますので6×6で36通りとなりますが、例えば「2・3」と「3・2」は同じなので、36を2で割って18分の1が正解なんです。」
客「・・・」
私「つまり、ピンゾロが出る確率というのは18分の1、パーセントでいうと6%ということなんですが、6%の確率って感覚的に高いと思いますか?低いと思いますか?」
客「そうねえ、そんなに高いとは思えないですね」
私「そうですか。では、サイコロを1回だけ振って、ピンゾロが出たら掛金を1000倍にしてお返します、というゲームがあったら、お客様は参加したいと思いますか?」
客「それは6%しか当たらないってことですよね?」
私「はい。6%の確率で当たりますが、裏返すと、94%の確率で掛金は没収されます」
客「それだったら参加しないかな・・・よほどお金に余裕があれば別だけど」
私「なるほど。では、サイコロを2つ振って目の合計が3~12だったら掛け金が2倍になります、というゲームがあるとします。そういうゲームだったら参加してみようと思いますか?」
客「それって、ほぼほぼ当たるっていうことですか?」
私「そうですね。18分の17の確率で当たるということになります。要するにピンゾロが出たら負け。それ以外はすべてお客様の勝ちということです」
客「それなら参加するかな」
私「お答えいただきありがとうございます。実は、今お話ししたゲームは、生命保険の本質をとらえているお話なんです」
客「?」
私「どういうことかというと、お客様のような30歳の男性が60歳までに万が一のことがある確率というのは約6%、つまり、サイコロを2つ振ってピンゾロが出る確率とほぼ同じなんです。一方で、残りの94%の方は60歳を迎えられ、老後生活を送るという計算になります。」
客「ふうん。そうなんだ」
私「先ほど、お客様は『6%の確率は高いとは言えない』とおっしゃっていましたよね。そして『94%当たるゲームなら参加してもいいかな』とおっしゃっていましたよね。生命保険でいえば、60歳までに若くして亡くなってしまう場合の保障と、人生100年を生き抜いていくお金の準備を考えたときに、お客様としてはどちらが重要だと思いますか?」
客「う~ん。そりゃ、人生100年っていうハナシなんでしょうけど、万一のこともあるかもしれないから、どっちも重要ですよね」
私「はい。そうですよね。お客様のようにお子さんがいらっしゃる方ですとなおさら、そうお感じになると思います。おそらく、お客様は生命保険にはすでにご加入されている、というお話だったので、毎月、少なくない掛金をお支払いになっていると思うのですが、その掛金が、6%の確率の方にたくさん回っているのか、94%の方にたくさん回っているのか、という点は確認されたことはありますか?」
客「いや、そういう観点で保険を見たことないですね」
私「そうですか。もし、お客様の貴重なお金を、ピンゾロが出ることを期待してたくさん払っているようだったらどう思いますか?」
客「う~ん。そう言われると、どうなんだろう・・・」
私「今日、私がお話ししたかったことは以上です。もし、お客様がご興味があるようでしたら、お客様が毎月払っている生命保険料の内訳が、ピンゾロにたくさん払っているのか、ほぼほぼ当たる方にたくさん払っているのかの分析でしたら5分もあれば簡単にできます。そのうえで、ちょっとどうかな?とお感じになるようでしたら、お客様のご意向に沿う形の生命保険の提案も可能です。とはいっても、すでに生命保険にはご加入されているということでしたので、そのご担当者に見直しを依頼していただくのでも結構です。」
客「そうなんですか・・・。どうしようかな・・・。」
私「では、今日のお話をご自身や奥様ともよくお話になっていただき、続きをお聞きになりたい、ということでしたらご連絡ください。今日はこの後もお約束が入っていて・・・なんでしょうね・・・最近、大切なお金は有効に使いたい、という方が多いんでしょうか・・・なんとなく払ってきた生命保険料が本当に自分のためになっているのか悩まれている方が多いようなんです。人によって、考え方はいろいろなので、60歳までに万一のことがあってピンゾロが出るかも、と考えてたくさんのお金をかけるのも一つ。いやいや、さすがに60歳は迎えるでしょう、という考え方も一つ。こればかりはお客様が60歳を迎えたときにしか回答はありません。」
客「・・・」
私「では、ここらでおいとまさせていただきます。今日はお時間いただきましてありがとうございました。」
客「・・・ちょっと、待ってもらえませんか?」
こう、うまくいくかな・・・(-。-)y-゜゜゜
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