世界中のトレーダーは、AIトレーダーに駆逐されてしまう?投資家・トレーダーにとって読書は外せない!
あんなことイイな、できたらイイな♪ドラえもんのポケットから出てくる便利なひみつ道具の数々は、昭和世代の子供たちに夢を与えるものでした。そんなSF世界が、みるみる現実化しています。
時間を掛けることなく、人の手を煩わすことなく、機械が自動的にやってくれる未来は素晴らしい!ただ、それは人間の能力がAIの性能に比べ、まだ上位にあるという傲慢さなのかもしれません。
今や生活面では自動車をはじめ医療分野、文化面では囲碁や将棋に至るまであらためて世の中を見回すとあらゆる面でAIの活用が著しくなってきています。ただ一方では、便利さゆえの歪みや錯誤が、人々を危険に晒しているという見方もあります。
最近もあまりに秀逸すぎる小学生の読書感想文が、実はAIが書いたものだったと話題になりました。これまでのものなら、小難しい文章表現が子どもらしくないと、その違和感ゆえに判別できたというのですが・・・、すでに技術は加速度的に進化していて、例えば、小学生、中学生、社会人という具合に年齢相応にモード指定できるようになったらしい。実際、大学生が作成したレポートともなると、AIを使ったかどうかの判定が難しく、大学側も頭を悩ませているとのこと。
かつて文章作成のスキル向上のひとつとして、中学や高校の教師は読書を薦めてきましたが、もはや書く必要がなくなろうとしている時代にその指導法が今後どれだけの学生に響くでしょうか。
そのような類の話を矢継ぎ早に耳にすると、諸手を挙げてAI大歓迎とは言いづらいものです。AI技術によって失われる職業が増えるという社会的な懸念も台頭してきています。
そして、実はトレーダーという職業はその代表格です。米ゴールドマンサックスでは、ピーク時には600人いたトレーダーがわずか2人になり、その代わりに200人ものITエンジニアを新規採用した、そう報じられたのももう6年以上前の話です(汗)。
もはや世界中のトレーダーは、AIトレーダーに駆逐されてしまうのか!?ご安心ください。その可能性は極めてゼロと考えていいでしょう。AIトレーダーがどれほど賢くなっても、株価の動きを100%的中させるのは不可能です。なぜなら、株式市場は心理戦だからです!!
そもそもデータとは活字や数字そのものであり、AIがそこに含まれる意味を理解する力は懐疑的です。例えば、ある企業情報に「財務基盤を強化」とあった場合、あなたならポジティブな印象を持つでしょう。しかし、AIはネガティブに捉えるかもしれません。強化ということは財務体質が良くない、そのように判定する可能性があるからです。
さらにいうと、これはあくまでも極論ですが、仮に世界中のトレーダーが全てAIになったとしましょう。トレードの運用成績を上げていくためには、他のAIを出し抜かなければなりません。
そのためには新しくプログラミングしたり、アルゴリズムを組み換えたりする必要が出てきます。ですが、改良後しばらくは勝率が上がっても他AIもさらに改良を加えてくるでしょう。その都度、人の手が介入するという無限ループは、心理戦以外の何ものでもありません。
トレードの世界ではAIより人間に優位性がある!?トレードのスキル向上のために、投資家心理を理解するために、まだまだ投資家・トレーダーにとって、読書は外せない価値がありそうです。