売却した実家の住宅ローン金利は8%からスタートした
住宅ローン審査は心の傷となる
お客様はマイホーム購入に夢を見ており心から楽しみにしている。自分が住むであろうマイホームと共に過ごす自分の未来を想像することはとても楽しい。
私の親もきっと同じ気持ちであっただろう。今回その実家である自宅を売却した。理由は親が腰の骨を折ってしまい車椅子生活となり、実家に住むことができなくなったためです。
昔の家で玄関の階段も私でさえきついと感じるくらいで歩けない母にとって家があっても一歩も入れない、出れない状況になったので売却することとした。
実はこの家に私は5年しか住んでいない。そういう意味ではあまりこの家自体に思い入れはない。しかし違う意味でこの家には想い出がある。それは審査は通らなかった想い出です。
1度も支払いに遅れたことはなかったのに
高校3年の時のことなのでもう40年くらい前のことです。バブルの恩恵があったかはわかりませんが風呂もないアパートに住んでいた我が家もマイホームをという状況になってきました。
マンションにするか、それとも一戸建てにするか。
ああでもない、こうでもないと行き着いた答えは一戸建てにしようということでした。購入を決めてしばらくあったある日、母がボソッと言いました。
『なんで1度も支払いを遅らすようなこともなかったのに審査が通らないの』
そう、住宅ローンの審査が通らなかったのです。40年経った今でも覚えいるのでそのくらい母は落ち込んでいた姿だったのでしょう。
これはとても傷つく。どんな理由があろうとも何年経っても心の傷として残ってしまう。それからことあることにこのセリフを聞いた。そんな経験をした人は多くはないとは思うが私は高校生の時にしてしまった。
クレジット会社が救ってくれた
今でいうメガバンクの審査は通らなかったが不動産屋さんからの紹介でクレジット会社の審査が通ったので無事に買うことができた。母はとても嬉しそうだった。
実家の片付けをしている時に最初に住宅ローンの返済予定表らしきものが見つかった。金利は8%を超えていた。しかしそれでも良かった。念願のマイホームを手に入れることができたのだから
そういう意味では母にとってはあの家はとても思い入れのある家だったに違いない。家族の思い出はあの家と共に歩いてきたのだから。亡き父が死ぬ前に小さな紙切れに『あの家を頼む』と震える時で書いてきたくらいだから。
住宅ローン審査は夢の扉の入り口
実家を売却するに思い出といえば審査が通らなかったことしかない。今、自分の仕事が住宅ローン相談なのは何かの縁かもしれない。自分なら母をこんな思いにさせないで住んだのに
お客様でも同じ思いの人もたくさんいることでしょう。しかし住宅ローンの審査に通らないと夢と共に歩く未来へのスタートラインにも立てない。
しかし本当に立てないのか?
実際にやってみるとそんなことはないケースもたくさあることに気が付く。1人でも同じ思い出の人を増やしたくない。マイホームの思い出は夢があり楽しいものであってほしい。
そんなことを考えながら飛行機に乗って熊本に帰ってきた。また仕事が始まる