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考えてますか?長期投資の取り崩し戦略

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考えてますか?長期投資の取り崩し戦略

「人生100年時代」なんて言われていますね。
今まで以上に、退職あるいは再雇用生活に入ったりして、収入が減少してから過ごす、いわゆるセカンドライフが長くなることが想定されます。

だからこそ、自分の老後資金は自分で備えよう!ということで、
NISAやiDeCoなどの投資を始めましょう・・・というような話を、
あちこちで聞くようになりました。

なので、投資やNISA、iDeCoの始め方については、
書籍・テレビ・YouTubeなど、あらゆる媒体で入手できるようになっています。

ぶっちゃけて言えば、投資の始め方に関しては、
ちゃんとした情報がまとまっている入門書に出会って、きちんとその通りに実践していれば、大きな失敗はしにくい。
そんな状況になっています。

※私が執筆協力した本です。よろしければこちらもお読みくださいね💕


でもね・・・
始め方については良く見聞きするけれど、
終わり方、つまり、積立投資を続けた先に、どう取り崩していくか?
という話題って、あまり出てこないんですよね。


これには2つ理由があると思っています。

1つめは、「インデックスファンドに長期投資を続けて実際に取り崩し生活をしています!」というロールモデルが、ほとんどいないこと。

日本で投資環境が整い始めたのは、2017年~18年くらいです。
その前は、手数料が高かったり、そもそも投資自体のイメージが悪かったりと、いろいろな困難がありました。

なので、10年以上、航路を守って長期投資を続けてきました!っていう実践者自体が、まだまだ少ないのが実情なんです💦


2つめは、地味で引きが弱いこと(笑)
お金が増えます、資産が増えます。みたいな話は、ワクワクしますよね。

でも、実際にお金を使うフェーズになって、「果たしたもちこたえられるかどうか?」というお話しは、大事だけど、とっても地味です。
下手をすれば、頑張って積み立ててもこんなものなのか・・・とブルーになるだけかもしれません。


さて、正直なところ、実際の出口戦略については、
その時が近づいてきたら、資産全体のバランスなどを見ながら、
個別にカスタマイズをしていくことが大事だったりします。

それでも、大まかにでも先々のイメージが掴めていれば、
安心して資産形成が続けられますよね。

未来の安心材料が増えるということは、「今」抱える不安が減り、
「今」を大事に生きることにもつながります。
なので、とっても大事な要素なんです。


まず、老後やセカンドライフのことを考えていく上で、
頭に入れておきたいことがあります。

  • 「今」と同じような判断力や行動力が続くわけではない。

  • 資産が「減り続けるだけ」の状態は、メンタルに響く。

  • いつ死ぬかは、予測ができない。明日かもしれないし、110歳まで生きるかもしれない。

  • 「資産を使い切って死ぬ」は理想だけれど、現実には難しい。


こんなところです。
つまり、感情や不確実性という、数字上の合理性だけでは、どうしても解決できない要素が入ってきてしまうのです💦
それを踏まえて、計画を立てることが大事になってきます。

さて、具体的な数字を置きながらイメージしてみましょう。
40歳から60歳まで、毎月5万円を20年間つみたてると、
元本ベースで1,200万円になります。

これを、年率4%で運用できたとして、
ざっくり2倍の2,400万円になったとしましょう。


ちなみに、
72の法則で、72÷金利(%)≒お金が2倍になる期間 とされていますので、
利回り4%であれば、約18年間で2倍になるということになります。

そう考えると、20年後には倍の2,400万円になっているという仮定は、
そこまで無理なく、現実味がある数字と言えますね。

では、60歳の時点で2,400万円の資産ができていて、
「減るのが怖いから」という理由で、全部現金化したとしますね。

これを、毎月10万円ずつ取り崩すと、
240ヶ月、つまり20年間でゼロになります。

要は、80歳になったらゼロになる・・・ということですね。
どうでしょう、安心できましたか?
微妙ですよね。人生100年時代ですものね( ;∀;)


では、60歳の時点でいっきに取り崩さずに、
使う分だけ取り崩しながら、運用を続けていくとしたらどうでしょうか?

この結果を簡易計算をしたいときに使えるのが、「資本回収係数」というものです。
元本〇〇万円を、年利何%で運用しながら、何年かけて取り崩した場合に、毎年いくら使えるの?ということが簡易計算できる優れものです。

係数表で、年利4%で20年がクロスするところに書いてある数字を探すと、
0.07358と書かれています。

2,400万円×0.07358=176万5,920円となりますので、
12で割って月額に直すと、約14万7千円ということが分かります。

つまり、20年間で取り崩す場合の金額が、10万円から14.7万円にアップするということですね。

ちなみに、4%で30年だと、資本回収係数は、0.05783です。
2,400万円×0.05783=138万7,920円。
12で割って月額に直すと、約11万5千円です。

毎月10万円取り崩しの場合でも、
運用を続けることで、20年から30年へと、10年間も資産寿命を延ばすことができそうです。
90歳まで持ちこたえられると考えたら、ちょっと安心しませんか?


さらに、元本が減ることが怖いという場合には、
毎月〇〇円という定額を取り崩すのではなく、定率で取り崩すという方法もあります。
毎年4%のリターンが見込めるのであれば、毎年4%分だけ取り崩すようにすれば、元本の減りを抑えられるよねという考え方です。


ただし、この方法は、年によって使える金額が変動するのが難点です。
暴落期は取り崩し額が減りますし、人生の後半になるほど元本が減っているでしょうから、取り崩せる額が減ります。
その時々に応じて、支出をコントロールする必要がでてきます。

そう考えると、人生の後半になって判断力が落ちてくるときには、
なるべくお金の管理をシンプルにしておきたいですよね。


セカンドライフの中でも比較的若いうちは、
定率取り崩しで資産寿命をさらに延ばしつつ、
セカンドライフの後半戦は定額取り崩しに移行して、
年金+取り崩し資金の範囲内で暮らしていくというのも、1つ合理的な選択になるでしょう。

60歳から取り崩しという前提で計算しましたが、
これを65歳スタートにすれば、運用期間が5年延び、元本の積み上げも5年分増えますね。
そうすれば、さらに安定して資産寿命を延ばしながら使っていくことができそうです。

時間をかけて積立をしてきたのだから、
取り崩しも時間をかけて行うことで、分散していく。

そんな方法があるということを頭に入れておくと、未来も怖くなくなりますよ!

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