FPの私が学資保険に入らない理由
子どもの教育資金を貯める方法として、学資保険に入っている・入るのを検討している人も多いと思います。
「学資」保険ってとてもネーミングセンスが良くて、教育資金といえば学資保険!と考えてしまうくらい日本人には浸透していますよね。
毎日のオンライン相談でも、小さいお子様がいるママや妊婦さんからは必ずと言っていいほど「学資保険は入ったほうが良いのでしょうか?」「のぴこさんは学資保険入ってますか?」という質問をいただきます。
確実に・強制的に貯める、という点では学資保険も理にかなっているのですが…
結論から言うと、私自身は学資保険には入っていません。
理由は、せっかく保険で貯めるならもっと効率的な方法があるから。
学資保険ってどんな保険?
養老保険の一種なのですが
簡単に言うと、払った保険料の総額が子どもの進学の節目のタイミングで「祝い金」として戻ってくるイメージです。
例えば、保険料を積み立てて総額で300万円払う場合
12歳(中学入学):約100万円
15歳(高校入学):約100万円
18歳(大学入学):約100万円
という形で、積み立てたお金が戻ってくるのが一般的です。(このほかに、大学入学時や満期時に一括で受け取ることもできます。)
「約」としているのは、保険会社によっては少し色がついて増える場合があるからです。
私が学資保険に入らない理由①
学資保険で特徴的なのが、死亡保障が子どもにつくこと。
保険には「契約者」と「被保険者」がいて、死亡保険金が出るのは被保険者が死んでしまった場合です。
学資保険は
●契約者:親(や祖父母など)
●被保険者:子
なので、
●親が死んだ場合:それ以降の保険料の払い込みが免除される(=死亡保険金は出ない)
●子が死んだ場合:死亡保険金(=まだ受け取っていない祝い金の総額相当が受け取れる)が出る
ここで考えたいのが、
親としての精神的な苦痛や悲しみは一旦ここでは置いておいて
「子どもが死んだ場合、経済的に困る人はいるのか?」ということ。
一般的には、未就学児~学生の子どもが万が一亡くなってしまったとしても、経済的には困る人はいないはずです。
なぜなら基本的には子どもは家庭の労働力として数えられていないから。
一方で、学資保険の保険期間=子どもが大人になるまでの期間に親が死んでしまうと、これから進学する子どもはかなり困ってしまいますよね。
なので、子どもに死亡保障を付けること自体が歪(いびつ)だな、と思うのです。
私が学資保険に入らない理由②
二つ目の理由は、単純にあまり増えないからです。
返戻率が高めの保険会社でも、最大106%くらいです。
学資保険に医療の特約などをおすすめされる場合も多いので、担当者に言われるがまま入ると、返戻率が下回ることもあります。
18年間、頑張って払って最大でも6%くらいしか増えないとなると、投資信託などで積み立てたくなります。
それなら私はどうやって教育資金を貯めているのか
学資保険には入っていないのですが、実は私も保険で教育資金を貯めています。
それが、米ドル建て終身保険の10年払です。
10年間で保険料を払いきって、それ以降は一切支払の必要はなく、勝手に運用されて解約返戻金が増えていく仕組みのものです。
●契約者:親
●被保険者:親
にして、契被どちらにも子どもは絡ませません。
この教育資金の貯め方を私が気に入っているポイントは
①親が亡くなったら死亡保険金が出るので、養育期間中に私自身に万が一があっても子どもの教育費をまかなえる
②返戻率が円建てよりも高い(もちろん為替リスクはあるが、保険会社によってはドルで受け取ることもできる)
③教育資金で使わなかった場合、解約せずにそのまま放置していれば更に増えていくので、老後資金や住宅資金として好きなタイミングで使える
④人生で使うタイミングが無くて解約せずに死んでも、払った保険料のドル換算総額の2倍以上の死亡保険金を子どもに届けられる
単純に「教育資金を貯めたい」という目的なら預貯金や投資信託という手段もありますが、①の養育期間中の親の死亡保障を考えると、保険が向いていると思います。(養育期間中に自分や配偶者が死んでも、残された家族が生きていくのに十分な財産を既に持っていれば、投資信託などで増やしたほうが効率的な場合もありますが…)
ドル建て終身保険についての詳しいお話は、またいつかnoteに書きますね。
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