預貯金だけを持っていると、なぜいけないの?
預貯金にもリスクがある
「運用すると損することがあるけれど、預貯金では損はしないから安心」。そんな声を耳にすることがあります。
しかし、本当に預貯金は安全なのでしょうか? 損をしないのでしょうか?
私は預貯金に偏った資産の持ち方は、逆にとても危険だと思っています。
預貯金でも、損をしてしまうことはあります。気が付いたら、豊かさが失われていた・・・ということがありうるのです。
一番怖いのはインフレ=物価上昇です。
モノの価格が上がっていくことを、ちょっと想像してみてください。
1000円で食べていたランチが1200円に値上がりしたら?
5000万円で購入できていたマンションが6000万円に値上がりしたら?
1000円では同じランチはもう食べられません。
5000万円ではもう同じ品質のマンションは購入できません。
インフレとは、モノの価値が上がり、お金の価値が下がるということです。
ということは、預貯金だけを保有していたら、同じ豊かさを維持できなくなるのです。
通常、預貯金にも利息が付きますが、それはインフレ率を上回ることはありません。
インフレになったら、預貯金だけでは、今もっている資産価値を守ることも、豊かさを維持することもできないのです。
私たち日本人は、もっとこのことに敏感になる必要があるのではないでしょうか?
個人の金融資産の半分以上は預貯金
現在、日本の個人の金融資産は1900兆円以上あります。
1900兆円です!
しかし、その半分以上は預貯金で保有されています。
米国や欧州と比較しても、その割合は飛びぬけて大きくなっています。
出典:日本銀行 資金循環の日米欧比較(2021年8月)
少子高齢化、低成長の日本において、この1900兆円を超える個人金融資産は最後の宝かもしれません。
不安をあおるつもりはありませんが、もっと預貯金のリスクについて意識する必要があると思います。
インフレが起こっていないのは日本だけ
インフレを自分事に考えられなくなっていませんか?
今1000円のものが来年も1000円であることが当たり前になっていませんか?
私たちが住む日本は、ここ30年ほど物価がほとんど上昇していません。
しかし、数十年間もインフレが起こらなかったのは、世界をみても日本だけです。
出典:IMFデータより筆者作成
上のグラフは1980年を100として、各国の1980年~2020年までの物価上昇の推移を表しています。
2020年の数値が200であれば物価が2倍に、500であれば物価は5倍になっていることを意味します。それで見ると…
日本は直近40年間で、たった37%しか物価が上昇していません。しかも、1990年以降はほとんど横ばいです。
しかし、他の国を見てみると…
ドイツは2倍以上、米国は3倍以上、イタリアは5倍以上、物価が上昇しています。
このグラフからも分かるように、日本は数十年間、インフレをいうものを経験していないのです。
そのせいか、物価が上がると生活がどうなってしまうのか? お金の価値が下がるということがどういうことを意味するのか・・・?
これを本当に理解している人があまりにも少なくなってしまったのではないでしょうか?
資産分散でインフレに対抗する
インフレに対抗するには、インフレと同じくらい、またはそれ以上に上昇していく資産を保有するしか方法はありません。
では、インフレ時に同様に価格が上昇していく資産とはどのようなものでしょうか?
通常、それは株式や不動産、金などになります。
インフレになるかならないか…?
それはわかりません。
また、インフレになるかならいかは、個人の力でコントロールできることではありません。
では、自分でコントロールできることは何でしょうか…?
それは、どのような状態になったとしても対抗できるように、まずは自分の資産を分散しておくことではないでしょうか?
国内外の資産に分けて持つことが、資産価値を守ることつながります。
この考え方は、今後益々重要になってくると思います。
【まとめ】
・預貯金にもリスクがある
・インフレになると、お金の価値が下がる
・日本人は欧米に比べて預貯金で保有する割合がとても大きい
・30年間、物価が上がっていないのは日本だけ
・インフレに対抗するには、株式や不動産、金などの資産を保有すること
・資産価値を守るには、国内外の資産に分散して保有することが大事
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