50歳を過ぎているのですが、運用した方が良いのでしょうか?
こんなご質問をいただいたので、お答えしたいと思います。
まず、50代というのは、まだまだ現役です。
遅すぎるということはないと思います。むしろ、今からでもしっかりと資産形成をしていく必要があると思います。
ただし、投資に回すお金というのは、使う予定のないお金、つまり余裕資金です。
3つの財布でお金を管理
「3つのお財布」という考え方をご存じでしょうか?
1つ目の財布:生活費、万が一のためのお金。ここは、少なくとも半年~1年分くらいの生活費(毎月の支出額×6ヶ月~12ケ月分)を確保し、預貯金などで保有します。
2つ目の財布:この先5年くらいまでの間に使う予定のあるお金。例えば、住宅を購入するための頭金や子どもの入学金など。これは、あなたのライフプランによります。ここも預貯金や定期預金、国債など、元本割れしにくい資産で保有します。
3つ目の財布:使う予定のないお金。ここが運用に回しても良いお金です。
このようにお財布を3つに分け、必要な分をしっかりと預貯金等で確保していれば、50代であっても、60代であっても、資産運用を続けていく方が良いと考えます。
リタイアに向けた具体的な資産形成を
50代にもなると、リタイアまでの道筋がある程度みえてきているのではないでしょうか?
今後の収入の状況、退職金や年金の額などを確認し、具体的に試算してみましょう。
そして、リタイア後の生活費がどのくらいになりそうなのかも予測してみましょう。
今後積み上げられる資産の額と、リタイア後に取り崩していく資産額を試算し、今のままで大丈夫なのか、100歳まで資金がつきることはないか、確認してみるとよいでしょう。
以下の式で概算できます。
【①今後のプラス資産】
=現在の保有資産+毎月の収支×12月×(リタイアの年齢ー現在の年齢)+退職金の額
【②リタイア後の必要資金】
=リタイア後の毎月の収支×12月×(100歳ーリタイア時の年齢)
※リタイア後の毎月の収支=毎月の生活費ー年金月額
①≧②であれば安心ですが、①<②であれば、何らかの対策が必要です。
リタイア初期も、運用しながら資産を守っていく
60~70代はまだまだ皆さんお元気です。
もちろん個人差はありますが、一般的にリタイア後も10年程度は運用は可能でしょう。
ということは、現在50代の方は、まだまだ20年近くの時間があるということです。
リタイア以降は、今まで積み上げてきた資産を運用しながら使っていくことで、資産が減るスピードを遅らせる効果があります。
そして、やはりここでも資産分散と長期投資が基本です。
3つの財布の考え方でしっかりと必要額を預貯金などで確保していれば、50代であっても運用は必要だと考えています。
預貯金にもリスクがある
そして、もう一つお伝えしたいのは、預貯金にもリスクがあるということです。
インフレ(物価が上がること)になると、お金の実質的な価値が下がっていきます。
実はこれもとても大きなリスクなのです。
日本はここ30年ほど、インフレではなく、逆にデフレ(物価が下がること)が続いてきました。
デフレが続くと、お金の価値は自然と上がっていきます。
なので、今までは、資産を現金や預貯金だけもっていても、特に問題はありませんでした。
では、この先もずっとデフレが続くとは考えにくい状況なのです。
コロナ禍、世界の中央銀行は世の中にお金を供給し、経済を支えてきました。
つまり、今、世界ではお金がジャブジャブ状態です。
現在、米国では5%、6%のインフレが起こっています。
欧州も同様です。
日本だけがインフレが起こらないと考えること自体が不自然ではないでしょうか?
インフレに対抗するためには、株式や不動産などの資産を保有することが必要です。
なぜなら、インフレ時には、株式や不動産などの資産の価格も同様に上昇していくからです。
この先、インフレになるのか、デフレになるのか、円高になるのか、円安になるのか????
それはわかりません。
ただ、どのような状態になったとして、資産価値を維持していくためには、国内外の株式や債券に分散投資していくことが重要だと考えています。
人生100年時代と考えれば、50代はまだ折り返し地点です。
余裕資金は、しっかりと資産分散をし、運用を続けていく。
これが本当の意味での資産保全につながると考えています。
【まとめ】
・50代はまだ人生折り返し地点
・お金を3つの財布にわけ、余裕資金は運用する
・預貯金にもリスクがある
・国内外の株式や債券に資産分散することが、本当の意味での資産保全
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