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投資型クラウドファンディングは初心者向け?

最近広告が増えてきたように感じる投資型クラウドファンディング(以下クラファン)。
「投資初心者に向いている」、「少額から始められる」、「値動きがないから安心」、「難しいノウハウが不要」というような言葉とともに、新しい投資手法として2010年代から注目されていた覚えがあります。
かくいう私も、株式投資などと合わせてソーシャルレンディングで投資を行っています。

投資者としては、お金を出資して元本が償還されるまで分配金を受け取るだけという、手法が簡単でいかにも初心者向けに見えるクラファンですが、本当に初心者向けなのか?
結論としては少額投資である場合を除き、個人的にはあまりオススメできません。
ここでいう「少額投資」とは、1口が少額という意味ではなく、自身の資産全体に占めるクラファン投資割合が少額という意味です。資産が500万円ある人が50万円分程度クラファンするのは良いと思いますが、資産500万しかない人が400万円分クラファン投資しているのは「大丈夫か!?」と思ってしまいます。

クラウドファンディングとは?

インターネットを通じて不特定多数の人から広く資金を調達する方法である。

出典:非営利用語辞典「クラウドファンディング

資金を必要とする企業などがインターネットを利用して不特定多数の個人からお金を集める方法ですね。

投資初心者向け

投資者はただ一定金額を提供し、元本が償還されるまで分配金を受け取るだけなので、やることがシンプルですごく分かりやすく簡単明瞭です。お金を貸し付けて利子を受け取るだけなので、極端な話、元本保証がなく自由に引き出せないだけで銀行にお金を預けて利子を受け取るのと変わらない、というところが投資初心者向けと言われる所以でしょうか。
シンプルであることと、シンプルであることが初心者向けであるかどうかは別の話だと思っています。クラファンの場合はそのシンプルさから、「自分が何に投資していてどういった運用をどのような会社が行っているのか」が省かれていて、ハッキリとは分からなくなっています。
難しいことが省略されていれば誰でもできる、とは言えないのではないでしょうか。

少額から始められる

1口10,000円〜が多いクラファンですが、他の金融商品と比べて特別に少額かと言えばそういう訳でもないので、メリットとして挙げるものではないように感じます。

値動きがないから安心

値動きがないこともよく挙げられていますが、値動きが見えなくなっているだけだと思うのですが、どうなんでしょう?
例えば、不動産型クラファンに投資している場合、投資者にはその不動産の価値が分からないようになっているだけで、不動産自体の価値は動いていると思いますし、貸付型クラファンであれば、投資先の企業の株価や時価総額、純資産額などが変動しているように思います。
シンプルさの話と同様になりますが、省かれていて分からないだけなのではないかと。

むしろ上級者向け?

結論としては、初心者向けというよりむしろ上級者向けな投資手法なのではないかと考えます。
普段から他の投資をやっていて、そちらをやりつつ、銀行の利子では足りない部分について補完的に、面倒なことを丸投げでクラファンを使うといった活用方法が健全だと思います。
また、利用する際には出資額に気を付けたいものですね。周りに数百万円出資している人がいたとしても、その人にとっての数百万円の価値と自分にとっての数百万円の価値は必ずしも同じとは言えないからです。
自分の資産のうち10%を上限に出資する、というような転んでも擦り傷で済むような何らかのルールを決めて投資をすることが、どの手法においても一番大事なことだと思っています。

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