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ナウキャストが3年以内に実現したい、「データを扱う人が主役」の組織とは

こんにちは。ナウキャストでデータエンジニアをしています片山です。

先日、ナウキャストの親会社であるFinatextホールディングスの東証マザーズ上場が承認されました。組織のフェーズが一区切りとなるこのタイミングで、改めてナウキャストの目指すべき組織像、特に事業の主軸であるデータエンジニア組織の理想像について考えたので、自分自身の頭の整理を兼ね文章に起こしたいと思います。

ナウキャストはビッグデータの利活用を推進している企業です。クレジットカードデータやPOSデータなど、様々なデータを利用し、海外の機関投資家から国内の官公庁まで幅広い顧客にサービスを提供しています。

データがプロダクトに直結するビジネスモデルであり、データエンジニアやデータアナリストなどデータを扱う人にとって、ナウキャストはやりがいを感じられる環境だと思います。僕自身もデータエンジニアですが、普通だとアクセスの難しい多様なオルタナティブデータを扱うことができたり、自分の書いたコードがプロダクトに反映されビジネス価値に直結する点などにおいて、このことを強く実感しています。

これらのことはこちらのピッチ資料でも詳しく書いています。

「データを扱う人が主役である」

現時点でもデータエンジニアにとって十分魅力を感じていただける組織だと自負していますが、今後3年でより大きな組織への拡大を目指しており、それに伴い更に魅力あふれる会社にしていきたいと考えています。

「魅力ある会社」といっても、事業やプロダクト、業務など様々な切り口がありますが、この記事では「組織」の観点から「今後こんなことをしていきたい」という理想像をご説明します。

ナウキャストはスタートアップですので、データエンジニアが転職の際に検討しやすい、知名度の高いtoCビジネスや、データや開発環境の整ったメガベンチャーなどと比べて見劣りする面もあるかもしれません。

ですが、「データを扱う人が主役」である点においては、他の企業よりもより良い環境をデータエンジニアやデータアナリストに提供できると考えています。

一般にデータエンジニアの仕事は黒子であることが多いかと思います。メインのプロダクトがあり、それをサポートするのがデータ基盤です。しかし、先程も説明した通り、ナウキャストではビジネスモデルの特性上データエンジニアの書いたコードと作ったデータがそのままプロダクトになります。こういった環境は技術の幅を拡げたり、プロダクトのオーナーシップを持って働くことを後押しします。

この特徴はナウキャストの大切な個性であり、今後もこれを反映したカルチャー作りや組織体制の整備、各種制度の策定を進めていくことで、「データを扱う人」にとってより良い組織を作りたいと考えています。

このことについてもう少し掘り下げて、現時点の考えを書いていきます。

なぜ組織づくりにこだわるのか

「データエンジニアにとって、魅力的な組織を作る」という姿勢では他社に負けない、ということを述べましたが、これは単に採用の理由だけに留まりません。

一言で言えば、”組織づくりにこだわる”ことがナウキャストの企業成長の根底にあるからです。

ナウキャストは、これまで「投資判断」や「マクロ経済分析」といった金融・経済領域で購買データを活用することを推進してきましたが、今後数年で日本のデータ流通エコシステムを形成することを目指しています。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。

データ流通のエコシステムを実現するためには、金融領域に限らずマーケティング領域など、多様な領域でデータビジネスを立ち上げていかなければなりません。現在、30人に満たない人数で複数領域で複数プロダクトを開発、運用していますが、領域の多角化を迅速に力強く推進するには、ナウキャストは「データビジネス立ち上げのプロ集団」にならなければならないと考えています。

僕の思う「データビジネス立ち上げのプロ集団」は、分解すれば以下のような特徴を持ちます。

事業やプロダクトよりも組織へのエンゲージメントの高い組織

一つのプロダクトの一本足でビジネスを行うのではなく、オルタナティブデータという源泉を様々な領域に浸透させていくビジネスモデルでは、多くの事業・サービスが生まれ、PMFできなかった事業は閉じることも良しとし、高速でPDCAを回していかなければいけません。それに伴い担当する事業が入れ替わったり、各メンバーの役割や求められるスキルが広範囲にわたることが考えられます。

そのため、特定の事業やプロダクトではなく、ナウキャストという組織やそのミッションへのエンゲージメントが高いメンバーが集まった組織である必要があります。

ボトムアップで意思決定がなされる組織

「データビジネス立ち上げのプロ集団」では、不確実性の高い環境で柔軟かつ迅速に意思決定を行うことが求められます。そのためトップダウン型よりもボトムアップ型の意思決定が尊重される組織が望ましいと考えています。また、組織が大きくなっていってもメンバーが活躍するためには、各人のマインドだけでなく、意思決定フローや情報共有などの仕組みレベルでもボトムアップ型の意思決定をサポートする必要があると考えています。

T型人材のチームが活躍する組織

ナウキャストはスタートアップですので、人やお金のリソースが潤沢なわけではありません。そのため効率的に「データビジネス立ち上げのプロ集団」を作るためには、自分の専門領域で成果を出しつつ、他の領域で落ちているボールを拾いにいけるモチベーションと能力を持つ人材が必要です。いわゆるゼネラリストやI型人材ではなく、T型人材が活躍できる組織が理想的だと考えています。

当然ながら、こういった組織は自然発生するものではありません。ナウキャストはこれらを実現するためにしっかりと組織づくりに力を入れ、カルチャーや各種制度の整備、採用時のマッチング精度の向上などを目指していきたいと考えています。

特にデータエンジニアやデータアナリストなど、データを扱う方々が上記の組織要件にフィットすることが非常に重要だと考えており、どうしたら理想の組織であり続けられるかということに、職種ごとでも議論して取り組んでいく予定です。

「データを扱う人が主役」の組織にするために何をするのか

「データを扱う人が主役」の組織にするために目下取り組んでいることを、いくつかご紹介します。

データエンジニアのキャリアパス設計

ナウキャストには現在14名のデータエンジニアがいますが、一口にデータエンジニアといってもその業務内容や得意領域は異なります。いくつか実際の社員の例を挙げてみます。

PdMとの兼務
データエンジニアリングのみならず、プロダクト全体を見渡し、PdM的な役回りを兼務しているデータエンジニアがいます。

Software Engineerとの兼務
データエンジニアとして分析環境を整備するだけでなく、それをアプリケーションに連携するためのAPI開発を行っているエンジニアがいます。こういったメンバーはデータ関連の開発のみならず、アプリケーション全体の開発もリードしています。

Analytics Engineer
必要なデータを自身で整備し、顧客の求める分析まで自身で行っているメンバーもいます。データアナリストとデータエンジニアのハイブリッドロールです。

Data Reliability Engineer
データの信頼性、パイプラインの安定性などを高めることが得意なメンバーもいます。

これらのロールは自然発生的に生まれたものなのですが、今後はきちんとロールを定義し、メンバーが専門性を高めていきやすい環境を整えたいと思っています。

データエンジニアリングに特化したアウトプットの場の設定

ナウキャストではアウトプットを良しとする文化があり、業務で得た知見を勉強会やテックブログを通じて積極的に発信しています。

新技術導入の組織的な後押し

データエンジニアリング界隈は草創期にあり、様々なツールや考え方が日々登場しています。ナウキャストでは、プロダクト開発のスピードを落とさないために、そういったトレンドを取り入れ、新しい技術の導入を積極的に推奨しています。

これまでもAirflow、Kibana、FastAPI、EMR Studioなど、様々なツールをボトムアップで導入してきました。今だと有志のメンバーがdbtを試したり、分析用にGCP環境を整備したりしています。

少しでも興味を持っていただいた方へ

ナウキャストではこのような組織を共に作りながら、プロダクトをグロースできるエンジニアを常時募集しています!

もし、少しでも興味が湧いた方はTwitterや応募フォームからお気軽にご連絡ください!まずは私とカジュアルにお話しさせていただけたら嬉しいです。

ご連絡を心よりお待ちしています!

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ナウキャストについて

ナウキャストは2015年に東京大学の研究室より生まれたスタートアップ企業です。「Alternative Data for Actionable Insights」をコンセプトに、ビッグデータによって”行動に繋がる意思決定”をサポートすることをミッションに掲げています。具体的な事業についてはオルタナティブデータ(利活用の進んでいないビッグデータ)を活用した複数の事業を展開しており、主軸事業として機関投資家向けのデータ分析・レポーティング事業、そして日本銀行や内閣府にも参照されるマクロ指数を提供しています。

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