第36回:月の霊学3 月球罰霊界|皇室に弓を引く者達が落ちる地獄・・・
神仙道にも伝わる「月」の暗黒面
前回の記事「第35回:月の霊学2 ダークムーン・エルリック|月に封印された悪霊達」では、秘教の世界でいわれている月の知られざる暗黒面について記した。
それは、月が地上の悪霊達の総本山であるというものだった。
実は、我が国の神仙道でも、このダークムーン・エルリックと類似した話が伝わっている。
神仙道とは、古神道の中に含まれる一つの流派で、従来の古神道でいわれている言霊や天津金木(あまつかなぎ)等に言及せず、印や神呪(かじり)を使った玄法(げんぽう)や、霊符の謹製等を通して霊格の向上を目指し、中でも最も高度な玄胎結成法(げんたいけっせいほう)に重きを置く流派である。
前回に続き、今回も月に関連した話になるが、この月は私達が地上から見る地球の衛星としての実際の月ではない。
要するに、目に見える世界の月ではなく、一般にあの世といわれる「霊界の月」の話になるのだ。
ちなみに、古神道ではあの世のことを「幽世(かくりよ)」という。
幽世の月の世界は「月界」といって、神仙道の中でも全くといっていい程、記述されてはいない。
なお、月界の話は霊的に漏らしてはいけない話のようで、意図的に記述されなかったという説もある。
これは余談だが、秘教の世界でいわれる第八球体は、アヴィーチ(無間地獄)に関することのようであり、ハイラーキーのアデプト達もこれについては触れたがらないようだ。
宮地水位によってもたらされた異界の消息
これから語る月界に関する話は、土佐の神人といわれた宮地水位(みやぢすいい)という明治時代の神仙道の大家が、自らの実体験を基に記した「異境備忘録(いきょうびぼうろく)」という代表的遺著によるものである。
「異境備忘録」の異境とは、読んで字の如く「異界」のことであり、備忘録とは「覚書(おぼえがき)」の事で、内容を忘れないように要点を書き留めたメモを意味する。
この異境備忘録は、近年まで斯道(しどう)の世界では、正式に道士の允可(いんか)を得なければ見ることを許されなかった極秘の密書である。
この宮地水位という人物は、嘉永五年十一月八日、土佐国潮江村(高知県高知市)の祠官(しかん)の家に生まれ、本名は堅磐(かきわ)という。
なお、「水位」という名は、二十二歳の時に青真小童君=少名彦那大神(せいしんしょうどうくん=すくなひこなのおおかみ)から授けられた神仙道での道号(どうごう)である。
彼は父の常磐(ときわ)からの霊的感化を受け、僅か十歳で脱魂法(だっこんほう)を修め、目に見えない異界に出入りするようになり、先の青真小童君=少名彦那大神や川丹(せんたん)先生という二千歳を超える仙人から啓導を受け、日本や海外の霊的消息を知るに至ったという。
(彼は霊的に特別な待遇を許され、自身の霊魂だけではなく、肉体のままで異界に出入できたという。)
その自身の霊的体験を記録したものが、先に述べた「異境備忘録」という遺著である。
何故、覚え書きなのかというと、異界などの幽真界(ゆうしんかい)の話を下界にもたらすことは厳禁であり、彼は元の世界に戻ると当時体験した記憶が薄れていくので、忘れないうちにその体験をメモし記録していた事から、この異境備忘録という題名が付いたそうである。
なお、ここでいう異界とは、霊的に高い領域から低い領域に至るまで、全ての霊的な領域を指している言葉であると理解されたい。
異境備忘録で説かれる異界の階層
異境備忘録を紐解くと、異界の界層は以下のように記されているが、今の人には原文ではやや分かりづらいので、現代語訳にして紹介することにしよう。
一、幽界の首都は、第一に紫微宮(しびきゅう)、第二に日界(にっかい)、第三に神集岳(しんしゅうがく)、第四に万霊神岳(ばんれいしんがく)である。けれども、常に幽政を行う法式を定める所は「神集岳」である。
一、幽界は八通りに分かれているが、また、その八通りより数百の諸界に分かれている。けれども、この世界の幽府は、第一に神集岳、第二に万霊神岳である。
これは異界の中でも霊的に高い領域の神界を指しているので、今回のタイトルにある月球罰霊界(げっきゅうばつれいかい)は、この領域には入ってはいない。
何故なら、月球罰霊界は読んで字の如く、「罰」の字が示しているように、最も低い領域の界層の部類に入るからである。
要するに、言ってしまえば「霊的世界における最低、最悪、最凶の無間地獄」を指しているのだ。
これを上位の順から簡単にまとめると、以下のような階層になる。
一. 北極紫微宮神界(ほっきょくしびきゅうしんかい)
二. 日界
三. 神集岳神界
四. 万霊神岳神界
ここまでが異境備忘録でいわれる「高次元の神界(神仙界)」である。
そしてここから下の階層が、数々の幽真諸界(幽界)ということになる。
五. 数々の幽真諸界
六. 地上の人間界
さらに、この地上の人間界よりも下の低次元の階層に位置するのが、霊的に問題のある幽界ということになる。
七. 煉獄界(れんごくかい)
八. 月球罰霊界
このように、異境備忘録には異界の階層が記されているのであるが、これを詳細に語ると異界の階層はより複雑になる為、ここでは以上のように簡明に記した次第である。
煉獄界ってどんなところ?誰が落ちるの?
月球罰霊界の一つ上の階層には、「煉獄界」というものがある。
この煉獄界という階層も、その字が示すように、早い話ろくなものではない。
霊的にいうと、煉獄という世界は地獄の手前にある世界で、「生前やらかした魂が、その穢れを祓い浄化する為の禊ぎをするべく落ちる世界」である。
要するに、生前やらかした魂であっても、まだゴシゴシ洗えば霊的に綺麗になる段階の「穢れが落ちる者の階層」ということになる。
即ち、言葉を代えれば「まだ救いのある霊魂達」ということになるのである。
なお余談になるが、西洋のキリスト教(カトリック)でもこのような話はあり、煉獄はまだ救いのある者が落ちる世界なので、聖母マリアがその門の前に立って見守っているといわれている。
それ故に、聖母マリアはまたの名を「煉獄の女王」とも呼ばれているのである。
月球罰霊界ってどんなところ?誰が落ちるの?
そして霊的な世界には、筋金入りの悪ともいうべき猛者がおり、「煉獄」如きの禊ぎでは全く浄化することができない極悪非道な邪霊達がいるという。
そのような邪霊達は、救いようがない憐れな穢れた存在なので、神(宇宙)は心憎いことに、その邪霊達には最も適した階層を「VIP待遇」で用意しているのである。
それが月界にあるという「月球罰霊界」だ。
そこは、その名称を聞いただけで如何なる悪霊邪鬼も震え上がる程の「凄惨を極めた地獄の収容所」である。
では、どのような人々の魂が、この月球罰霊界という地獄の収容所に収監されるのだろうか。
言うまでもなく、先に述べたように「極悪非道の邪霊達」ということになるのだが、これでは具体性を欠いたものとなってしまうので、今の左脳的な知識人達には曖昧なものにしか聞こえないだろう。
なので、月球罰霊界に落ちるだろう現代の非常に憐れな該当者達について、説いていくことにしよう。
民主主義を謳歌する素敵な人々
簡単に言えば、生前、極悪非道の限りをやらかした大罪人が落ちる世界が、月球罰霊界である。
これは天地が引っ繰り返っても、霊的に変わることがない法則であると言っても過言ではない。
なので、私達のような一般人が生前に多少やらかしたくらいでは、月球罰霊界という凄惨な地獄の収容所に収監される事はないだろう。
そこまで悪質な性質を一般人は有していないからである。
しかし、ここが現代社会の盲点だ。
私達、今の文明人には、「インターネット」という情報発信の場を神(宇宙)から与えられている。
幸いなことに、我が国は戦後民主主義体制になった国なので、言論の自由が保証されている。
(政府与党のクズ共は、何を勘違いしたのか独裁国家体制を目指しているが、月球罰霊界御一行様なので、いずれ全ての自らの行いが我が身に還ってくるだろう。合掌。)
しかも、更に幸いなことに、インターネットとは便利なもので、意図的に自分を映そうとしなければ、その人の姿形、つまり容姿を見せなくても済む。
また、更に幸いなことに、やはり意図的にその人が公表しなければ、インターネットでは自分の名前、住所、性別、年齢等も明かさないで済むのだ。
まさに我が国のインターネットの世界とは、憲法で完全に保障された言論の自由を謳歌する人々の「デヴァチャン(天国)」ともいえる素晴らしい空間である。
一体、何が「素晴らしい」のか。
このような言論の自由が保障された空間では、自身が述べた責任を全く取らなくても良いので、言いたい放題好き勝手に何でも発言し、「日頃の溜まったストレスを他人に平気でぶつけて悦に入ることができる」のである。
この手のタイプの人は、一人二人の人にストレスをぶつけるのではなく、複数の人達に対してわざと人を不快にさせる誹謗中傷を浴びせて喜ぶのだ。
何故なら、言うまでもなく彼(彼女)の姿はインターネットの向こうの人達からは見えないからだ。
もちろん彼らは姿だけではなく、自分の名前、住所、性別、年齢等も明かすことはない。
そのような意味で、私は「デヴァチャン(天国)」という言葉を使ったのである。
ちなみに秘教の世界では、デヴァチャンで暮らす人達のことをデヴァチャニーと呼んでいる。
言うまでもなく、これは嫌味であるが・・・。
けれど、ここから先は私の嫌味だけでは済まない、例の「VIP待遇」の該当者の話になるからである。
勇気ある候補者?月球罰霊界への道・・・
面倒なので、例の「VIP待遇」の該当者について、はっきり言ってしまおう。
我が皇室に弓を引く者。
神仙道では、それが月球罰霊界に落ちる絶対条件であり、それを満たした者が「例のVIP待遇」に該当する有資格者になる。
昨今、そのような輩、もとい人々が、インターネット上には時に見受けられるが、「一体誰に向かって物を申しているのか」を霊的にはご存じないようだ。
一般的には知られていないが、天皇、皇后、皇室の方々は、伊勢の内宮以外の総ての神社において「皇室の方々は霊的に上位者」になるのである。
この私の表現が分かりづらいならば、端的に言おう。
伊勢の内宮では、皇室の方々は下位の存在になるが、他の神社では「神社の御祭神よりも霊的に上位の立場の存在」になるのである。
(唯物論者は霊的な話を聞いても一笑に付すが、霊的な体験を身をもって重ねてきた人達は、このような話を聞けば自然と身が引き締まるものだ。)
インターネット上でストレス解消の為に、皇室の方々の誹謗中傷をしている輩、もとい人々がしている事は、霊的に言えば「日本の皇祖皇宗(こうそこうそう)の神々に対して、口汚く罵り悦に入っている」に等しい行為である。
もし、皇室に対してこれらの心無い誹謗中傷をしている人々が、左側の人間ならまだ理解できる。
何故なら、彼ら左側の人間は、共産思想の理念に基づいて皇室批判をしているからである。
とは言うものの、私は右寄りの人間なので、左側の人々の思想に対して理解を示す気は全く無い。
それは、コミンテルンの指令が余りにも非人道的だからだ。
なお、私は「右派・保守」では無い。
つまるところ「古き良きものは残し、古き悪しきものは改めなくてはならない」という思想の持ち主である。
例えば、右の人は「明治憲法」復元という事を唱えるが、もし明治憲法に戻せば、この国における女性の参政権が無くなってしまう。
それでは民主主義国家として男女平等の社会とは言えず、個人として賛同しかねる。
故に、右ではなく「右寄り」と述べたのである。
だが何の理念も無く、ただ自身のストレス解消の為だけに皇室に対して心無い誹謗中傷をし、悦に入っているのだとしたら、余りにも霊的にリスクの高い行為だと言えよう。
それは「彼らが既に月球罰霊界行きの片道切符をしかと握りしめている」のだとしても、それ以前に皇室への不敬に対して、私達のような愛国心の強い「右寄り」の人達から、強い不快感と怒りの念をネットを通して受けるからだ。
人の「念」とは、「想いの力」である。
その想いの力は、距離の制約も受けなければ、物質も透過する。
そして「念」の世界に個人情報等は一切必要なく、ただ不快感を覚えた相手に対して、怒りの念が自動的に矢のように飛んでいくのである。
それが「アストラル」といわれる霊的なエネルギーの作用になる。
(生霊は、良かれ悪しかれ「想い」を発した人から「念」として放たれるが、その想いを発した人が想う事を止めた後でも、その念は独自のエネルギー体として存在し続ける。それが生霊である。)
このように、皇室に対して不敬を働く者は、他者からの怒りの念により運気を下げ、体調不良を来す恐れがあるのだ。
そして右寄りの人達から受けた怒りの念は一過性のものではなく、その不敬を働く者に対して、影の如く執拗に付き纏ってくるのである。
故に、私は「何の理念も無く皇室を誹謗中傷することは、霊的なリスクがある」と言ったのだ。
まあ、私にはこのような心無い人達が何処でどうなろうと別に知ったことではないのだが、一応、愚かにも勇気ある「霊的なVIP待遇」の候補者がいたことだけは、記憶に留めておくことにしよう。
我が皇室は徳治主義である
我が国の皇室は、近代化した明治期から今日に至るまで、徳治主義を心懸けられてきた由緒ある家系である。
それが国家国民に寄り添い、また他の国々とも歩みを合わせ、世界平和を望まれてきた今の尊い皇室の在り方である。
このような在り方をされている皇室の方々に対して、近年、ネット上での心無い誹謗中傷が余りにも多く、皇室を敬う一国民として、この不敬の行為を決して看過することはできない。
これは皇室の方々にだけではなく、誰に対しても同じで、口汚い誹謗中傷を平気でする事は、人として許しがたい卑劣な行為であると言えよう。
現在のネット上は、民主主義とはいえ、このような心無い輩の無法地帯と化してしまっている。
先にも述べたように、ネット上では自身の個人情報を公開しない限り、姿形も人から見られなければ、自分の名前、住所、性別、年齢等も白日の下に晒さなくても済むからだ。
けれど、因果は巡るものだ。
人は遅かれ早かれ、自身が成した行為はいずれ自身に還ってくる。
それがカルマの法則だ。
そのカルマの法則のことを、我が国の神仙道では「産霊紋理(むずびかため)」という。
また、略して「産霊(むすび)」という言い方もする。
今回は、皇室外交等の国益もろくに知らずに、ストレス解消の為、我が国の皇室に対して誹謗中傷し、悦に入っている心無い人々に警鐘を鳴らすべく、世にも恐ろしい月球罰霊界の消息について述べてきた。
そこに一度収監されれば最後、もうその不敬の者はそこから永久に出ることはできず、魂が消滅するまで日々地獄の責め苦に遭うという。
霊的な体質を抱えている人なら、一度は聞いたことがあるはずだ。
地獄に落ちた者のあの恐ろしい叫び声を・・・。
それは絶叫などという生易しいものではない・・・。
まさに空間に木霊する超音波兵器だ。
今、何も知らずにそこに向かっている多くの無知な人々が、インターネット上には存在する。
彼らには、幸いにも帰幽(きゆう)するまでには、まだかなりの時間が残されている。
(但し、例のものを接種していなければ。)
それまでに、人として己が行為を悔い改めることが出来れば、帰幽後の彼らの生活もきっと明るいものになるであろう。合掌。
参考文献1:異境備忘録 幽界物語
八幡書店から出版されている異境備忘録は、幽界物語と合わせて刊行されている。
今回の記事の本編には幽界物語は出てこなかったが、取り敢えず簡単に紹介すると、紀州の人、島田幸安(しまだゆきやす)が幽界に出入した体験談を平田派(平田篤胤の学派)の国学者、参沢明(みさわあきら)が聞いて書きまとめたものが、この幽界物語である。
神仙道を修める上で、この二書は幽真界の必読すべき消息になるので、書名ぐらいは覚えておいた方が良いだろう。
なお、異境備忘録は山雅房からも刊行されているので、こちらの方を読まれても良いかもしれない。(山雅房は異境備忘録のみの出版である。)
参考文献2:幽真界研究
古神道を真に深く理解するには、必読の書。
著者は、紫龍仙道人(しりゅうせんどうじん)の高弟である勅使河原大鳳(てしがわらたいほう)氏。
神仙道の世界を深く掘り下げて書かれているので、今までよく分からなかったところまで手が届く本である。
ただし、内容が濃すぎるので、古神道の初学者は、この本を読むまでに必要最低限の基礎を身に付けておく必要がある。中級者向けの本。
興味のある方は、絶版になっている学研のブックス・エソテリカシリーズの「神道の本」と「古神道の本」二冊を、古本で購入して学んでおくと良いだろう。