微生物を飼う。土を育てる。
昨日、古いバスタブを再利用してコンポストボックスを作ったよ。ということを書きました。
何故、こんなにコンポストボックスを作りたがるのか。
僕は、アルプスの裾野の森の中に暮らしています。
日本列島の背骨のような、標高3,000m級の峰から続く、傾斜の途中に我が家があります。
そのため、一雨降る毎に、土は標高の低いところへと、流される。
いくら石を積んだり、土留めをしても、少しずつでも土が減少する大いなる物理の法則には、抗いようがありません。
この土地は近くを渓流が走り、それによって運ばれた岩がごろごろ。
ツルハシを振るっても、庭のどこでも必ず岩に当たります。
そんな岩の表面に、ほんの僅かに薄皮のように載っているのが、土。
毎年、森の樹々が沢山の落ち葉を積もらせてくれて、それが土になり、土を補充してくれています。
それでも、なんだか土が減っていくことへの、漠然とした不安がある。
だったら、ここに暮らす者として、少しでもその土を補充するお手伝いをしたいなと思ったのです。
規模は極めて小さいとは言え、飲食店を営んでおりますので、営業日はたくさんの生ゴミがでます。
ジャガイモの皮、卵の殻、コーヒーの出涸らし、紅茶葉、、そういったものを土に変えるのです。
といっても、四角い囲いの中に、落ち葉をどんどんと積んで、そこへ生ゴミを捨てるだけです。
たまに切り返して、空気を入れてあげます。
これからのような寒い季節は、少し掘り返すと、湯気がもくもくと立ち昇ります。生ゴミの嫌な臭いは、基本的にありません。
微生物が、分解・発酵をがんばってくれていることが分かります。
時折、外気温の関係や水分量、そして生ゴミの割合などによって、少し微生物が元気なく、発酵が進んでいないような感じがする時がありますが、そんな時は米ヌカを一握り撒くだけで、一気に活気を取り戻します。
・・こうしてコンポスト内の微生物のご機嫌を気にしながら暮らしていると、まるでペットを飼っているような気分です。
この陽が射さない林床では、ガーデニングなんかは楽しめません。代わって、まるで土を育てているようなものです。
ミミズも、カブトムシの幼虫も、モグラも、皆んな土づくりの仲間です。
・・けれど、コンポストボックスに、昨年はのんびりしたタヌキが居座ってしまって大変でした。笑
土づくり、良い趣味になっています。
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