明治神宮の森に杉を見ないわけ

画像1 明治神宮が計画された当初の内務大臣大隈重信は、伊勢神宮と同じように周囲は杉や桧主体の森とするようにした。これに反対したのが、当時の東京帝大林学科教授の本田静六であった。代々木の気候に合い、都会の塩害にも強いカシ、シイ、クスなどの常緑広葉樹を主体とするよう強く掛け合った。本田の助手で帝大教授の後任でもある本郷高徳も明治神宮外苑に関わり、日本独自の公園施設としての神社を主張するようになる。実際には杉は少し植えられたが、これは常緑樹が林勢を増すまでの、一時的な日よけの役割を期待されてのことであった。

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